王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えろ〜相続者たち〜
第3話

タン「もしかして・・・俺は君が好きなのか?」

暗い映画館の中で見つめ合う二人。

ウンサン「違うと思うよ」

タン「なぜ?なぜそう言いきれる?」

ウンサン「だってあなたには約束(婚約)があるもの」

タン「それにもかかわらず」

ウンサン「それじゃあまりにもドラマじゃない」

タン「ここはハリウッドだよ。そういうことが現実に起こることもある」

ウンサン「本当に?本当にここはハリウッドなの?」

タン「は!?」

タンは真剣に告白していたのに、ウンサンの的外れな言葉に呆れる。

二人は映画に出てくる『HOLLY WOOD』の看板が見える場所に移動する。

そして『本当にハリウッドだ!超不思議・・・これ映画でよく見るわ!!』と一人感動するウンサン。

タン「俺が言ったことがあれより不思議なはずがないんだけど?」

ウンサン「アメリカに来たら必ずみようと思ってたんだ」

タン「おれ一人でしゃべってるのか?」

ウンサン「でも、近くに見えるけど行ったらきっと遠いんだよね」

タン「見るからに遠いわ!まずは帰ってシャワーでも浴びたら車で行こう。歩いてはいけない」

黙り込む二人。

ウンサン「行かないわ」

タン「なぜ?連れてってやるよ」

ウンサン「今までも十分お世話になったし。これ以上あなたに迷惑かけたくないもの。迷惑かけるのはお終い。行こう、家。スーツケースを返して貰わなくちゃ。どっち方面?」

そこまで聞いて、タンは無言でさっさと行ってしまう。

スーツケースを抱えながらやってきたウンサン。

ウンサン「めんどくさくて悪いけどチャニョンからコメントがないか最後に見てくれない?」

むっとした顔で携帯を見ようとしないタン。

ウンサン「今までありがとう。それじゃこれで。さよなら」

歩きかけたウンサンのスーツケースを無理やり掴んで家の中に戻すタン。

家に先に入ったタンは携帯を確認すると、チャニョンのコメントが入ってることに気づく。

チャニョン『アメリカ?アメリカのどこだ?僕もアメリカだ。いったい何があったんだ?今すぐ行くからとにかくこれ読んだら電話して。僕の番号だ、すぐ電話して』

それを確認したタンは、ウンサンを行かせたくなくて黙っている。

ウンサン「私のスーツケースはどこ?」

タン「2階のおれの部屋。おれはシャワーを浴びるけど取りにいけるならいけば?」

そう言われては動けないウンサン。

タン「友達とやらが迎えにくるまでここにいろと言ったはずだ。それでいいだろ」

タンはかなり不機嫌。

出ていこうとするウンサンに苛立っていた。

そこでタンに一本の電話が。

テキサスの農園で株主たちのパーティがあるので会長の命令でタンも出席しろと。

兄も出席するはずだと聞き、タンは行くことに。

ウンサン「出かけるの?」

タン「あぁ、用事が出来た」

ウンサン「どこにいくの?どれくらい?」

タン「お前はここにいればいい」

ウンサン「そうはいかないわ。これ以上あなたに迷惑かけたくないって言ったじゃない」

タン「お前は帰るしか言えないのか?行くところもないのにまた帰ると言ってみろ!カエルにしてやるから。まったくお前は・・・」

と押し問答していたら、タンの友人ジェイが訪ねてくる。

そしてウンサンを見るや

ジェイ「おれのスウィートハートがこんなところにいたのか!じゃマイスウィートハートはおれと一緒にいるのか?」

仕方なくタンはウンサンを連れていくことに。

しばし二人きりのドライブ。

ウンサン「どこに行くの?」

タン「いいから寝てろ、長くなるから。ついたら起こす」

着くなりタンはウンサンに車のカギを預け、行ってしまう。

農園の美しい木立の中を一人歩くウンサン。

タンとウォンの二人が話すところを遠くから見つめる。

タン「久しぶり、兄さん」

ウォン「誰から連絡を受けたんだ?ユン室長か?」

タン「元気だった?」

ウォン「とうとうしたのか連絡を。来ていいと判断したのか?」

タン「来ないわけないだろ?ここに来れば兄さんがいるんだから。兄さんが何て言っても俺は兄さんに会えたから・・・」

ウォン「子供はこれだから困る。ただ会いたいという理由で動くなんて。自分が動くということが何を示すのかも解ってない」

タン「3年ぶりだよ俺達。俺、背も伸びたんだ」

ウォン「それしかないだろ?アメリカでお前がしたのは。そこまでにしろ。ここに来たのもお前の分にすぎる勇気だったから。帰れ」

そして3年ぶりに会ったのにウォンに冷たく突き放され、うなだれるタン。

