王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えろ〜相続者たち〜
第15話

パーティー会場で。

外に出たラヘルを追いかけ捕まえるヨンド。

ヨンド「チャ・ウンサンをここに呼ぶか?しかも、ケータリングサービスで?」

ラヘル「気分が悪くなるから声をかけないで一言も・・・」

ヨンド「おまえ、今日チャウンサンに助けて貰ったと思え。自分が自分の足で来て自分の口で明かしたから今回の件は我慢してやる。けれど、きっぱりここまでだシスター」

ラヘル「チャウンサンは知ってる?あなたがこれほど情熱的だってこと」

ヨンド「それを知ってどうすんだ?恥ずかしいだろうが」

ミョンスが出てくる。

ミョンス「ヨンド、その・・・あそこに来た女知ってるだろ?あいつの名前何だったか?」

ヨンド「酔ったのか?」

ミョンス「ユラヘル、おまえもそうだ!オレが中学校の卒業式の時にあげた手紙を覚えているか?」

ラヘル「覚えてたらどうなのよ?」

ミョンス「お前たちはいつもそうだ。どうしてイギリスで最初に始めた一年を振り返った人に幸運を授けるその手紙に返信をしないでいられるんだ?」

その横をプンプンした女子生徒が通りすぎる。

タンがウンサンにキスをしたことを話している。

ミョンスは気まずさを感じトイレに行くふりをしてその場を離れる。

ヨンドもまた去っていく。

そこにヒョシンがやってくる。

ヒョシン「どうして外にいるんだ?」

ラヘル「先輩を待ってたんでしょ。すごく会いたかったのよ」

ヒョシン「オレを?」

ヒョンジュからの電話が来たので先に入れという。

ラヘル「必ず入ってきてね」

ヒョンジュ「イヒョシン、アナタ狂ったの?(昔に)戻ったの?どうして入試を受けないの?」

ヒョシン「この程度のスケールならぼくに電話するんだね」

ヒョンジュ「あなたどこなの?お母さんが今アナタを探すことにやっきよ!」

ヒョシン「ひとりで来るのなら教えてあげるよ。来る?」

金庫破り。

ギエはウンサンの母を会長室に連れて行く。

見張りをしろというのだ。

会長は眠ったけどもしかしてと言うギエ。

ギエ「私達はもう共犯よ、おばさん」

金庫を開けようとするギエ。

けれど暗証番号が解らず開かない。

ギエ「ウォンの誕生日、タンの誕生日、創設記念日、自分の誕生日、全部違うの。何でしょうね、一体?」

そこでウンサンの母が鉛筆の芯を削り金庫に噴きかける。

手の油がついたところに粉がつく。

ギエ「やっぱり人は技術があればこそね」

考えられる数字はもっとあるかと問うウンサンの母。

ギエは思いついた数字をインプットする。

すると鍵が開く。

ギエ「チッ、ウォンの母の誕生日」

中を見ると、タンに人をつけていたという証拠の写真が大量に出てくる。

ウォンのものもある。

その中の一枚にギエは驚愕する。

ギエ「これって何!あらあら・・・」

ラヘルの計略。

パーティー会場で見つめるタンとウンサン。

ボナとチャニョンはヒョシンに試験のことを聞く。

例年より難しかっただろうとチャニョンが問うと、難しいどころかと答えるヒョシン。

ウンサンもヒョシンをすごいという。

タンが話をするとお前に勉強の何がわかるんだ言うヒョシン。

同意するチャニョン。

ラヘルが歩いてくる。

タン「チャウンサンの視線を引いておいてくれ」

どうしてチャニョンに頼むんだと不満気なボナ。

ラへルの前に出るタン。

ラヘル「貧乏人の社会配慮者と付き合ってるっておおやけにしたから幸せなの?」

タン「お前もそうならいいな。本心だ」

ラヘル「あなたがわたしを好きでないことは諦められるけど、アナタが幸せになるのは耐えられないわね。チャウンサンを得る対価としてあなたもあなたの側の人をひとり失いなさい。または疎遠に」

