王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えろ〜相続者たち〜 |
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第10話 タン「悪かったな、舐めてて。ここまで犬野郎だとは思ってなかった」 ヨンド「親の前でひざまずかせるのは我慢してやったんだぜ」 タン「望んでいるのがそれなら計画の建て直しだな」 が、ウンサンがやってくるのを見て。 ヨンド「計画は正しかったよ。(ウンサンが)家にも行き来するのか?(タンに向かって)こうするために来たわけじゃないんだけど大当たりだった」 タンはとっさに家で待ち合わせしたふりをする。 タン「チャウンサンの方が先に約束してたから。(ウンサンに)ここまで来たのにごめん。公演はまた後で。ご覧のとおり都合が悪くなった」 ウンサン「気にしないで、それじゃ」 ヨンド「チャウンサン!」 タン「帰れ、そのまま、直進!」 ヨンド「なんだお前ら?お前の婚約者は、知っているか?」 タン「チャウンサンと付き合ってんだ俺。ラヘルはもう知っている。(それより)ここまで来たんだ、覚悟は出来ているだろうな?」 タンはヨンド父の元へ行く。 青ざめて追いかけてくるヨンド。 ヨンド父に対し彼を殴ったこと、しかも二度も!それを潔く謝るタン。 自分の息子の負けを決して許さないヨンド父に、この事が知られるダメージをタンは知っていたのだ。 案の定ヨンドは父に殴られる。 ヨンド父「殴られる?二度も?勝たないと!何をしてでも!結果的に勝たないと!お前が勝てないのは俺だけでいい。そうじゃないか?」 ヨンド「お父さんはいつも元気ですね?内に秘めずにいつも」 父「もう帰れ、顔も見たくない」 そう言われヨンドがドアを開けると父の愛人が。 愛人「ヨンド。こんにちわ〜♪」 ドアを閉め父の元へ戻るヨンド。 ヨンド「お母さんがいた時もこうでした?こうだった女が俺の母になったとか?」 ヨンドは、中学時代父の情事を見てしまっていた(タンも一緒)その事がトラウマとなっていたのだ。 そのことを思い出しつらくなるヨンド。 その時エレベーターに乗ってくるタン。 タン「お前と俺の喧嘩に家族はもうだめだ。二人とも経験したんだ。最後の警告だ」 ヨンド「お前の口で家族はやめようって言うなら最後に残るのは・・・かわいそうなチャウンサン?」 タン「だめだ。あの子には触れるな」 ヨンド「応援するなよ〜〜頑張りたくなるから。俺も警告したぞ」 タン母は、自分の存在が学校の友達に知られたことでとても動揺していた。 元気がないタン母をウンサン母がなぐさめる。 手をマッサージしながら、気遣ってくれるウンサン母に素直にお礼を言うタン母。 やっと戻ってきたタンは母に言う。 タン「ごめん・・・何もかも全部ごめん」 タンが悪いんじゃない私が悪いんだ・・・そう言う母はつらくなって、食事をウンサン母に頼み部屋に行ってしまう。 タン「あの・・・」 ウンサン母を呼び止めるタン。 タン「ウンサンは、帰ってます?」 首を振るウンサン母。 ウンサンに電話しても出ない為メールで「チェヨンドは帰った」と伝える。 帰ってきたウンサンをワイン倉庫へ連れて行くタン。 タン「俺がヨンドに何を言ったか気にならないか?話あわせないと」 ウンサン「なんて言ったの?」 タン「お前と付き合っているって言った」 ウンサン「そんな嘘を?」 タン「俺、お前と付き合う」 ウンサン「あのね、キムタン」 タン「俺の名前知ってるんだ?初めて名前呼んだんだぜ?」 ウンサン「バカなの?それとも私が今まで言ったことが理解出来なかったの?」 タン「バカの方がいい。お前が怒ってても笑っててもおれは嬉しい。完全バカだよ」 ウンサン「これだから世間知らずのお坊ちゃんは!そう、付き合おう!それでユラヘルと婚約が破棄されて家から追い出されて・・それでも私が好きだと言えるのか付き合ってみましょうよ。そのうち結局別れて傷つくのは私だけでしょうけど付き合ってみましょうよ」 タン「俺ら付き合って別れるのは確定なのか?」 ウンサン「奥様にばれたら私たち(母と自分)は追い出されるのよ。だからのんきなことはもうやめて貰えませんか?お坊ちゃま」 タン「お前はオレの心が軽く見えるのか?オレの本気が軽いのか?」 ウンサン「そういうあなたは私の努力が軽く見えるの?あなたが私とふさわしいと思う?私とあなたがふさわしいと思うの?」 タン「そう、お前と俺はふさわしくない。お前がおれのプライドに触れたからでも、おれの家族史を口にして傷つけたからでもない。俺はお前のために勇気を出したのに、お前は俺のために何もしないんだな!そう。