ウンサン「大丈夫?」

タン「大丈夫じゃない」

ウンサン「濡れるわよ」

タン「なんで盗み聞きするんだ?」

ウンサン「もしあなたが危険だと感じたら三つ数えて手を取って一緒に逃げるつもりでいたのよ」

タン「ならなぜ手を取って逃げなかった?お前が見てる間ずっと危険だったのに」

そう言って一人行ってしまうタン。

さっき話していたのが兄だとは、ウンサンは知らない。

・・・

帰りの車の中は終始無言。

その空気に耐えかねたウンサンは会話をしようと試みるが、タンの心はここにあらず。

さっきの兄とのことに気を取られていたタンは道路に転がる落石に気付いていなかった。

急いでハンドルを切るももう間に合わず車は路肩へ。

なんとか2人で車を車道に戻そうと努力するもまったく動かず。

ウンサン「ねぇ、ここにいたらダメなの?誰か通るかもしれないじゃない」

タン「こんな辺鄙なとこで人が通るはずないだろ。日が暮れる前に修理工場を探さないと。お前ひとりでここに残れば?俺は行くよ」

とっとと歩き出すタン。

ウンサン「変に動くと死ぬのよ!映画ではそうじゃない?」

タン「俺達2人ともここで死ぬのか?」

ウンサン「いいえ。シーズンが続くためには1人は生き残るわよ」

慌ててタンについていくウンサン。

諦めて歩くことに。

タン「あいつと連絡がついたらどうするんだ?」

ウンサン「まずはお金を借りるわ。帰りの飛行機代」

タン「金なら俺も貸せるけど?」

ウンサン「今までお世話になったのにそこまで言う勇気はないわ」

タン「勇気出してみろよ?」

ウンサン「あなたは私を信じられるの?」

しばらく歩くうちに、前方にモーテルらしき明かりを見つける二人。

聞くと『今日はもう修理出来ない。ここに泊まるなら明日の朝一番で予約出来る』と店員。

今夜はここで一泊。

たまたま目に入ったショップで、タンはお揃いのTシャツを2枚買う。

『I Love California』と書かれたTシャツ。

路肩に突っ込んだ車を戻す作業で2人の服は泥だらけ。

タン「さすがにこのままじゃ寝れないだろ?」

ニヤっと笑い、1枚をウンサンに渡す。

ウンサンの目の前で着替えを始めるタンだが、急いで後ろを向くウンサン。

ウンサン「カップルだと誤解されたいの?」

タン「冗談じゃない。着替えて出てこい。何か食べよう」

それだけ言って出ていくタンに、ウンサン思わず独り言。

『もったいない。(タンの裸を)見ておけばよかった・・・』

遅い夕食の二人。

お揃いのTシャツを見た店員から『お似合いだね』と褒められるタンはニヤっと笑って『ありがとう』。

英語のやり取りなのでウンサンには解らない。

タン「閉める時間だからこれが最善だ」

簡単な軽食しか残っていなかった。

ウンサン「これでも有難い。いただきます」

カフェのカウンターを見てウンサン一言。

ウンサン「おぉ、お酒もあるわよ」

タン「酒も飲むのか?」

ウンサン「私の手が震えてるのを見なかった?」

タン「ちょっと可愛いじゃないか」

ウンサン「わかればよろしい」

ウンサンの食べる姿をじっと見つめるタンにウンサン咳払い。

ウンサン「見つめないでよ。じゃ私もあんたが答えたくない質問を・・・」

タン「答えたくない質問て何?さっき農場で会った人は誰かとか?」

ウンサン「そうよ」

タン「この世で一番好きな人。もっと聞きたいことは?」

ウンサン「あんたひょっとして・・・いや」

言いかけてやめるウンサン。

タン「俺はいいけど兄さんは侮辱するなよ」

ウンサン「あぁ兄さんなんだ。じゃ兄さんを・・・」

タン「やあ!!」

驚いたウンサンは飛びのいたはずみでそのまま後ろに倒れそうになるがタンがとっさにウンサンを抱きかかえる。

間近で見つめ合う二人。

タン「バカだな。怪我するとこだった」

ウンサン「あんたのせいよ」

タン「(ニヤニヤしながら)なんで赤くなるんだ?いやらしいな」

ウンサン「赤くなってなんかないわよ!く、悔しくて。アメリカまできたのにパンケーキも食べられなかったし」

タン「パンケーキ?」

ウンサン「映画とか見るとパンケーキにシロップをかけてオレンジジュースと一緒に食べるでしょ?なんかアメリカンスタイルって感じ?私にはそうなの」

タン「ダッサイな。メロジアに美味しいパンケーキ屋がある。LAに帰ったら一緒に行こう」

ウンサン「そんな約束しないで!約束すると守れずに死ぬのよ!いや、こんなの意識したら怖くなるばかりだ。ソーセージに集中よ」

(ここまで歩いてくる道中で『13日の金曜日』の会話をしている2人)

