王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えろ〜相続者たち〜
第7話

コンビニで寝ているウンサン。

ヨンド「おいおい。なんでいつもこんなとこで寝てんだよ。守ってやりたくなるだろ?」

タンの目は愛しそうにウンサンを見つめ、ヨンドはきつい目でにらみつける。

ヨンド「会いたい人、起こしてやるよ」

蹴っ飛ばして起こされるウンサン。

ヨンド「もう起きろよ。キムタン来たぞ」

ウンサン「なんでこううるさいのよ」

タン「なんだお前ら、他人の町で」

ウンサン「あんたら何?なんでここにいて、あの人はあそこにいるの?」

ヨンド「こいつに会いに来たんだろ?渡ってこいよ」

タン「俺がなんで?なんで二人がそうしてるかは知らないが悪ふざけはお前の町でやれよ。この町はそんな所じゃない」

帰っていくタン。

ヨンド「あいつ行ってしまうよ?ついていかねーの?」

ウンサン「キムタンに会いに来てないけど?」

ヨンド「じゃこの状況が偶然だって?」

ウンサン「あんたと私は約束でもしたの?食べたら帰りなさい」

ヨンド「意地っ張りには勝てないんだな。まぎらわしい」

家に着いたウンサンは突然出てきたタンに驚く。

タン「女の子がなんであんなとこで寝てんだよ!」

ウンサン「家に早く帰りたくなくて、でも行くとこもなくて・・・」

タン「コーヒーショップとかあるだろ?」

ウンサン「時間を稼ぐにもお金使わなければならないから・・・先入るね」

タン「話し中だろうが!あいつとはなんで会った?」

ウンサン「知らないよ」

タン「チェヨンドには気をつけろと何度言ったら解るんだ?脅迫とかされてないか?」

ウンサン「いや・・・むしろ守ってやりたいって」

タン「それが脅迫なんだよそれが!お前は俺の言うこと聞けよ!もうチェヨンドとはばったり会うんじゃない。これは警告だ」

ウンサン「それは私の勝手に出来ないでしょ?」

タン「最善も尽くしてみないで何言ってるんだ?」

ウンサン「いったいチェヨンドと何があったの?」

タン「よく覚えてない。ただ今はお互いにいがみ合ってる」

ウンサン「私先に入るからね。5分たったら入ってね」

タン「一度くらいは庭でばったり会ったりもするだろう?(だから一緒に帰ってもいいじゃん?)」

ウンサン「(ここに置いて貰うために)ばったり会わないように最善を尽くすっていう設定なんで」

さっさと家に入るウンサン。

タンの母から早速お小言を貰うウンサン。

そこへ「お水」と言いながらタンがキッチンに入ってくる。

タン母「そうだ、初めて会ったのよね?この子が息子なの。帝国グループの次男。ほら、しゃべれないおばさんの娘の・・・」

いちいち使用人と雇い主の差をつけようと過度のある母の言葉にタンは胸中複雑。

ウンサン「初めまして」

タン「俺は会ったことあるけど?」

タン母「いつ?あなたは学校で見たことないの?」

ウンサン「見てません」

タン母「変ね。目がいく子なのに。あ、そうだ。どうせ顔見知りになったんだし、タンが学校でどう過ごしているのか報告してくれないかしら?タダで名門の学校に通ってるんでしょ?そのくらいしなさいよ。でも親しくはしないでね。同じ年だからってタンちゃん!なんて呼ばないでね。解ってる?」

