王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えろ〜相続者たち〜 |
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第8話 ウンサン「生きていることだけでしんどいのに。もうどうしたらいいのかわからないよ」 タン「どうしたらいいか教えてやろうか?明日、すぐ俺の家から出て行け」 ウンサン「え?」 タン「出ていけない?学校も通い続けたい?なら今から俺を好きになれ、出来れば本気で。俺はお前を好きになった」 そのまま言葉もなく見つめ合う二人。 タン「だからこれから学校で積極的にお前に構うし私生活にも首突っ込む」 ウンサン「そんなに暇なの?聞かなかったことにする」 タン「全部聞いただろ?聞かなかったことに出来ない」 ウンサン「もう仕事に戻らないと」 タン「答えてから行け」 この時タンには父から、ウンサンにはタン母から着信が。 タン「出るな」 ウンサン「奥様からよ。あなたはいいけど私は出ないとダメなの。これが私とあなたの差で、これが私の答えよ」 ウンサンの携帯を奪って母と話すタン。 タン「ああ、俺だけど。今こいつと立て込んでるんだ。後でかけ直す」 タン「差なら減らせばいい。答えなおせ」 ウンサン「ケータイ返して」 タン「答えろって」 ウンサン「私は今あなたが何を言ってるかさっぱり解らないんだけど」 タン「今から俺を好きになれ。俺はおまえを好きになった。どっちが解らないんだ?」 ウンサン「ケータイ返して」 タン「答えろって。今から俺の事好きになれ」 ウンサン「ケータイ返して!!」 タン「答えてくれたら」 ウンサン「それ、まだローン残ってるの。私にはものすごく高いものなの。お母さんと連絡もしないといけないしバイト先に連絡もするし。私の携帯返してよ!!」 泣いて訴えるウンサンを見てて、感情がこみ上げてきちゃうタン。 タン「今、お前の事抱きたくて仕方ないと思う俺は狂ったんだろうか?」 ウンサン「殺すわよ!」 でも、ウンサンを強く抱きしめるタン。 タン「泣くな。嫌いって言うな。考えてみるって言ってくれ・・・お願いだ」 ただ泣き続けるウンサン・・・。 家に帰ってきたタンを引っぱっていく母。 タンは学校で人を殴ったことを口止めしに行ったとごまかす。 相手はうちより金持ちか?と、とんちんかんなことを尋ねる母。 殴った理由を聞かないのか?とあきれるタン。 父も知ってるらしいから、と父の元に行く。 父は既に相手がヨンドということも知っていた。 理由を尋ねる父。 タン「遅いんですよこんな興味は。アメリカ行く前も、アメリカでももっとひどいことをしましたよ。そのたびに忙しいと言っていたじゃないですか?おかげさまで父の愛より遺産の方が大きいですね」 父「君の母は学校の理事長だ。どうか静かに・・・」 タン「俺の母は理事長じゃなく父さんの同棲女でしょ?」 そう言われて何も言えなくなる父。 一方タンに何も聞けないタン母は、矛先をウンサンに向ける。 だが、ケンカの相手をウンサンは言おうとしない。 タン母「ま、いいわ。それよりさっきの電話は何?外でタンと会うなんてありえないわ。あんたがずっとその態度なら、このうちにはいられないわよ」 母の部屋から出てくるウンサンを見かけるタン。 タン「何でそこから出て来るんだよ?母さんがお前に何か言ったのか?」 ウンサン「何か言うような状況でしょ」 タン「なんて言ったんだ?」 ウンサン「家では私に構わないで。これ以上疲れたくないの」 タン「チャウンサン」 無視して歩き出すウンサン。 キッチンまでウンサンを追いかけてきたタン。 タン「母さんがなんて言ったんだ?俺が代わりに謝ったらいいか?」 ウンサン「もう行ってよ。奥様が来るんじゃないかって不安なの」 タン「不安?俺にときめいてるんじゃなくて?」 ウンサン「冗談言う気分じゃないの」 タン「冗談でも言おうよ。