タン「お前の方が怖いんだから!」

ご飯を食べ部屋に戻ると、ウンサンは既にソファで寝る準備をしていた。

タン「俺はベッドを使うぞ」

ウンサン「泊まらせて貰うだけで有難いわ」

タン「なんでそんなにポジティブなんだ?俺のせいだっていうのに」

ウンサン「落石のせいよ。おやすみ」

そう言ってさっさと寝てしまうウンサンを睨むタン。

ウンサンをベッドに寝かせてあげたいタンは、わざと大きな音をたて邪魔をする。

タン「芝居下手だ、起きてみろ。聞きたいことがある」

ウンサン「な、何よ!?」

タン「なんで帝国グループが潰れて欲しいんだ?」

ウンサン「は?もしかして私のSNS読んだの?」

タン「そりゃ読むよ。ログインされてるし」

ウンサン「なんで読むのよ。今のうちにログアウトしなさいよ」

タン「本気で潰れて欲しいんだ?いったいなんで?」

ウンサン「あんたとは関係ないでしょ?帝国グループの株でも持ってんの?」

タン「もういいよ。俺が眠るまで見張ってろよ。お前が殺人魔の話をするから俺も怖くなった。俺が眠ったら寝ろ。それが宿代だ」

ウンサン「宿代?あんたのせいで巻き込まれたと言ったじゃない?」

タン「それは落石のせいだろ。見るだけにしろよ。いやらしい子だとは思うんじゃないぞ」

ウンサン「やあ!あんたなんかかっこよくもないし!」

タン「ははは、そんなはずないだろ?俺は眠れるまで時間がかかるんだ」

もう既に半分寝ているウンサン。

タン「あいつと連絡がついたら韓国にはいつ戻るんだ?」

ウンサン「(うつらうつらしながら)できるだけ、早く・・・」

タン「もし、俺が・・・」

本当は『行くなと言ったら俺の傍にいてくれるか?』と聞こうとしたタン。

そこまで言いかけて振り向くと、座ったままでウトウトしているウンサンの姿が。

横にしてやろうと立ち上がりかけたその時、ウンサンが倒れた。

頭を打たないようにと急いで駆け寄り手を差し伸べる。

完全に寝入っているウンサンをただ黙って見つめるタン。

とても優しい目で。

翌日、無事車でタンの家に帰宅すると、チャニョンが迎えに来てくれていた。

チャニョンもまた、アメリカに語学研修のために来たのだ。

タンの携帯を盗み見したラヘルがチャニョンのコメントを見て、ウンサンがタンの家にいることをチャニョンに教えたのだ。

早くウンサンを追い出したいがために。

ウンサンとチャニョンの二人が楽しそうに話す様子を見ていたタンは面白くない。

荷物を車に投げつけて、一人さっさと家の中に入ってしまう。

タン「自分の友達ジェイが引き起こした事件も俺のせい、お前のパスポートを警官に取られたのも俺のせい、昨日の事故も俺のせい、だからお前がここにいるのは当然の権利だ。友達に金だけ借りてここにいるわけにはいかないのか?」

タンはこのままウンサンが去っていくことに納得出来ず最後にもう一度たたみ掛けるが、ウンサンはお礼の言葉を残しチャニョンと行ってしまう。

ウンサンの後ろ姿をただ黙って見つめる。

とても切ない目で。