ヒョシン「再結合おめでとう。すこしの間幸せにして痴情に戻ってこい!」

いつものジョーク。

チャニョン「良い日になんてことを!」

ラヘルがおもむろにヒョシンに近づいてくる。

そして『先輩』と言いキスをする。

騒然とする会場。

そこにヒョンジュが入ってくる。

それをヒョシンが見る。

ヒョシン「タンに嫉妬をさせようと?」

ラヘル「いいえ、キムタンと気まずくさせようと。会わない間柄になってもいいし。先輩には感情はないわ」

去ろうとするラヘルを掴むヒョシン。

ヒョシン「オレもお前に感情はない」

さっきよりも激しいキスをする。

ヒョンジュの方を見つつ・・・。

再び騒然とする会場。

ボナ「ぶっ壊しよぶっ壊し。このパーティーはわたしのパーティーなのにぶっ壊しよ!」

帰り道で酔っ払い千鳥足のウンサン。

後ろから追うタン。

タン「おいおい、お前一体何を飲んだんだ?」

ウンサン「ジュース・・・3杯」

タン「ジュースだってさ・・・チョミョンス、不健全な奴め!」

呆れつつも笑っているタン。

ウンサン「ところで私、どうしてこんなに暑いの?」

タン「おい誘惑するなよ!我慢する自信ないんだから」

ウンサン「ちょっと、キムタン!」

タン「どうした?」

ウンサン「すごくかっこいいキムタン♪」

タン「やめろ可愛すぎるだろ。お前今すごく危険なんだぞ!」

ウンサン「私だけを見ながら歩いてくキムタン。私のせいでどんどん不幸になるキムタン」

タン「もう一言でも言ったら捨てていくぞ」

ウンサン「ううん、キムタン。わたし、あなたが好きになったの。心から」

(以前タンから『今から俺を好きになれ、出来れば本気で』と言われたことから)

そして手をつなぎ微笑む。

タン「何でこんなに手が冷たいんだ?ったく心配しなくていい時がないんだからお前は」

ウンサンの手に息を吹きかけて温めるタン。

ギエから電話がかかりホテルに戻るタン。

ギエ「どこに行ってたのよ。今までウンサンといたの?」

タン「急ぎだって?オレに来いってそんなのは省略してよ」

ギエ「ジャンパーもうひとつ持ってきたの。明日また気温がもっと下がるって」

タン「それが緊急な用事なのか?凍えて死ねと言ったのに…?」

ギエ「来るついでに持ってきたんでしょ。実は母さんがプランをひとつ立てたのよ。一旦アナタは明日ラヘルに謝りなさい。悪かったって」

タン「母さんまだ諦めないの?」

ギエ「母さんを信じなさい。あなたの婚約を原点に戻すことができるスゴイ方法ができたのよ。ちょっと汚い方法ではあるんだけど明日母さんがラヘルの母さんに会って・・・」

タン「母さん、オレが取り戻したいのは婚約じゃない。わからなかった?俺はこれ以上偽物として生きるのがイヤなんだ母さん」

ギエ「あなたがどうして偽物なの?誰がなんと言おうとあなたは帝国グループの次男よ」

タン「それなら母さんは何だ?ただ、キムタンの母というのは不足?母さんにとっても俺が帝国グループの次男でなければなんでもない人なんだな・・・車を呼ぶよ。気をつけて帰って」

ヒョシンの家。

ヒョシンが試験を受けなかったことを家族で話している。

父「おまえ、それでよかったってことだな」

けれど『はい』とヒョシンが言うと少し語気を強め『はい?』という。

母「私達が考えを誤っていたと結論を出したじゃないですかあなた」

ヒョシン「本心ですか?」

けれど結局のところ、好きな勉強もしつつ浪人してロースクールに入り直せという話だ。

母もまた蓄積があるから次は楽だ頑張れという。

随時面接のように再試験を受ける用意をしてくれればいいのにと嫌味を言うヒョシン。

そしていっそ怒って息の詰まるようなやり方はしないでくれ、このような父母のやり方がどれだけ暴力的なのかわかるかという。

父はどれだけ失望させたかわかるのかという。

母はあとは自分が言い聞かせるという。

お前の夢が何であろうがお前を見ながら自分にも夢があったという父。

そのことを忘れるなと言う。

宿命だと言い聞かせたいようだ。

翌日、ヒョシンに会うタン。

タン「イヒョシン!どういうことだ?どうして試験を受けない?高3が。生徒たちみんなに見つめられてスターになるのが嬉しくないのか?」

ヒョシン「あの女の子たちはオレたちがこうしているのを笑って見てるんだ。痴情劇男1号、痴情劇男2号」

自分とタンを指さすヒョシン。

ヒョシン「実はオレたちちょっとギクシャクしないといけないんじゃないか?」

タン「いまさら常識ぶって・・・試験も受けなかったくせに。大丈夫なのかそれで?家ではなんと?」

ヒョシン「頑張りなさいイ・ヒョシン・・・と、おっしゃってたよ」

タン「おまえは一体どんな地獄に生きてるんだ?」

ヒョシン「おまえもそう雲の上に住んでいるようには見えないがな。きのうは悪かったな。誓って2番目のことは計画になかった。ただある人に見せようと」

タン「そのある人がオレではないよな?」

顔をしかめて笑うヒョシン。

体育館で。

ウンサンに近づいてくる女子3人。

ウンサン「話でもあるの?」

女子「なんて堂々なのかしら。社会配慮者が成金のコスプレをしてたくせに怖いもの知らずだわね」

ウンサン「騙してたのは悪かったわ。謝るわ」

女子「謝って済む問題?ルームサロンがミネラルウォーター会社だと騙したり社会配慮者が成金だと騙したりなんて学校になったのかしら。キムタンはどうやって落としたの?わたしにも方法を教えてよ」