お前の機嫌をなおしてあげたいんだ」 ウンサン「行ってってば」 タン「どこへ行けと言うんだ?ここは俺の家なんだけど?」 ウンサン「そう。じゃ私が行く」 タン「そこは俺の家じゃないと思うのか?どこへ行ってもほとんど俺の家なんだが?お前がうちにいてくれてどんなに嬉しいか知ってるか?」 ただ『おやすみ』とだけ言って行ってしまうウンサン。 沈んだ表情で部屋のベッドに横になるタン。 ふと頭に詩集が当たる。 『タイトル:まるで一緒に暮らすみたいに』 ウンサンもアメリカでの日々を思い出していた。 『なら今から俺を好きになれ。出来れば本気で。俺はお前を好きになった』 突然の告白・・・頭が混乱してどうしていいか解らないウンサン。 タンがウンサンのSNSに詩集の写真をUPする。 『詩集=まるで一緒に寝る(暮らす)みたいに。おやすみ』 ※韓国語では『寝る』と『暮らす』が一画差。タンが詩集のタイトルに一画を加えた。 翌朝。 タン「おはよう」 学校のベンチでウンサンを待っているタン。 ウンサン「こんな朝から」 タン「言っただろう?これから私生活に首突っ込むって。お前に積極的に構うって言ったのも冗談で言ったわけじゃない」 隣に座れとベンチを叩くタン。 ウンサン「私も言ったはずよ。そんなに暇かって」 タン「聞いてない」 ウンサン「聞いたでしょ」 タン「覚えてない」 おにぎり持ってるウンサンを見て。 タン「それが朝ごはん?一つでは足りなさそうだな」 睨むウンサン。 タン「(学校に)来たの見たから行く」 ウンサン「何?(学校に)来ないと思った?」 タン「夜通し心配した・・・休み時間に会おうぜ。先生の言うことよく聞けよ」 放送室の前でウンサンとタン。 放送部面接の件でウンサンがヒョシンと電話していたのを聞いていたタンはウンサンを待ち伏せしていた。 ウンサン「なにしてるの?」 タン「ヒョシン先輩と電話してるのを聞いたんだ。受かったのか?」 ウンサン「まだ解らないの。電話では教えないと言うから来てみたの」 タン「(合格する為に)俺がロビー活動してやろうか?先輩とは仲良しなんだ」 ウンサン「どうやって?」 タン「体で」 二人の背後では、ボナのナレーションが聞こえている。 タン「(俺を好きになれの答えを)考えてはくれてるのか?」 ウンサン「私のSNSからログアウトしてよ」 放送室から出てくるボナ。 そこに彼女に差し入れを持ってきたチャニョンがやってくる。 チャニョン「イボナアナウンサー」 ボナ「もう勘弁してよ」 チャニョン「放送よかったです、ファンです」 そういってボナにジュースを渡すチャニョン。 ボナ「ありがとう。サインと写真はダメよ?」 やりとりを聞いていたタン、思わず。 タン「(独り言)ふざけてるな。(ウンサンに)どこへ逃げ・・・」 ウンサンはタンの腕をすり抜けとっさに中間の範囲を教えてーと口実を作りチャニョンに目配せ。 察しのいいチャニョンはボナをおいてウンサンと別の場所へと向かう。 チャニョン「(ウンサンに)ついてきて。(ボナに)後でね」 そこに残されたボナとタン。 ボナ「チャウンサン、ウケる!ちょっとキムタン!こんな風に突然現れるの困るんだけど?まさか私に未練残ってるの?」 タン「残ってる・・・のかな?」 ボナ「そうだと思ったわ。キムタン!私は今チャニョンと超幸せなんだからね」 タン「お前は俺とも超幸せだっただろ?俺のことがすっげー好きだっただろ?」 ボナ「別に『すっげー』じゃないわよ。適当に好きだっただけよ」 タン「相変わらず可愛いな、イボナ」 ボナ「人を見る目はあるのね。念のために言うけど私はもうあんたの事は好きじゃないの」 タン「俺はお前が好きだけど?」 ボナ「ちょっと!彼氏いるのよ!」 タン「その彼氏は知っているのか?俺がお前のことが好きだって」 ボナ「知ったら困るでしょ!まったく・・・お願いだから私を忘れて!」 急いで立ち去るボナ。 そして逃げたウンサンが気になるタン・・・。 ウンサンとチャニョン。 チャニョン「キムタンと何かあった?