ウンサンはチャニョンから聞き、この時初めて『キム・タン』の名を知る。

チャニョンは帝国グループで室長を務める父の影響でキムタンをよく知っていた。

ウンサン「チャニョン、あの子にいじめられたことがあるの?」

チャニョン「そんなにシンプルじゃない」

ウンサン「悪いヤツなの?」

チャニョン「いいヤツではないよ」

ウンサンはまだタンが帝国グループの子息だとは知らない。

明日帰国することにしたウンサンは、チャニョンと共に今日1日はハリウッドでやりたいことをやろう!ということになった。

早速街に出て、二人で写メ。

チャニョンは面白半分でそれをSNSに投稿。

するとチャニョンの恋人イ・ボナがすぐに反応する。

『ほらね?』と大笑いする二人。

ただ、二人が知らない所でウンサンがログアウトし忘れたSNSをタンも見ていた。

二人並んで写る写真を一瞥すると、舌打ちして携帯を放り投げる。

明日、ラヘルが帰国することを思い出す。

浮かない気持ちのまま、タンはラヘルに会いにいく。

1日ラヘルのショッピングに付き合ったタンはラヘルからパンケーキを食べようと誘われるがあの時のウンサンとの会話を思いだす。

タン「あの子がいるような気がする。やめよう」

ラヘル「あの女?運命的な出会いってやつ?LAがどれだけ広いと思ってるの?」

タン「そんな気がするだけだ。それにこの時間じゃ予約なしでは座れない」

ラヘル「いるかいないか賭けてみましょうよ。あなたがそういうから確認したくなったわ」

カフェに着いてみるとウンサンとチャニョンが楽しそうに笑っていた。

タンは慌てて帰ろうとするが、ラヘルがタンの手を振り切って二人のテーブルに向かってしまい仕方なく同席することに。

気まずい空気。

ラヘル「(チャニョンに)あんただったのね。座るわ。計算は私達がするから」

ウンサン「(チャニョンに)知り合い?」

チャニョン「(ウンサンに)学校のね。ご覧の通り親しくはないが」

ラヘル「この子(チャニョン)は社会配慮者典型だから話すことがなかったの」

タン「(ラヘルに)立て」

ラヘル「今日は私達の婚約記念日よ。だからキムタン、あんたはパンケーキを食べてもいいわ」

タン「そう、食べよう。食べたい、俺も」

そういってタンも諦めて座る。

ラヘル「(チャニョンに)どういう関係かしら?」

チャニョン「(ラヘルに)幼馴染だ」

ラヘル「そう。でもここにはどうやってきたの?有名だからあなたが連れてきたの?」

チャニョン「いや、この子(ウンサン)が来たいと言ったからだ」

一瞬目を合わせるタンとウンサン。

ラヘル「ものすごい偶然ね。でも私の婚約者とこの子(ウンサン)は運命的だと思ってるようだけどあなたはどう思うのかしら?ユンチャニョン」

タン「(ラヘルに)パンケーキ食べたいんだろ? やめろ」

ラヘル「(タンに)誰も答えてくれないんだもの。じゃあこの話題はどうかしら?あなたもイ・ボナと付き合ったわよね?(チャニョンを見て)ここにイ・ボナの現彼氏がいるわ。(タンを見て)元彼氏もいるわ」