ウンサン「断る」

女子「ちょっと!キムタンを背中に負って何も見えないのね!」

ウンサンをどつき絡む女子生徒。

けれどそこにヨンドがやってくる。

ヨンド「今時になんて悪意の群れが横行するんだ?」

女子「チェヨンド、この子が・・・」

ヨンド「おまえが俺に話しかけていいという意味に聞こえたのならすごく困るんだが」

退散する女子生徒。

ヨンド「多数で群れてないで人生はひとりでも歩むことが出来ないとな、チッ!」

ウンサン「黒騎士ありがとう」

ヨンド「誰が黒騎士だ?オレが黒騎士ならキムタンは白馬に乗った王子様か?顔なら俺のほうが白いぜ!」

思わず笑うウンサン。

ウンサン「ヒョシン先輩、試験受けなかったって。聞いた?」

ヨンド「俺がちょい好きな先輩なんだがますます好きになったぞ」

ウンサン「ほら」

ヨンド「何が『ほら』だ?」

ウンサン「あなたがわたしの秘密を持ちださなくてもこうして普通の会話が出来るんだから」

ヨンド「ぐいっとくるなって。困るだろうが」

ウンサン「そう?・・・アナタは自分の話をする時下手なんじゃないかと思って」

ヨンド「ここからは一人で行けよ」

ウンサン「送ってくれたの?」

ヨンド「何をしてやっても分からないんだから」


ヨンドは教師に呼ばれる。

再び窓掃除をするタンとヨンド。

ついにウォンとトンウクが学校に呼ばれてやってきた。

タン「おまえ、父親に言ったのか?」

ヨンド「お前こそ、兄さんに?」

タン「成績表は見せたのか?」

ヨンド「オレが殴ったということにしてくれないか?」

ジスク「どうしてお呼びしたか、秘書を通してお聞きになられたでしょう。お忙しい方たちをお呼び立てしてこう申し上げるのもなんですが、わたしのラインではもう限界です」

ウォン「申し訳ありません」

トンウク「注意いたします」

ジスクはヨンドの成績が98位だと言う。

更に注意するというトンウク。

続けてタンの成績は100位だというジスク。

ウォン「全国でですか?」

ジスクは2年生の100人中でだという。

タンを見るウォン。

タン「オレには中間がないんだ」

トンウク「お前のIQは成績とはまったく連携がないようだな。そうだと言っても初めてタンに勝ったな」

妙な褒められ方をして不思議がるヨンド。

タン「100位・・・ハァ〜・・・・期末試験もこうして見せるのか?」

ウォン「いいや、よくわからない・・・もっと見せられないものがあるのか?」

タン「俺はなぜだか兄さんが怒るのが嬉しい。オレの成績順位が何位でも関係ないんだと思ってたよ」

ウォン「授業はないのか?毎日ガラスを磨いているだけなのか?」

タン「来てくれてありがとう。行くよ!」

そこにヒョンジュがやってくる。

通りすぎようとしたヒョンジュに、

ウォン「学校は辛いか?顔がどうしてコケてるんだ?」

ヒョンジュ「生徒たちはまだ先生扱いしてくれてるわ。孤児だなんだかという記事がまだ出ていないから。会長の配慮で来週出ると聞いたわ」

ウォン「記事は出ない。電話を受けろ。必要じゃないのか・・・」

ヒョンジュ「記事はあなたが防いだの?」

無言で去っていくウォン。

ギエとラヘルの取引。

ギエ「お時間を頂いてありがとうございます、ラヘルのお母さん。お忙しいでしょうから要点だけ・・・」

エスト「そうしてください」

ギエ「タンとラヘルの婚約、正式に破談にしようと来ました」

エスト「破談にするにしてもこちらから破談にするのが真っ当ではないですか?これはどんな居直りなのですか?」

ギエ「タンとわたしの意思はそうなんです」

エスト「アナタの・・・呼称をどのようにすべきかわかりませんがタンと前にいらっしゃる方の意思というようなものに関心がないのですがわたしは。そして、わたしがなぜすごく重要な事を前にいらっしゃる方としなければならないのでしょう?」

ギエ「重要な話だからわたしとしなければならないでしょう。わたしがタンの母だから」

エスト「わたしが知っているタンの母親は理事長です」

ギエ「わたしをどう思ってらっしゃるかわかってます。どんな目で見ているのかもわかります。慣れていることですけれどそんなことは関係ありません。企業間の約束事で縛っておくにはまさに青春ではないですかタンとラヘル。だからこの婚約・・・」