ウンサン「はい。おぼっちゃまみたいな感じですね?」

タン母「そう!勉強出来るって聞いたけど理解の早い子ね!」

ウンサンを下に見た母の発言を立ち聞きしていたタンは渋い顔をする。

ウンサンは部屋に戻るなりうたたねしている母を見て

「なんでそうやって寝ているのよ」

と小言を言うが、そこに制服があることに驚く。

ウンサン「あれ?これ何?どこで!?」

母「買ったんだよ」

高い制服を無理して買ってくれた母。

ウンサン「ありがとうお母さん!実は超嬉しいの!どうしよう、アイロンかけようかな?」

大喜びのウンサン。

ラヘルは母からヨンド親子と家族写真を撮ると言われなんとか阻止出来ないかとヨンドに相談する。

ラヘル「写真のこと聞いた?あんただけ気を悪くしたわけじゃないんだから。この婚約破棄することは出来ない?」

ヨンド「婚約は無理でも家族写真の撮影はやめさせるけど?それしたら、お前は俺に何してくれる?」

ラヘル「何が欲しいの?」

ヨンド「俺が何言おうがやってくれるか?」

翌朝、まだ暗いうちに出掛けようとするウンサンを待っていたタン。

タン「どうも一度も見ないと思ったら運転手さんも来てないこんな時間に出て行くって・・・そんなに俺を避けたいのか?」

ウンサン「あんただけを避けてるわけじゃないから。先行くね」

タン「先に行かせるためにこんな早朝から待っていたと思うか?口げんかが長引いていいことないよ、CCTV(に映ってる)」

やっとウンサンを車に乗せ出発するタン。

車中で。

タン「みんなキムタンが好き、だってかっこいいから。キムタンは勉強も出来る、だってかっこいいから。キムタンは・・・」

ウンサン「何を言ってるの?」

タン「母さんに報告する内容。全部聞いたんだ。昨夜俺の事報告しろって言われてはいって答えたな?」

ウンサン「いいえって言えないの。あの家では」

タン「それで『いいえ、嫌だ』は俺にぶつけるのか?」

ウンサン「そうだっけ?」

タン「こんな朝早くに行く理由はなんなんだ?お前が避けてること正確には何なんだ?」

車で通う生徒達に会いたくないウンサン。

ウンサン「車に注意してるの」

タン「車??」

意味が解らないタン。

慌てて一人で下して貰おうとするウンサン。

タンは今日だけ・・・と運転手に行ってくださいと告げる。

タン「あっ!」

ウンサンが目をそらした隙にウンサンの肩に頭をもたれる。

緊張で固まるウンサン。

タン「眠いんだ・・・お前のせいで早く起きすぎた」

ウンサン「何をしているのよ」

タン「一緒に降りよう・・・制服・・・良く似合ってるよ」

一瞬微笑むが、唇をきゅっと噛むウンサン。

二人で車を降り、ウンサンの後ろをゆっくりついて歩くタン。

タンを気にしながら歩くウンサン。

タンはウンサンのうなじを見て・・・思わず髪を結っていたゴムを取ってしまう。

ウンサン「何するの?」

タン「学校では髪は結ぶな。隠す程可愛いんだよお前は。こうしてろよ」

髪をぐちゃぐちゃにしてしまうタン。

ウンサン「やめてよ。誰かに見られたら困るでしょ」

タン「こんな時間に誰が?」

そこへミョンスが。

ミョンス「キムタン?あ、成金ちゃんも一緒か?お前達二人で来たの?」

タン「お前こそこんな時間に・・・ここで寝たのか?クラブから登校って感じだが?」

ミョンス「まぁな。母さんに外泊バレたら明日はここで目覚めるかもな。入ろうぜー」

ミョンスはどうもウンサンに会ったことがある・・・としきりに考えている。

タン「こいつはクラブになんか行かない。行ったってクラブの方で人を見るだろ」

と憎まれ口をたたくタン。

「ださいけどいい線言ってると思うけど?」軽いノリのミョンス。

ウンサンとヒョシン、放送室で面接。

ヒョシン「特技は手話?普通は3か国語とかなんだけど」

ウンサン「そこが私を選択せねばならない数多くの理由の一つなんですけど子供の頃から犠牲と奉仕の精神で・・・」

しっかり自分を売り込むウンサン。

ヒョシン「不合格。だって目的は制服だったんでしょ?もう着てるし。バッグ買ったと言っていたが返したのか?」

ウンサン「バッグ買ったのは嘘でした」

ヒョシン「だと思った。制服着てるし。最後に話があればして」