チャニョン「この場にいない人をそんな風に持ち出すのか?」

ラヘル「そういうあなたはどうしてイ・ボナじゃなくてこの子とこうしてるの?(ウンサンを見て)あなたのせいよ。婚約者のいる男、彼女のいる男、そんな男ばかり振り回してるあんたのせいが一番大きいかしら?」

タン「先、失礼する。帰ろう」

そういって無理矢理ラヘルを引っ張っていくタン。

別の場所で。

ラヘル「離してよ!あの女の前で十分かっこよかったから」

タン「ユ・ラヘル。俺達が初めて会ったのは10歳の時だった。俺はお前が天才だと思った。10歳の子供が英語で電話をして日本語で独り言を言うから。14歳では兄さんのことが好きだっただろ?俺はガキだから相手にならないと。俺達の婚約話が出た時お前が言った。この業界でいい相手がいると思うのか?って。その時俺は自分が本当にガキだったなって悟った。8年間の俺の記憶の中でのユ・ラヘルはいつも賢くて綺麗で大人しい子だった。でも今のお前はそうじゃない。やめろよ。それが俺のせいなら尚更。お前が自分を捨ててまで没頭するほど俺はいい男じゃない。明日帰るんだよな?明日ホテルの前で会おう」

それだけ言い、タンは一人立ち去ってしまう。

自宅に戻ったタンは別の用事で帝国グループ秘書室長のユン・ジェホと電話で会話。

そして迎えにきたチャニョンが室長の息子だと知る。

チャニョンに電話するタン。

タン「お前、ユン室長の息子だったのか?」

チャニョン「思い出したか?どうやって解ったんだ?この番号」

タン「お前がチャウンサンのSNSに返事しただろ。チャウンサンに(電話)代われ」

チャニョン「今は一緒じゃないけど?」

タン「どこへ行ったんだ?」

チャニョン「用があるなら言え。伝えるから」

タン「お前はあの子の弁護士か?直接伝えるから来たら電話するように伝えろ」

そこへ戻ってくるウンサン。

チャニョン「(姉さんから)連絡ないって?」

ウンサン「うん。連絡が来たら教えてくれってちゃんと伝えたわ。あなたに言われた通り」

チャニョン「そうだな。姉さんも困ってるだろうし。さっきあいつから電話があって電話して欲しいって言ってたぞ?伝えることがあるって」

携帯を差し出すチャニョンに。

ウンサン「しない。明日にはもう会うこともないだろうし」

このまま帰る決意をするウンサン。

イライラしながらひたすら電話が鳴るのを待つタン。

でも鳴らない。

家中をウロウロ歩き周り、ふいにテラスのドアに干してあるウンサンの靴下を見つける。

ピンクのうさぎの絵の。

微笑みを浮かべ、じっとそれを見つめる。

一方ウンサンは、タンに電話しない代わりにタンが通う学校の掲示板に出向き、一言だけメモを残し貼ることにする。

『真夏の夜の夢みたいな時間だったよ 私はもう消える 昨日の夢みたいに さようなら』

あくる日、空港までラヘルを見送りに来たタン。

一通り挨拶を済ませ『時間だ、そろそろ行け』とラヘルに言うと、タンに抱きつくラヘル。

その時偶然にも、ウンサンも空港にやってきてその場面を目撃してしまう。

そのまま踵を返して帰ろうとするウンサン。

それに気づいてタンが大声で呼び止める。

タン「チャ・ウンサン!そこで止まれ!!」

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