なんで避けてるんだ?」 ウンサン「避ける理由なら一つ二つだけじゃないでしょ?家政婦の娘とお坊ちゃまなんだから」 チャニョン「そういえば父さんが学校になじんでるのか?って」 ウンサン「おじさんにまで心配かけてるのね。覚えてる?中学の時あなたのお父さんが大企業に通ってあなたがお金持ちのお坊ちゃまだって噂がたった事」 チャニョン「ここにきて思い知ったよ。僕のお父さんは大企業に通ってるけど友達のお父さんは大企業を経営してるってね」 ウンサン「 折りを見て皆に事実を言おうと思うの。なんでこんなことになったのか解らないけど成金のフリ、不安でもう出来ないの」 チャニョン「いや、出来れば最善を尽くして隠し通してバレずに卒業してよ」 ウンサン「本当にユンチャニョンなの?」 チャニョン「いじめられてた子、今日転校するんだって」 中央の渡り廊下まで走るウンサン。 帰っていくいじめられっこの後ろ姿を見る。 ウンサン『ありがとうも言えなかったのに・・・』 ロッカーで教科書を取るウンサンにヨンドから着信。 登録名は『とるな』 無視しようとするウンサンの真後ろにヨンドが!! ヨンド「何をとるな?俺の心?」 からかうヨンドは、キムタンはなんて登録してあるんだ?と言い出したためウンサンは仕方なく、ヨンドの登録名を『とるな』からヨンドの名前に変更。 ウンサン「(これで)いいでしょ!!」 ヨンドから掲示板に名前が貼ってあったと聞かされ、慌てて見に行くウンサン。 ウンサン「あ、合格だ!」 ウンサンは放送部に合格したのだ。 そこへボナ。 ボナ「何よ、こんなのまで貼って・・・先輩、アナログ過ぎ!なんで放送部なんか?私があんたなら静かにしてるよ・・・。社会配慮典型で入って成金のフリしてるくせに放送部だなんて。ちょっとどこを見てるのよ!」 ヒョシンが貼った紙をはがしたボナ・・・が、その下にはアメリカでウンサンが残したタンへのメッセージが!! ボナ「(そのメッセージをじーっと見てるウンサンに)何これ?神聖なる校内で恋愛なんかしている正気を失った青少年は誰なの?」 ウンサン『不思議。これどうやって見つけたんだろう・・・』 後でタンに尋ねるウンサン。 ウンサン「これ、どうやって見つけたの?」 タンの回想。 アメリカの学校の掲示板の前。 何気なく掲示板を見て通り過ぎるタン。 だがふと気になりもう一度掲示板を覗き込むとたくさんの紙に埋もれた小さなメモに気付く。 タン「それが何?」 ウンサン「不思議ね。どうやって見つけたんだろ」 タン「電話一本してくれと言っても聞かなかったくせに掲示板にこんな馬鹿なことを書いてたのか?」 ウンサン「まさか読むとは思ってなかったよ。なんで電話しろって言ったの?」 タン「解りきったことだ。話があるからしろと言った」 ウンサン「話ってなに?」 タン「何処なのか?って。誰といるのか?って。いつ帰るのか?って。行かないとだめなのか?って。行かないでくれって。俺といろって。会いたいって。お前のために来たわけじゃないけど、ここ(韓国)に来た理由にはお前もある。(俺を好きになれの答えを)考えてくれてるよな?」 しかし、授業があるの・・・と歩きだすウンサン。 タン「どの教室なのか知ってるのか?」 ウンサン「知ってる」 タン「論理の授業はA塔の301号室だけど?」 慌てて反対方向に向かうウンサン。 そんなウンサンとタンを見てるラヘル。 タン「そこにいろ、話がある」 ラヘル「今なんて?もう一度言って」 タン「俺、チャウンサンが好きだ」 ラヘル「とうとうそれを言ってしまうのね、キムタン。それで?許可を得たい?それとも消えて欲しい?」 タン「誰に会おうがお前の許可はいらない」 ラヘル「でも、これはもう決まっているの。私じゃなかったら・・・」 タン「解ってる」 ラヘル「よかった。完全に狂ったわけじゃないのね」 タン「でももう考えない。とりあえずやらかそうと思う。お前じゃなくても超えないといけない山は多い・・・俺たち友達だっただろ?」 