そんなにやめて欲しいならやめるよ。お前との事は綺麗な夢だと思ってたけど、悪い夢だったんだな」 行ってしまうタン。 それからは朝歩いていくウンサンを見てもタンは通り過ぎていってしまう。 そうこれでいいんだ・・そう思うウンサン。 教室でヨンドはラヘルにあてつけるようにタンの秘密を話すようなそぶりをちらつかせる。 ヨンド「俺、友達の家ですごいのを見ててさ」 ラヘルは意味が解らない。 タン「やめれば?頬が腫れてしゃべるのも億劫じゃないか?」 その時教師に呼ばれ掃除に連れていかれる二人。 そんなのを授業中見るウンサン。 それに気づいたチャニョンが手紙を。 チャニョン『親の会どうなった?』 ウンサン『知り合いの方が代わりに』 チャニョン『最近俺に秘密多くない?キムタンとは喧嘩?』 ウンサン『逃げてる最中』 気分転換に屋上に行くウンサン。 目を閉じるとあの時のキスが思い出される。 向かいの屋上にはタンが。 じーっと見つめるタンに気づき逃げちゃうウンサン。 図書室で勉強していると、今度はヨンドがやってくる。 この間の事や、父母会に来たのは誰だ?とか色々言ってくるヨンドに対し。 ウンサン「(父母会に来た人はあんたの)想像も出来ない人だよ!明後日はテストだからもう帰ってくれない?」 ヨンド相手に負けてないウンサン。 そしてウンサン転校後初めてのテストが始まる。 ヨンドはいたずら書き。 適当にテストを受ける。 順位が発表される。 チャニョンは一位。 そしてタンは・・・なんと100人中100位。 (ヨンド98位 ミョンス99位だった) 遅れてきたウンサンになんとかこれを見せないようにしようと阻止するタン。 タン「お前52位だった。勉強しないのか?」 テストが終わったとたん今度はキャンプが待っていた。 タンもヨンドも行かない、と言っていたが急に行くと言い出すヨンド。 タンはラヘルにメールで呼び出される。 ラヘル「お母さんがご飯食べようって、軽くブランチどう?」 タン「ああ」 ラヘル「あんたが誰を好きになろうが恋愛しようが。この婚約とは関係ないの、わかる?」 タン「知らない」 ラヘル「キャンプはなんでいかないの?私がチャウンサンをいじめると思わないの?」 タン「考えてる。お前も入れてみんなから俺を守る方法。あいつを守る方法」 ラヘル「チェヨンド、あんたの家で何を見た?」 タン「この婚約が俺の恋愛と関係ないのならお前がそれを知る必要もない」 行ってしまうタン。 ひとり残されたラヘルの側にヒョシンが現れ。 ラヘル「また何ですか」 ヒョシン「どうやってわかった?」 ラヘル「その紅蔘のにおい」 ヒョシン「(お前は)タンを追いかける器じゃないな」 ラヘル「私が追いかけた?」 ヒョシン「そうだよ。うらやましい。俺にはそれもできなかった」 意味深なことを言うヒョシン。 義母とラヘル母と4人で食事するタン。 ラヘル「すみません、タンと婚約破棄したいんですけどどうしたらいいですか?婚約指輪返したらいいんですか?」 突然の話に二人を帰し、親同士で話すことにする母たち。 母達「あななたち先に帰ってなさい」 出てくるタンとラヘル。 ラヘル「言いたいこと代わりにしてあげたでしょ?これからどう出るか見てみるがいいよ」 タン「最悪だ、お前!」 ラヘル「私の愛情が怒りに変わる時あんたは何をしてた?あなたの全部とチャウンサンをかけてみなよ」 即効で父に呼ばれるタン。 父「なぜあんなことを言うんだ。ラヘルは?」 タン「俺、好きじゃないんです」 父「それが理由になるか?こうなると兄の方が正しかったって考える。アメリカへいた時の方がマシだ。お前とラヘルも、俺とお前も、お前と兄も。お前はウォンと違う」 タン「はい、庶子ですし」 父「だから保険としてラヘルがいるんだ!お前の力になるんだラヘルは」 タン「そんなの要りません。この家は、俺がいたらもっと寂しくなる」 これを立ち聞きしていたタン母。 「破婚?どうしたの?」 タン母、ウンサンから状況を聞こうとするが。 タン母「ヨンドという子知っているでしょ?タンに何か言わない?タンと実の親の話とか。ラヘルはなぜ破婚の話を?何か知らない?」 答えられないウンサン。 そこへタンがやってくる。 タン「何、まだスパイごっこしてるの?」 タン母「ラヘルによくしてあげるんだよ、キャンプで!女の子はそういうのに弱いんだから」 タン「俺、行かないけど?」 母「私が金をあんなに使ったのに!」 タン「使えっていってないし!」 部屋に向かうタンを追いかけるウンサン。 ウンサン「なんでキャンプいかないの?」 タン「お前に会いたくないから」 ウンサン「だからって・・・1分だけ(話して)」 タン「断る」 階段を上っていってしまう。 