エスト「婚外子と縛るには惜しいでしょうラヘルは。娘の将来がかかってることですから、言えない言葉も無いわ。互いに顔を合わせることはもう無ければ・・・」

ギエ「ここまでしようとは思わなかったのですが」

封書を取り出すギエ。

エスト「何か知りませんが関心はないです」

写真を取り出し見せるギエ。

ユン室長とエストのキス写真だ。

ギエ「ごめんなさいね。わたしも息子の将来がかかったことなのでできないことはないんです」

エスト「少々ダーティーに出るのね。他人の私生活をどうして掘るのですか?OK、破談にしましょう。この婚約。とてもぐしゃぐしゃに」

ギエ「はい、それを望みます。破談にしましょう」

期末修業評価を決める課題を出すヒョンジュ。

プリントに載っている作品の中から一つ選び2〜4人のグループで発表するのだ。

ラヘルはそんなものはすべて小学校時に読んだという。

ヒョンジュはアナタが変わったでしょう?読む人が変われば作品も変わるのという。

ボナはチャニョンとウンサンを誘う。

けれど・・・ウンサンを見つめる男子二人・・・。

カフェに一緒に座るタンとヨンド。

ウンサン「誰なのよ?こうしてグループを組んだのは誰なのかって?」

腕組みをして説教状態のウンサン。

続けて

ウンサン「私は確かにチャニョンとボナと組んだのよ。チェヨンド、アナタなの?」

ヨンド「この構成はオレの趣向じゃないぞ」

ウンサン「アナタの趣向はどうなのよ?」

ヨンド「チェヨンド、チャウンサン、スジ(miss A)、ヒョナ(4minute)」

ウンサン「冗談が言えるの?」

ウンサン「キムタン、アナタなの?」

タン「オレの趣向は、キムタン、チャウンサン、チャウンサン、チャウンサンだろ」

タンを見るヨンド。

タン「何見てんだよ」

ウンサン「ふたりとも注目!私はアルバイトをしなきゃいけなくてとても忙しいから協力しなさいよ。あなた達に本を読ませようとさせたところで読まないのはわかりきったことだからそれで準備したの。わたしはいいように本を読むからあなた達は映画でも見て一言でも加えて。わたしは参加しなかった人の名前をサクッと消し去るからそのつもりで。画面を見なさい争わずに。互いに別の宇宙にいると思って」

イヤホンを二人に挿し映画をスタートさせるウンサン。

傍目には仲良しに見える二人は画面を見ずにウンサンを見ている。

ウンサンがオーダーを間違い客がきつく言うと二人して立ち上がろうとする。

ちゃんと見てろと合図を送るウンサン。

完全にコントロール下だ。

そこにキム会長の言いつけでタンを迎えに来るガードマン。

ヨンド「カ〜、帝国グループのスケールを見ろ。お前家を出たってこうなのか?今」

ガードマン「協力しないと体に手をかけてもいいと」

タン「離してください。行きますから」

ヨンド「もしかして俺の打撃が必要な状況なら助けを要請してみろよ」

タン「今日はそうじゃないようだ」

と、ヨンドに言い、

「心配するな、家に先に帰るだけだ」

と、ウンサンに言うタン。

そして最後に、

「お前は手を出さずに」

ウンサンに手を出すなとヨンドに釘を刺すタン。

ウンサンは社長に言って早退させてもらう。

社長は金持ちの家の息子かと問うがウンサンはそれどころではない。

ウンサン「ちょっと」

ヨンド「なんだバイクに乗せろって?バスは遅いよな」

ウンサン「乗せてくれる?」

ヨンド「おい、俺たち二人残ったんだ。俺はパーティーをしたいのにおまえは乗せてくれってどうなんだ?・・・おまえは今日俺に対して借りだぞ」

キム会長の部屋で。

婚約時の贈り物が返されたテーブル。

会長「おまえは一体何をしたんだ?出ていた間に何をしでかしてこれが戻ってきたんだ?ラヘルは婚約を破棄するつもりのなかった子だぞ」

タン「ようやく正しい選択をしましたね」

ギエ「婚約はわたしが破棄したのに、どうしてしきりにこの子にそうなのよ?わたしは最初からラヘルが気に入らなかったわ。目もツンとして、鼻もツンとして・・・」

会長「その口、閉じないか?」

会長「おまえはもう最後の機会を逃した。これがどんな意味かわかるか?これ以上おまえの秘密、家族史に口を閉ざさないという意味だ。帝国グループが居酒屋の酒のつまみになったという意味だぞ」

タン「それで父さんはさらに金持ちになるんじゃない。兄弟の乱だ。経営権紛争だと噂を飛ばしその後株があがるだろうし何が心配なの?母さんと俺の傷の心配もすることはないのに」