ラヘル「18才らしくていいけどそれは間違っているよ。(そんな話聞かされて)私が傷つかないと思った?」 企業同士の婚約。 だからタンには心なんてなかった。 でもラヘルは違う。 タンが好きだったのだ。 冷静なラヘルが「傷ついた」と告白しても止まらないと断言したタンに、ラヘルは・・・。 チャニョンの父ユン室長は検査入院しているタン父の部屋へ行っていた。 ユン室長は、ベット脇にある写真と報告書っぽいのを気にする。 タン父「パクさんを家に紹介したのが君だったね?どういういきさつで?」 ユン室長「隣の家で、しんどい家庭なのにがんばってて」 タン父「借金があるようだね」 ユン室長「ご主人が病気になったときのものです・・今も少しずつですがきちんと返済しているようです」 タン父「ウンサンを帝国高校に入れたのは知っているのかね」 ユン室長「息子を通して聞きました、なぜですか?」 タン父「タンに近づいたらなぜだめか・・・100人の口で聞くことになるから」 身分の差を肌で感じさせようとした会長の狙い・・・ それを聞いたチャニョン父も、己の立場を見せつけられた気がしてしまう。 家族写真を嫌がり父と戦うヨンド。 なんとか勝ちそうになるが首を絞めるという反則を使われ負けてしまう。 ヨンド父「まだ勝ち方を知らないな。ルールは決めてないんだ。勝てと言っただけで。審判もないここで結果だけが残る。日曜、遅くなるな」 いつも父にはかなわないヨンド・・・ちょっぴりメランコリックになった彼はウンサンのバイト先へ行く。 携帯で呼ぶが無視するウンサン。 ヨンド「名前変えても出ないんだな」 ウンサン「ここはどうやって?」 ヨンド「俺がお前に対して調べてびっくりしたのは、お前がバイトをがんばって成金になったってことだよ」 ウンサン「何をすればいい?」 ヨンド「寂しくてきただけ・・・あいつの告訴、やめてあげたから」 ウンサン「本当?」 ヨンド「やってあげるって言っただろ?」 そこにやってくるタン。 タン「何をやるって?ここはどうやって知った?」 ヨンド「これは反則だろうが。それはもうこの子が聞いた。ここを知っているって事は他にバイトしている所を全部知っていると心の中で答えた」 タン「それが何?ホテルの息子も厨房で皿洗っているだろ?」 ヨンド「解らないふりならやめろよ」 タン「(ウンサンに)仕事に戻っていいよ」 ヨンド「そういうお前もどうしてそんなに知り尽くしているんだ?」 タン「俺はいつもお前より一足早いからな」 ヨンド「だから後ろを気をつけろよ。一歩後ろに俺がいる」 タン「チャウンサンで後ろを刺すわけか?くだらないことに力を入れない方がいいと思うが?」 ヨンド「何?恋愛してるのか?」 タン「よく似合うか?俺達」 ヨンド「なんて汚いことを聞くんだ」 タン「よく似合うだろ、俺達。チャウンサンに触れるな。警告したからな」 ヨンド「正攻法か。あんまりいい戦略じゃないな。膝に気をつけろよ。俺のマットの中にはルールはない」 二人がやり合ってる隙にウンサンは退社。 飲み物を二人に渡すよう言い、さっさと帰っていた。 店長「あんたたち、これウンサンのおごりだと・・ウンサンはバイト終わって帰ったよ」 仕方なく帰っていくタンとヨンド。 だがヨンドのバイクはレッカー移動されていた。 タン「法律はそうやって使うんだよ、告訴状じゃなくて。チューニングも違法だから。まぁがんばれ」 ヒョンジュの所へ行くウォン。 車でずっと待っている時、ヒョンジュが帰ってくる。 ヒョンジュ「提案は考えて見ます。送ってくださりありがとうございます」 それを見たウォンは嫉妬心。 突然姿を現したウォンに驚くヒョンジュ。 ヒョンジュ「いつ来たんですか?」 ウォン「この時間に誰の車だよ」 覗き込んだウォンは、それがユン室長だと知りあわてる。 ウォン「言い訳しません」 だが、ユン室長は大人の対応をしてくれる。 ユン室長をそのまま見送った二人・・・。 