階段で躊躇するウンサン。 使用人と雇い主、足を踏み入れてはいけない領域。 でも思い切って上がって行く。 自分の部屋に近づくウンサンを感じるタン。 ドアの前で躊躇するウンサンに痺れを切らしたタンはドアを開ける。 タン「何をやっている?人の部屋のドアの前で。話があるなら入れば?ないのなら別にいいけど」 ウンサン「ある!!」 ウンサンは恐る恐る部屋に入る。 タン「(話)してみたら?キャンプ、なに?」 ウンサン「あんたが行くのが正しいよ。私じゃなくて。奥様の心は考えない?」 タン「(ヨンドと)ホテルで何の話を?こうやって二人っきりでいたのか?」 ウンサン「なんで今その話を・・・」 そこへタン母が! (タンは今裸だからと嘘をついてちょっとだけドアを開けて会話) タン母「お父さんはなんて?」 タン「俺が庶子だからラヘルという保険が要るって」 母「あの人は!そこまで言わなくても!」 怒って降りていく母。 息を殺してるウンサンに。 タン「息しろよ」 ウン「うん・・・(ふぅーと深呼吸)キャンプ、考えてみて」 タン「行かない!俺が行ったらチェヨンドか俺がだめになる」 あきらめたウンサンは部屋を出ようとするが。 タン「今出て行ったら母と鉢合わせる。お前行ったら俺叫ぶから。(タン叫ぶ)お母さん!」 慌ててタンの口を押さえるウンサン。 後ろからウンサンを抱きしめるタン。 タン「1分だけ・・・(俺の部屋)初めてきたんだろ?」 ウンサン「私がここに来ちゃだめなの。私が超えられない壁があってね。この部屋もその一つだから」 タン「ちょっとだけ待ってろ。この世界の全ての壁を壊してやる。方法を考えているんだ。キャンプ楽しんでこい。(きっと俺に)会いたくなるよ」 二人を窓のドリームキャッチャーが見守っていた。 キャンプ当日。 テント張りをウンサンに押しつけるイェソル。 そこへヨンドがやってきて手伝ってくれる。 ミョンスは広報。 皆の写真を撮っていた。 その時、ウンサンと会ったことをはっきりと思い出す。 ミョンス「夜明けくらいだったな・・・タンの家から出てきたんだ!」 ヨンド「夜明け?」 ピキっとなる。 ミョンス「ああ、思い出したよお前だった!ジャージ姿で!」 ウンサン「何で私が?見間違いじゃないの?」 とぼけるが・・・。 その頃ヒョシンとタンは学校で話していた。 ヒョシン「みんな面白いだろうなぁ。お前はなんでいかなかった?ウンサンは行ったけど?」 タン「なんでウンサンって呼ぶんだよ?」 ヒョシン「ウンサンをウンサンって呼ぶの当たり前だろ?」 親しげな呼び方にちょっとむっとするタンだが、話は去年の事に。 皆に人気も人望もあるヒョシンだが、過度のプレッシャーから自殺未遂を犯していたのだ。 彼の事を心配するタン。 ヒョシンは病院は二度と嫌だからあんなことはしないと言う。 キャンプ場では、サバイバルゲームをしていた。 ウンサンにちょっかいを出すヨンド。 ヨンド「あー殺そうかな、どうしようかな。なぜタンの家から(夜明け前に)出てきた?」 ウンサン「私じゃない」 ヨンド「そうだろ?昼も、夜もまぁありだけど、夜明け?キムタンの家で?」 思わずヨンドを撃つウンサン。 食事の時もヨンドと二人だけになってしまうウンサン。 ヨンド「全部食べた人は皿持ってきなーチャウンサンが皿洗ってくれるって」 手伝うと言いつつ自分の存在が手伝うということだ!と何にもしないヨンド。 見かねたチャニョンがやってくる。 ヨンド「いくつからあいつと友達?お前、チャウンサンが社会配慮組だって知ってるだろ?イボナ、お前もか?」 ウンサン、とうとうヨンドを呼び出す。 ウンサン「チェ・ヨンド、話がある」 別の場所で。 ウンサン「お願いがあるんけど」 ヨンド「悪ふざけしないと興味を引けないんだな俺。キムタンとはどんな仲?」 ウンサン「それが何?ただいじめたらどう?もう怖くないから」 ウンサン、タンへ電話。 その時ラヘルがやってくる。 送信相手『キム・タン』を見てウンサンを殴るラヘル。 ラヘル「痛い?殴った私はどれだけ苦しいか。私がどれだけ我慢したか解ってるよね?あんたが何処の娘でもかまわない」 ウンサン「ユラヘル、今日殴られたんだからその分だけはする。(キム・タンに)電話してもいいよね?携帯返して」 携帯を叩きつけようとするラヘルの手を止めるヨンド。 ヨンド「放せよ。ああ、紹介してないんだな。チャウンサンは俺のだ。俺だけがいじめる」 そこへやってくるタン。 それに気づいたヨンドは、タンを見せないようにしてウンサンを抱きしめる。 驚くウンサンはそのまま固まってしまう。 ウンサンを腕に抱いたヨンドは、タンをじっと見る。 それを見ていたタンは・・・。 第11話へ |