会長「おまえの人生を心配した。おまえがこうなのはチャウンサン、あの子のせいか?」

タン「父さんのせいだ」

タンを杖で殴ろうとするキム会長。

ギエ「会長どうか!」

杖をつかむギエ。

タン「誰が会長だよ?家で何が会長だよ?父さんは未だに母さんの上司なの?」

会長「お前、わたしが必ずあの子に手を付けなければならないのか?」

タン「俺に一生会いたくないんですか?」

ギエ「この子たちはようやく18歳の高校生です。今すぐ結婚するというようなことではないじゃないですか」

会長「今すぐ結婚するということではなかったが婚約を破棄したじゃないか!おまえ、お前の部屋から一歩たりとも外に出られないぞ。学校にも行けない。スマホを出せ」

タンの部屋で。

ギエ「殊勝に悪かったです。申し訳ございませんでしたといえば少しは良くなる?スマホを奪われ、ノートPCを奪われ、部屋に閉じ込められ、どうするのよ?これから」

タン「真っ暗にすれば星がよく見えるって?真っ暗になったから星がよく見えるだろう」

ギエ「それはなんてことなの?」

タン「本当に母さんが婚約を破棄したの?」

ギエ「ええ、破談にしてって」

タン「会って?きつい言葉を聞かなかった?なんて?」

ギエ「母さんがうまくやったわ。あなたが望むことをしてあげたくて、母さんは、母さんだから」

タン「後悔しない?」

ギエ「しないわ」

ギエ「母さんは今日はじめてタンの母さんだったわ。わたしの息子が母さんの手をとって部屋の中から出してくれたんじゃない」

タン「それで今は俺が部屋に閉じ込められたんだ。今回は母さんが連れ出して!」

ギエ「休みなさい。お腹が空いたら言って!」

そそくさと出ていくギエ。

ラヘル「わたしが待ってと言ったじゃない。母さんは再婚なり離婚なり勝手にうまくやっておきながらさせるときはいつでも(よくって)、どうして人の婚約を勝手に破るのかって」

泣きながら話すラヘル。

エスト「アナタらしくないどうして新派なの?理性的に考えられない?どうしてアナタが庶子と結婚なの?話になる?あの家の中はめちゃくちゃよ。願ったりよ」

ラヘル「帝国グループだからと好む時はいつだって・・・それなら母さんはどんなに孤高なのよ。今回もヨンドの父の会社を半分にして離婚しないという保証はある?弁護士を7・8人づつ侍らせ死ぬほど争ってそうして離婚したじゃない。それが優雅なの?」

エスト「詐欺結婚されるところだったのを助けてあげたのに。ユラヘル。言葉を選べないの?」

ラヘル「わたしはそれほどタンが好きだったのよ」

エスト「わたしもアナタの父さんが好きだった。終わりは離婚だったし・・・(タンのことは)早く忘れて」

ラヘル「母さんの忠告は必要ないわ。今後はわたしの人生に関与しないで。私の事で商売しようとも思わないで。わたしは今季の新製品じゃないわ」

ヨンドのバイクで家に到着するウンサン。

ヨンド「待って」

バイクからウンサンを下ろすヨンド。

ヨンド「オレのポケットに手を入れて捕まえとけって。しもやけになって指が切れて俺が見てあ〜バイクに乗るときはこの子が俺を好きだろうがなかろうがポケットに手を入れなければならないなって。そうだろ?」

指摘が的を射ていて、

ウンサン「送ってくれてありがとう」

としか言えないウンサン。

家の前にはガードマンが居た。

ウンサン「キムタンは閉じ込められたのかも」

ヨンド「涙なしには見られないチャプターだな。題目は『進撃の会長様』」

ウンサン「あの人達タンが出ないように監視するために立てているの?」

ヨンド「このチャプターでは登場人物の半分以上がボディーガードと見なければならないな。こんな時には父も息子もない。男と男の駆け引きなんだ・・・。同じ家にいても会えないぞ。うれしいことだ。行くわ」

ウンサン「借りは返すわ」

ヨンド「(独り言で)オレが何をくれと言うと思ってそんなに簡単に言うんだ」



ウンサン「わたしこの家の者ですが」

ボディーガードに言い家に入るウンサン。

家の中にもボディーガードがいる。

ウンサン母「家の雰囲気を見ただろ?家の契約ちょっと早められないの?お前にも飛び火するかと母さん怖いの」

ウンサン「まだ引っ越ししてないみたいなの。大家さんに電話して聞いてみる。タンは部屋に閉じ込められてるの?」

うなづく母。さらに、

ウンサン母「アナタは部屋から出ずにじっとしてなさい」

ウンサン「アナタ今どこにいるの?部屋?大丈夫なの?」

とタンにメールを入れるウンサン。

でもスマホはキム会長が持っている。そのメールを見るキム会長。

会長「(ジスクに)3人共よく聞け。チョン・ジスク女史、ウォンの結婚相手を探しなさい。徹底して突き詰めて探しなさい。もう一つ。ウォンが会社でわたしのラインをすべて切ったと。あの会社はウォンの会社ではない。そんなに株式を持って会社を引っ掻き回すのなら、戸籍を処理しなさい」

会長「(ギエに)ハン・ギエ。お前はタンをあのように育てるならこの家から出ろ」

会長「(ユン室長に)ユン室長。RSとは婚約破棄となった。おそらくあの家から、タンの身上のあら探しをしようと、あまねく世間に庶子だと言って騒ぐだろう。それを収集しないとな。おまえは今日中に理事たちをすべて収集して、借名株式を実名転換して、明日までに集めて持ってきてくれ。それと、辞表も一緒に持ってこい。ウォンがわたしのラインをすべて打ち出したのに、おまえひとりが残った。これが何を意味するのだろうな?」