ヒョンジュ「そのまま返したらだめでしょ」 ウォン「なんでユン室長に会った?」 ヒョンジュ「ユン室長の息子さんの家庭教師をやってます」 家を出たというウォンをそんなことしてたらだめだというヒョンジュ。 そんな二人をカメラで狙う人が・・・。 自宅で。 なんでカフェから逃げたのか気になるタンはウンサンの部屋を訪ねようとする。 その時ウンサンが偶然ドアをあける。 ドアをノックしようとしていたタンの手を見て。 ウンサン「何?殴るの?」 タン「寝てなかったのか?」 ウンサン「そういうあなたは?」 タン「どこへ行くんだ?」 ウンサン「(冗談で)あ、奥様!」 慌てて後ろを振り返るタン。 タン「このやろ・・・」 そこへ本当にタン母がやってきてしまう。 ギエ「おばさーん?ウンサーン?」 『やばい!』と慌てて倉庫に隠れるタンとウンサン。 タン母「もう寝てるのー?」 倉庫で息を殺す二人。 タンは母が行ったことにホっとするが、目の前にウンサンの顔があることに気付く。 暗い倉庫の中、ウンサンにキスしようとするがウンサンの無言の拒否を感じてあと少しのところでやめる。 タン「母さんは行ったよ」 ウンサンに思いっきり足を踏みつけられ悶えるタン。 ワイン室で二人。 ウンサンは母の為に、ワイン倉庫で宿題をしようとしていたのだった。 傍にぴったり寄り添うタン。 ウンサン「部屋に戻らないの?」 タン「ああ、なぜここで宿題をするんだ?」 ウンサン「母は寝ないといけないからだわ。明るいと朝だと思って起きるのよ」 タン「あ!ここはタイプミスだ」 ウンサン「!?」 タン「協力しているんだ」 ウンサン「家の中では話をしないでと言ったわよ」 タン「これは独り言だ。返答するなよ!」 ウンサン「は〜」 タン「どうして(カフェから)逃げ出した?ヨンドのせいか?」 ウンサン「あなたのせいよ」 タン「返事するなと言ったぞ」 ウンサン「カフェには来ないで」 タン「なぜ?チェ・ヨンドが行くからか?」 ウンサン「!」 タン「俺が行く前には2人で何を話していた?」 ウンサン「なんか変なことよ」 タン「どんな変なこと?」 ウンサン「…(回想中)」 タン「どんな変なことだ?!」 ウンサン「寂しいからカフェに来たと言っていたわ。それで、ヨンドは本当に寂しそうにしていたわよ」 タン「は!それでお前は同情した目で見ていたのか?」 ウンサン「私が何をしたというのよ?!」 タン「どうしてチェ・ヨンドがお前の職場のことを全部知っているんだ?!」 ウンサン「どうして私に分かるのよ?!私も初めて聞いたばかりだわよ」 タン「は〜」 しばし沈黙。 ウンサン「どうしたのよ。心配しないでよ。私だって巻き込まれるつもりないわよ」 タン「もう巻き込まれている。もうおれに見せつけるためじゃないんだ。奴は本当にお前に会いたいんだ」 ウンサン「?」 その頃、ヨンドはアジトでウンサンとのことを考えている。 気になって仕方なくて・・・。 ミョンス「何を考えているんだよ」 ヨンド「チャウンサンのこと・・・」 ミョンス「成金?なんで?」 ヨンド「だからなんでなのか考えてる・・・」 もやもやしたまま、出ていくヨンド。 学校のベンチでタンとウンサン。 目を閉じて音楽を聞いていたウンサンの隣にいきなり座ったタンに驚きウンサンに思い切り叩かれるタン。 タン「あぁ・・・マジ痛い!」 悶えて痛がるから『どこ?』といたわるウンサン。 タン「そこ、あぁもうちょい下。いや、こっちかな?」 ウンサン「もう一発叩かれたいの?みんな見るわよ」 タン「みんな食事に行ったって」 ウンサン「なんであんたは食べないでここにいるのよ?」 タン「そういうお前は?」 ウンサン「今から行くの。お願いだから突然現れないでよ。いったいどこから来たのよ。目つぶってから10秒もたってないのに」 タン「おとぎ話から?だからなんでイヤホンつけてるんだよボケ。人がついてきても気づかないだろ」 ウンサン「ついてきたの?」 タン「仕方ないだろ?