ウンサン「(手話で)私を選んで下さい。でないと復讐します」

ヒョシン「何だ?」

ウンサン「どうか選んで下さい(営業スマイル)」

ヒョシン「その割には長かった気がするが?」

そこへボナが入ってくる。

ボナ「何?まさか、今面接とか?だめですよ。この子彼氏のベストフレンドなんですよ。男女間の友情ってありえると思います?」

ヒョシン「残念だな・・僕は痴情好きなんだけど」

そこへ他の子が面接に・・・ボナは急変。

「この子合格!この子にしましょう、先輩!JBSと共にする次のPDはチャ・ウンサンあなたです。コングラッチレ〜ション♪おめでとう」

あっけにとられるヒョシンとウンサン。

面接もうまくいき、ほっとしてウンサンが髪を束ねようとするとまたタンがとってしまう。

もう!と怒るウンサンは、その時自分をじーっとみてるヨンドに気づく。

また何か私にしようと?・・不安になるウンサン。

アジトにいるタンのところへやってくるチャニョン。

チャニョン「何やってんの?」

タン「昔のことを思い出してね。ボナとはいつから付き合ってる?」

チャニョン「1年半?お前はウンサンとはどんな段階だ?」

タン「告白寸前・・・お前はチャウンサンと人生の半分を友として過ごして何もなかったのか?異性的感情や、ときめきとかなかったのか?」

チャニョン「あったとしたら?」

タン「だろうな。ないはずないよな。いつ?」

チャニョン「9才のときだったかな。あの時ウンサンは俺より背が高かったんだ。それで俺をいじめる子達をあの子がぶっ倒してくれた。どんなに心強くてときめいたか」

タン「マジそれだけか?」

チャニョン「そういうお前はなんでボナの手を握ったんだ?」

タン「寒くて」

チャニョン「それだけか?」

タン「その時はボナの方が俺より力強かったんだ。じゃな」

チャニョンはタンが行った後、彼が見ていた中学時代のヨンドとのツーショット写真を見る・・・。

やっと家に戻ったウォン。

だが父にしばらく外で過ごすと告げる。

ウォンの部屋へ行くタン。

タン「兄さん、戻ったの?」

ウォン「お前と母はそれが一番気になるか?出て行け邪魔だ」

タン「兄さんと俺、お互い憎むとか関係なく一緒に暮らすことは出来ないの?」

ウォン「それは本物の家族同士がやることだ」

タン「俺にそんな風に言って、兄さんの心は平気なの?」

ウォン「平気ではない・・・だがお前もそうだろ?それでいい」

タン「何で俺が帰ったからって家を出るんだ?」

ウォン「お前が俺に付きまとうからだ。お前ホテルにも来ただろ?会社にも来たし。お前がまるで7歳の子供のように付きまとうから俺は逃げるしかない。なぜそこまでするのかって?俺の居場所をお前が奪ってるって思わないか?それとも今度は俺がアメリカに行かなくてはならないのか?一体いつになったら成長するんだ?高校生を相手にするわけにもいかないだろ。頼むから早く成長してくれ」

ワイン倉庫にいるウォン。そこへタン。

タン「勝手にホテルへ行ってごめん。会社へ行ったのもアメリカから帰ってきたのも悪かった。だから家にいてください。兄さん」

ウォン「離せ。お前が俺をとめる?」

タン「俺は兄さんにこの程度の勇気も出せない?おこがましいけど俺、兄さんのこと理解してるから」

ウォン「理解しているだと?私をあざ笑うのか?お前なんかに理解されてたまるか?戻る勇気はあって、戦う勇気はないのか?生意気な」

ウォンに抱きつくタン。

タン「俺兄さんとは戦わない。負けるに決まってるから。心のないケンカなんて勝てっこないだろ?」

ウォン「誰に似たのかうるさいな、お前」

そう言い、タンを振り切り行ってしまうウォン。

兄とのことで傷ついたタンは一人庭にいた。

その時バイトから戻ってきたウンサン。

タン「今お帰りか?」

ウンサン「びっくりした!こんばんは」

タン「反抗か?」

ウンサン「奥様が来るかもしれませんので。それでは私はこれで」

他人行儀なウンサン。

タン「止まれって!なんで俺のドリームキャッチャーを返さないんだ?感謝の一言もなくコイツ。俺は右手のした事を左手が分かって欲しいタイプなんだ。ワイン倉庫へ持ってこい、今すぐ!」