ユン室長「誰も裏切らず、誰も敵にせず、そのどこにも巻きつくことなくここまでやって来ました。だからわたしは今解雇されます」

会長「そうだろう、敵が居ないということは味方も居ないということだ。おまえがまっすぐだというのはわたしがよくわかっている。けれどお前に何が残った?結局。タンを教えることをまた始めなさい。辞表を受理するかどうかは考えてみるから」

ユン室長「はい」

ユン室長とチャニョン。

チャニョン「本当に?父さん本当にクビになったの?」

父「ああ」

チャニョン「いや、どうしてそんな話を牛骨肉のテンジャンチゲを食べながらするんだ?」

父「役員に昇進することができたのに機会をのがして左遷されたんだ」

チャニョン「逃したのか?気乗りしなかったんじゃなくて?」

父「気乗りしなくても誰かには味方であるべきだったのに、誰も傷つけなかったのが結局誰の側でもないということだとは思わなかったんだ」

チャニョン「すべてを理解することはできないがおれはそのまま父さんの失敗を応援するよ。心配するな。オレが早く卒業してお金を稼ぐよ。けれど貯めたお金がひとつもないってことはないよね?」

父「どうかな?」

チャニョン「この両班!(このひと!)」

軟禁されているタン。

食事も取らず鍵を閉めている。

ギエ「あなたどうしてドアを閉めてるの?開けて!すぐにこれ!開けないの?断食闘争なの?あなたこうしても誰もわかってくれる人は居ないわよ。あなただけ損するの。あなたが死ぬ前に母さんが気苦労で死ぬわ。タン、キムタン!ドアをちょっと開けてみて。生きているのならおかゆでもご飯でもおかゆもご飯もだめにはするもんじゃないわ、キムタン!」



ヨンド「一人できたのか?キムタンはまだ閉じ込められてるのか?」

ウンサン「二階に上る階段までガードマンが配備されてるの。タンはすごく怖いでしょうね」

ヨンド「おい、何をそんなに先走るんだ?チャウンサン。オレがお前を好きだからって オレがお前の側か?それともまさかオレがキムタン側なのか?どうしてこんなに油断してるんだ?」

ウンサン「友達同士こんな話はできないの?」

ヨンド「誰が友達だって?オレがどうしてお前の友達なんだ?勝手に線を引くなよ。飛び越えちゃうから」

ウォンがタンを警戒する理由。

タン「どいてください。どいてと言いましたよ」

玄関先でガードマンともみ合うタン。

会長「何をしてるんだ」

タン「学校には行くよ。言いたいことがあるのなら帰ってきてから聞くよ」

会長「行く必要はない。この子の取扱が難しければキズつけても構わない。部屋に連れて行っておけ。息さえしていれば関係ない。わたしは少々歩かなければ」

ユン室長がやってくる。

ユン室長「また先生と呼ばないといけないな。会長が経営の授業をまた始めろと」

タン「それでいらしたのですか?」

ユン室長「ああ。アメリカで遊んで習ったことを全て忘れてはないだろ?」

タン「最初に覚えもしませんでした」

ユン室長「まあ、基礎からしっかり固めるいい機会だと考えよう」

タン「イヤです。帝国グループ傘下内に誰がいるのか、誰が主要株主なのか、他の人よりできないふりして過ごす伯父叔父、母方の親戚たち。株式数だけ列記して誰を捨てて誰を抱くか。ボクはそんなことに関心はありません」

ユン室長「あの時はちょっと幼なかったな。もうイヤなことも学ばなければ」

タン「学ばないって」

ユン室長「おまえ、会社に気はないのか?」

タン「室長と初めて事業を始めたのは10歳だったでしょ。そのとき初めておかしいと思ったんです。母はとても多くの株式を持っているのに、どうして母さんはたった一株も持ってないのか。それで、もしかして、母さんが株式でも持てば、母さんもボクの手をつないで外にでることができるのか?それで聞いたんです。兄さん、母さんが理事長よりもたくさんの株式を持つには、どうしたらいい?その時の兄さんの表情を、忘れることはできないんです・・・。会社は兄さんのものです。ぼくは兄さんのものに気はありません」