家では声もかけられないんだから」 ウンサン「だってあなたがあんなこと(倉庫でキス)をするから!」 言ってしまってから『しまった!』という顔をするウンサン。 タン「(ニヤニヤしながら)その話をしてもいいのか?」 ウンサン「先に入るからあなたは5分後に入って」 タン「タダで?お前の時給はいくらだ?俺の5分も払えよ、じゃ」 ウンサン「あなたは財閥の息子のくせになんでそんなにお金にがめついの?」 タン「お金にがめついから財閥なんだ。金を無駄遣いするのは成金だけだ。いつ潰れるか解らないから。そういえばお前はやたら金使うくせに俺におごると言ったのは実行しないのか?」 ウンサン「おごるわよ。放送部の奨学金を貰ったらね」 タン「金目当てで接近したのか?放送部に?」 ウンサン「解った。あなたの5分私が買うわ。ついてこないで!」 タン「おい!俺の5分がいったいいくらだと思ってるんだ!しかもこういう時は前金だろうが!」 無視して行っちゃうウンサン。 一人でランチに行った彼女は今度はヨンドにからまれる。 ウンサン「何してるの?」 ヨンド「なんだと思うんだ?一緒に食事がしたいだけだ。座れ」 ウンサンをいじめられっこ用の席に座らせようとする手下。 ヨンド「何してるんだ?座れよ」 ウンサン「あなたと一緒に食べたくない」 ヨンド「食事しようと言っただけなのに俺が恥ずかしくなるだろう?」 座らされるウンサン。 それを見ていたボナとイェソル。 イェソル「ちょっとあれ、ジュンヨンの席よ。チャウンサンがチェヨンドの次のターゲットのようね」 ボナ「もうあのガキ」 イェソル「でもあの子成金でしょ?社会配慮典型でもないのになんでかな?」 ボナ「チャニョンもキムタンも、なんでこないのよ!」 食べずにただ震えてるウンサン。 ヨンド「何でくわねーの?」 ウンサン「私をここに座らせたのどういう意味なの?」 ヨンド「別に何も?おれはここが好きなんだ」 ウンサン「キムタンをイライラさせるために私を利用するならやめて。私、彼とは関係ないの」 ヨンド「そうか?俺もあいつとは関係ない」 そこへタンがやってくる。 震えてるウンサンを見て・・・。 タン「何してんだ?今」 ヨンド「決まってるだろ?一緒に食事してるのが見えないのか?」 タン「立て。立てって言ってるだろ!!」 恐る恐る立ち上がるウンサン。 ヨンド「(タンに)なんて食事の礼儀だ?人目の多い所でお前の家庭教育について言わなければならないのか?」 タン「おれと先約があってさ。(ウンサンに)行こう」 タンがウンサンを連れていこうとするがウンサンの足を引っ掛けるヨンド。 転んでしまうウンサン。 制服がぐちゃぐちゃに汚れてしまう。 タン「この野郎!」 ヨンドに掴みかかるタンに。 ウンサン「やめてやめてよ!転んだのは私・・やめて」 ヨンド「最近おれが優しいから気が抜けたんだな」 タン「ぶっ殺す」 ヨンド「お前の代わりにチャウンサンを土下座させたか?俺が。想像以上だろ?」 ウンサン「(タンに)私を連れて外に出て」 これを見てたラヘル、税関申告書をヨンドへ渡す。 これを渡すから端からウンサンを引き離せ!という心の現われだった。 屋上にウンサンを連れて行くタン。 タン「怪我はないか?見せて」 ウンサン「来ないで・・・汚いの。大丈夫だから」 タン「じっとしてろ。見るから。じっとしてろと言ったろ!」 そう言ってウンサンの手を調べるタン。 その時ウンサンの携帯に着信、チェヨンドだった。 自分の素性がヨンドにばれたことで怯えるウンサンは、ヨンドの電話に出ようとする。 タンはそれを阻止しようとする。 ウンサン「出ないと」 タン「出るな」 ウンサン「出ないと!さっき見たでしょ?無視しても逃げても通用しないの。私が成金じゃないこと知ってるの。全部知ってるの」 タン「知っていてもいい。出るな」 ウンサン「全部解ったんだってば!」 タン「出るなって言った!!」 ウンサン「(電話)もしもし・・・」 ウンサンを止める為キスをして口をふさぐタン。 第9話へ |