待ってるタンはウンサンが来るのに合わせて音楽を流す。

ドリームキャッチャーを渡しながらウンサン「ありがとう」。

タン「これって結構効くよな。ないとすぐ悪夢を見てさ」

ウンサン「嘘つかないで」

タン「音楽かけたけど、歌、一曲だけ聞いて帰れば?」

いい曲だから・・と止まるウンサン。

熱く愛した人が好きだった歌だ、と話す。

慌てるタン。

タン「恋愛したのか?いつ?アメリカへ来る前?どんなやつだ?」

ウンサン「男だとは言ってないよ?」

タン「してないんだ・・・で、誰?」

ウンサン「姉さんだよ」

タンほっとした。

タン「今も行きたい?アメリカ」

ウンサン「別にアメリカじゃなきゃ・・というんじゃないの。ここ(韓国)じゃなかったら何処でもよかった」

タン「それでここに戻ってどう?」

ウンサン「同じだよ。毎日バイトにバイトにバイト。転校はさすがに驚いたけど。おかげでもっと不幸になった」

タン「俺の助けが必要なら言えよ」

ウンサン「お気持ちだけありがたく頂戴するわ」

タン「誰があげるって?」

ウンサン「生まれてきたら帝国の息子だってのはどういう気分?」

タン「母さんを母さんとは呼べず、兄さんを兄さんて呼べない気分かな?」

ウンサン「さすがお坊ちゃまのジャンルはそっちか?」

タン「俺も一つ聞いてもいいか?」

ウンサン「だめ。あなたの質問はいつも危なかった。お休み」

タン「まだ(歌)終わってないのに・・・」

戻るウンサンをドリームキャッチャー越しに見るタン。

翌日学校で。

ウンサンにちょっかい出すヨンドはいきなりウンサンとボナのバックをばらまく。

二人のバックの中身を比較。

ヨンド「見ろよ。お前は金を使ったことがない。成金じゃないだろ。イボナ、こいつ本当に成金か?こいつに対して(何か)知っているだろ?」

執拗に詰め寄るヨンド。

(ボナはチャニョンからウンサンの事がばれないよう協力してって言われ守っていた)