学校の食堂で。

ヨンドがいつもの場所で食事を取っている。

ウンサンはそこにやってきて社会配慮者の席に座る。

ウンサン「美味しく食べて」

周りはウンサンがあの席に座ったとざわつく。

ヨンド「他のところに座れよ。おまえがここに座っていると必ずキムタンが飛び出してくるようでそのように考えてるオレの気分があんまりよくないじゃないか」

ウンサン「来られないことはわかってるじゃない。普通に食べましょ」

ヨンド「お願いだから恐怖も少し食べろよ。オレに対して」

ウンサン「ご飯も食べて」

男子生徒「チェヨンド、たった今チラシ(ウェブ上の情報閲覧システム)に載ったんだが、キムタンが庶子だと浮かんだって」

「なんて話しなの?理事長の息子なのになんてこと?離婚したのか?庶子なら母親は妾ってこと?本当なら、帝国グループも防ぐだろ?」

「ユ・ラヘル聞いたか?おまえが一番・・・」

無言で食堂を去るラヘル。

ボナ「バカなことを言わないでよ。チラシを信じるの?8割はウソなのよ。それが本当ならチョインソンとわたしは昨年秘密結婚したわ」

チャニョン「今日、学校に来てないようだけど理由を知らないか?」

ボナ「え〜、まさか本当なんじゃない?それで予め知って来なかったのかな?」

ヨンド「家の内外のボディーガードは何人だ?」

ウンサン「6人ほど?どうして?」

家ではキム会長が怒り心頭だ。

こんなことひとつ制御できないで何年秘書室長をやっているのかと。

そして、すぐに誰の仕業か暴けまた電話するからなという。

部屋にいる男にすぐに記者会見を整えろという。

すでに墨で染められたのだから白くはならない。

こういった時は他の絵を描かねばなというキム会長。

『帝国グループの兄弟の乱』『血みどろのわたし』『王冠をめぐる嫡出子と庶子の争い』をシナリオに、株価の上昇を見こみプレスリリースで、タンを大株主にすると発表しろと いうキム会長。

ジスクにも知らされることなく事は運ばれタンが大株主になることもニュースで知らされ瞬く間に国中が知ることになる。

ヨンドのアシスト。

ヨンド「キムタンに会いに来たんだって」

タンの家の前に立つヨンド。

『どういうご用件か先におっしゃっていただければ』と立ちはだかるガードマン。

ヨンド「オレが誰だと思ってこんな仕打ちを?」

ヨンドのボディーガードがぞろぞろとやってくる。

6人と聞いたからヨンドは8人連れてきた。

ヨンド「ホテルゼウス相続者、チェヨンドだと伝えてください」

ヨンド「こんにちは、お父様」

会長「おおヨンドだな。けれど我が家にボディーガードまで連れてなんの騒動だ?」

ヨンド「宿題しに来たんですが」

会長「何?」

ヨンド「文学の時間の宿題でグループの発表があるんですがタンと同じグループなんです。一緒に映画も見て本も読んで討論もしなければならないんですがタンが学校をサボったせいでぼくの学業が台無しになるからです。父に今日タンの家に行くと言ったためガードマンをよこしてきたんです」