そこへチャニョン「どけ。ボナどうした?」

ボナ「チャニョン、チェヨンドが頭おかしいよ。毎回みんなの授業準備出来なくするの」

チャニョン「だめだよ」

ヨンド「転校生にはたくさんの騎士がいるな。勝負欲出てくるな」

チャニョン「二人とも大丈夫?」

チャニョンが入ったことで一応は落ち着くが・・・。

タンは別の教室でヨンドがウンサンにひどい事をしたと聞き、授業どころではなくなってしまう。

ヨンドは今度はいじめられっこを告訴するといじめていた。

取り下げて欲しいと懇願するいじめられっこにそれなら跪けと言う。

従おうとするいじめられっこに「立て」と割って入ってくるタン。

だがタンに『お前だって同じだ!』と言い放ついじめられっこ。

こうしたいじめの伝統は、以前タンが作ったものだったからだ。

タン「悪かった。これで返す」

そう言ってヨンドを殴ってしまうタン。

タン「俺も殴ったんだから俺も跪かせてみろよ」

ヨンド「してもいいか?楽しみだな」

そこに教師がやってくる。

理事長の部屋にいく二人。

母親としてヨンドに謝りタンを叱る義母。

ジスク「転校して早々これなの?私との約束忘れたの?こうするなら転校して」

ヨンド「俺は大丈夫です。告訴したりしませんから。タンを責めないでやってください」

タンと二人になって。

ヨンド「お母さまもああ言っているし転校、考えてみたら?」

タン「殴られて恥ずかしい方がするべきじゃないか?」

ヨンド「実の母じゃないからって無視するのかよ?」

挑発するヨンド。

タン「帰れ。右の頬も殴る前に」

ヨンド「それを待ってるんだよ。おれも我慢しなくてもいいチャンスを」

タン「そのうち機会があるだろうよ」

別れる二人。

中学時代の二人があらわれる。

女性関係の乱れてる父に嫌悪していたヨンドを励ますため、自分は正妻の子じゃないと打ち明けたタン。

しかしその事と父の愛人たちを重ねてしまったヨンドには逆効果だった。

『お前庶子?だからおととい見た女と父の間に子が生まれたらお前みたいなやつになるんだよな』

これが二人の亀裂のきっかけだったのだ。

ウンサンはチャニョンにテストの範囲を聞いていた。

唯一ホっと出来るチャニョンとの時間。

だがそこへヨンドから電話が入る。

ジャージャー麺を届けろというヨンドは、いじめられっこを使ってくる。

ウンサンが行けば告訴を取り下げると言うのだった。

そこへいじめられっこが来る。

「あの、悪いけど本当に悪いけど」

いじめられっこの為結局配達するウンサン。

ウンサン「私で遊ぶ理由はなに?」

ヨンド「理由か?」

ウンサン「本当に告訴やめる気じゃなかったんでしょ?あなたはいたずらだけど彼にとっては・・・告訴やめてくれるの?」

ヨンド「うん」

ウンサン「なんで?」

ヨンド「君が来たから花が俺の所へ来て・・まぁそんな・・何、花は嫌?花は嫌なのか。俺に来た所が嫌いなのか?」

ウンサン「どっちも嫌」

ヨンド「振られた。復讐する」

そこへラヘルがやってくる。

ウンサンが一緒にいた事で早速タンに告げ口する。

ラヘル「私よ。チャウンサン誰といるか解る?」

タン「知らないよ」

ラヘル「チェヨンドのホテルにいるよ。チェヨンドと一緒に食事してた」

タンはウンサンへ電話するが出ない。

慌てて出ていくタン。

バイトに出てるウンサンを見てほっとする。

タン「出て来い」

ウンサン「どうしたの?何かあった?」

タン「電話にはなぜ出ない?」

ウンサン「仕事中だもの」

タン「ヨンドのホテル行ってたか?」

ウンサン「ユラヘル、まったく(告げ口したわね)・・・」

タン「行ったのか?」

ウンサン「あのホテルがチェヨンドのなの?」

タン「正気なのか?あそこがどこだと思ってノコノコついていくんだよ!」

ウンサン「アメリカで薬の売買人かもしれないあんたの家にも行ったわよ。別に馬鹿なことをする性格でもないし・・・」

タン「それが馬鹿なんだよ、それが!俺の何を信じてついてくるんだよバカ。何かあったらどうするつもりだったんだ?」

ウンサン「そんな人じゃないでしょ?」

タン「お前に何が解るんだ?俺がどんな人か。ヨンドのホテルにはなんで行ったんだ?」

ウンサン「いじめられっこのため、行ったら告訴やめるって言うから」

タン「それを信じるか?」

ウンサン「信じないわ。でも友達が・・・」

タン「お前がなんであいつと友達なんだよ?」

ウンサン「私が社会配慮典型だって知ってたの。でも知ってて知らん振りしてくれたし。そもそもなんでチェヨンドが私のことをいじめるの?あなたのせいでしょ?」

タン「だからだよ!俺のせいでお前に何かあるんじゃないかって!頼むから俺の気が狂わないようにしてくれないか?じっとしていてくれないのかよ!」

ウンサン「あんたこそ!私を放っておいてくれないの?私は生活だけでも辛くて精一杯なの。チェヨンドにも睨まれてどんどん辛くなる一方で・・・ものすごいことを望んでるわけじゃないの。なんとか無事卒業して二十歳の私は今より10ウォンでも増しであって欲しい、それだけなの。どうすればいいのか解らないの、もう」

タン「どうすればいいか教えようか?明日、家から出ていけ」

ウンサン「え?」

タン「出ていけないのか?学校も通い続けたいのか?じゃ今から俺を好きになれ、出来れば本気で。俺はお前の事、好きになったから」

驚いて固まるウンサン。

言葉もなく見つめ合う二人。

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