会長「チェ代表は誇らしいだろうな。息子がこんなに学業に情熱的で」

ヨンド「ありがとうございます。タンの部屋はどこですか?お父様」

ヨンド「キムタン、宿題しようぜ」

タンの部屋をノックするヨンド。

ヨンド「なんて感動した顔なんだ」

タン「おい狂ったやつ。家の雰囲気が見えないか?なんでここまで来たんだ?そうでなくても父さんから憎まれてるのに」

ヨンド「親孝行者だなお前は。だからダメなんだ。有史以来すべての父と息子は戦争中で父を追い抜かないと王位は継げない」

タン「そう。お前が皿洗いからいつになったら親父さんのことを超えられるのか俺も見てみよう」

ヨンド「3年間念を込めて築いた塔が一気に壊れたな。おれがここに来ないわけにいかないじゃないか」

タン「どういうことだ?」

ヨンド「お前のことだよ。学校の奴らには午前にチラシですべて回ったし午後には記事まで出て周知された」

スマホを投げる。

受け取り確認するタン。

ヨンド「おまえはほんとに驚きだな。庶子として奈落に突き落とされたのに半日で大株主に浮上するんだからな」

タン「更に上る前にウチのグループの株でも買えよ。庶子はオレひとりだからおまえの生きている間にこんな機会はもうないぜ」

ヨンド「服をどうして着るんだ?」

タン「オレは今ここを出なければならない。ひとりで残るか?オレを助けてくれるか?」

ヨンド「助けるわけないだろうお前とオレの仲なんだから。でもキムタンがオレに借りを作るのはそうとう惹かれるな!」

タン「惹かれるならつかめよ。ところでおまえさっきヘルメット持ってきたよな?」

ヨンドがヘルメットをかぶって出る。

タンかと思ったガードマンとヨンドのボディーガードがもめる。

けれどこれは陽動作戦でこの間にタンはこっそりと家を抜け出す。

ヨンド「ぼくにご用ですか?」

ヘルメットを脱ぐヨンド。

ヨンド「疑い深い人たち・・・あ〜髪が台無しだ」

兄との葛藤。

ウォン「公示されたものを見ましたか?当然ご存知でしょう」

ユン室長「はい。わたしの最後の業務でした。もう、帝国グループ関連の正式な業務はできなくなりました。呼ばれても来られないでしょう」

ウォン「聞きました。待機発令状態だと。それなら、失業者ですね」

ユン室長「本業は父です。失業者は副業でしょう」

ウォン「それなら、失業者じゃなくて、帝国コンサル副社長はどうですか?三顧の礼はしません。長く考えないでください」

そこにタンが入ってくる。

タン「兄さん!」

「行こうとしてたところだ」

とタンに告げ、また連絡いたしますと言い出ていくユン室長。

タン「オレをちょっと見てよ」

ウォン「どうして?おれはこれからお前に可愛く見せてお前の言うことを聞かないといけないのか?」

タン「そうして欲しい」

ウォン「何?」

タン「公示を見たよ。見るやいなや兄さんのところに来なきゃとしか思わなかった。だからオレを見て、オレの言葉を聞いて、オレの本心を少し信じてよ」

ウォン「本心?おまえはオレを信じるのか?人を動かすのは本心じゃなくて状況だ。オレは今もお前を信じないし、10年後のおまえはもっと信じない。今日はその始まりで、オレと同等となるおまえの持ち分が、まさに本心だ」

タン「おれは株が欲しいと言ったことはない。オレの手に入ったとしても、むやみにふるうつもりもない。オレが兄さんを訪ねてくることがたやすいことだったと思う?一体どうすれば信じてくれるんだ?」

ウォン「それならアメリカに行け。株をすべて差し出して、またアメリカに行け。行って二度と戻ってくるな。それなら信じてやる」

タン「どうして・・・そんな言葉が言える?」

ウォン「どうした?イヤか?」

タン「株をすべて差し出す事はできる。だけどアメリカは嫌だ。どうして兄さんは二度と帰ってくるなという言葉を吐くんだ?そんなに簡単に言うことができるんだ?」

ウォン「それがオレの本心だからだ。おまえは本心じゃないな」

タン「何を言ってるんだ?株を差し出すって言ったじゃないか!兄さんの邪魔にならないって言ったじゃないか!オレを憎んで、いびって、無視するのまでは耐えて生きるよ。でもどうやってオレをまた捨てるんだ?どうやって二度と戻ってくるなと言うんだ?最後に聞くよ。兄さんは本気なのか?」

ウォン「最後に聞くぞ。アメリカに行くかどうか答えろ」

タン「オレは行かない。行かないよ。そしてオレは兄さんに株もやらない。たった今、気が変わった。オレの株を持ちたいか?それなら兄さんが奪っていけよ」

父との葛藤。

キム会長に呼ばれるウンサン。

会長「わたしが今から2つに1つを選択する機会を与えよう・・・」

話が終わり会長の部屋から出てくるウンサン。

呆然としている。

そこにタンが戻ってくる。

すれ違いざま一瞬だがしっかりと手を握る。

会長「逃げた奴が自ら戻ってくるとは嬉しいじゃないか」

タン「父さんの息子は閉じ込められていたのに帝国グループの庶子は大株主になりましたね」

会長「誕生プレゼントだ。おまえがわたしの息子だという理由で」

タン「オレは今日から父さんの息子じゃありません。兄さんの敵です。オレは父さんを説得できると思ってました。オレは兄さんのものに構うことなく、兄さんは兄さんの道を、オレがオレの道を行けばオレたち家族は平和になれるのだと信じてました。けれど今日オレの努力を台無しにしましたね」

会長「ウォンが事業をしていれば何がどうなるか分からん。刑務所に行くかもしれないし、わたしのように病気になるかもしれない。その時犬の群れのようにその場を奪い取ろうと駆けつけるだろう。だからおまえが必要なんだ。わたしにとってそれがおまえの兄の道でありグループのためでありすなわち平和なのだ」

タン「だからオレは兄さんを、兄さんは父さんを、いつ撃つかわからない、戦々恐々として疑って緊張するのがオレたちが守らなければならない平和と言うんですか?」

会長「ようやく話が通じたようだな」

タン「だけど父さん。オレは今日父さんのお陰で家族を失いました。今日兄さんは家族じゃなく敵になってもう兄さんは死んでもオレの母さんの家族にはなれず、母さんははじめから父さんの家族じゃなくて父さんはもうオレの家族ではないんだ」

会長「それがまさに、おまえが被る王冠の重みだ・・・。耐えなければならない」

ウンサンが2階に上がっていく。

階段を一歩一歩上がりながらキム会長の言葉を思い出す。

会長「今日すぐにタンと別れるならおまえが行きたいところにどこへでも送ってやる。地方のどこでもいいし、アメリカ・イギリス・フランスどこでもいい。けれど、今死んでも別れないのならもちろん他の選択もある。15日だけ時間をやる。その間タンと気ままに会ってもいい。ただ、半月会って別れればおまえはわたしが望むところに行くことになる。韓国でないのはもちろんだがそこは、アメリカ・イギリス・フランスとは全く違うところだ」

タンの部屋をノックする。

タンがドアを開ける。

タン「どうやって?!」

『シッ!』と満面の笑みを浮かべるウンサン。

第16話へ