王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えろ〜相続者たち〜 |
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キャスト紹介 |
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--------------------------------------------------------------- イ・ミンホ / キム・タン/ 帝国グループ相続人(妾の子で次男) パク・シネ / チャ・ウンサン/ 帝国グループ家政婦の娘(庶民) チェ・ジニョク / キム・ウォン/ キム会長本妻の息子帝国グループ社長 キム・ウビン / チェ・ヨンド/ 高級リゾートホテルゼウスの相続人IQ150の頭脳を持つ キム・ジウォン / ユ・ラヘル/ RSインターナショナル相続人(タンの婚約者) カン・ミンヒョク / ユン・チャニョン/ 心優しく幸福度の高い男 ウンサンの幼馴染 パク・ヒョンシク / チョ・ミョンス/ 法律事務所相続人 クリスタル / イ・ボナ/ メガエンターテイメント相続人 カン・ハヌル / イ・ヒョシン/ 生徒会長 検察総長の息子 キム・ソンリョン/ ハン・ギエ/ 帝国グループキム会長の愛人 キム・タンの実母 キム・ミギョン / パク・フィナム/ 帝国グループ家政婦 ウンサンの母 パク・ジュングム/ チョン・ジスク/ キム会長第二夫人(タンの戸籍上の母) チェ・ドンファン/ キム・ナムユン/ 帝国グループ会長 チェ・ウォンヨン/ ユン・ジェホ/ 帝国グループ秘書室長 チャニョンの父 ユン・ソナ / イ・エスト/ RSインターナショナル代表 ラヘルの母 チェ・ジンホ / チェ・ドンウク/ ホテルゼウス代表 ヨンドの父 ソ・イスク / イ・ヒョシンの母 イム・ジェウン / チョン・ヒョンジュ/ 元ヒョシンの家庭教師後に帝国高校教師 チョン・スジン / カン・イェソル/ 帝国高校クラスメート ユン・ジンソ / チャ・ウンソク/ ウンサンの姉(アメリカに留学中) --------------------------------------------------------------- |
第1話 主人公キム・タンは諸事情から家族と離れ、単身アメリカはロサンゼルスに留学してもうすぐ3年が経とうとしていた。 留学に立つ日の兄の言葉を未だに引きずっていた。 ウォン「勉強?頑張らなくてもいいよ。英語?面倒ならやるな。そのまま遊んで暮らせ。悩まずに考えもするな。もともとお金持ちの子供は遊んで暮らすんだ。夢を持つのではなく。そして出来れば戻ってくるな」 その瞬間タンは理解した。 アメリカに来たのは留学ではなくただ単に追い出されただけだと。 兄は俺に奪われることになるものを前もって取り戻していると。 庶子にふさわしい反抗くらいはすべきかと一度は思ったが、結局食べて遊ぶことにした。 その結果自分を睨む警察が出来、学校では注目の的、韓国にいる母さんを泣かせる才能まで出来た。 そんなある日、一人の女の子と出会う所から物語が始まる。 一方、ヒロインであるチャ・ウンサンは言葉を話せない母と二人暮らしをしていた。 母は家政婦の仕事を転々としてきたが言葉を話せないゆえ長続きせず、ウンサンは家計を助けるため昼間は高校に通いつつ掛け持ちのアルバイトに奔走する毎日。 ウンサンには姉が一人おり単身アメリカはロサンゼルスに留学中。 そこに姉から一通の知らせが。 「結婚するから金を送って欲しい」と。 母は必死で貯めてきた有り金全てをウンサンに託し「この金を姉さんに届けて欲しい。タンス一つでも買えと伝えて欲しい」とウンサンに頼む。 そして自分は行けないから姉さんの結婚式に出席してきて欲しいと。 ウンサンは怒っていた。 母もこの暮らしも全てを放り出し、自分だけが贅沢な生活をしている姉に。 そしてアメリカで結婚するということは、もう韓国に戻るつもりはないのだと。 姉だけがこの生活から抜け出す最後の希望だったのにと。 ウンサンは決心する。 「私はもう韓国には戻らない。アメリカで絶対に成功してみせる。待ってて母さん。必ず成功して迎えに来るから」 ウンサンは涙ながらに、アルバイトで必死に貯めた有り金で旅券を取り単身アメリカに飛ぶ。 ここから物語が始まる。 アメリカに着いたウンサンは早速姉の住所を訪ねるが、同棲していた白人男性から全く違う話を聞かされる。 ウンサン「あなたが姉のご主人?」 同棲相手「主人?俺達は同棲してるだけさ」 ウンサン「同棲?結婚するんでしょ?」 同棲相手「結婚?なんで俺達が結婚するんだ?」 ウンサン「姉が通ってる大学は?」 同棲相手「大学?彼女は大学なんて通ってないけど?」 ウンサン「学校まで嘘だったの?」 なんとか片言の英語で頑張って話してたウンサンだが、最後に韓国語で叫ぶ。 ウンサン「あのクソ女、今どこなのよ!」 タンはその頃、海辺のカフェでエッセイを書いている。 提出する予定のないエッセイを。 『エッセイを書いていると“考える”ということをしている気がする。兄がするなといったあの“考える”ということを』 ふと目をあげると道路にたたずむ女の子。 目には涙が・・・。 その様子をじっと見ている。 ウンサンは姉が働いていると思われるカフェを覗くとそこに姉が。 留学し現在大学院に通っているはずの姉は、実は日々アルバイトに励み男に貢いでいた。 『結婚するから金を送れ』 驚愕のあまりウンサンは言葉を失いつつもそこで姉と大喧嘩をする。 姉「チャウンサン、なんで?どうしてここにいるの?母さんは?母さんはどうしたの?」 ウンサン「母さん?あんたに母さんを語る資格はないよ」 姉「いつきたの?連絡くれたら・・・」 ウンサン「まだ何か見せるものがあったの?ここが大学なの?」 姉「私がここで働いてるのを誰から聞いたの?」 ウンサン「決まってるでしょ。あんたの同棲男よ」 姉「うちにも行ったの?」 ウンサン「そう行ったの。今まであんなチンピラの酒代を稼いでいたの?どこからどこまでが嘘なの?結婚ですって?いい男と出会ったって?あんたが好きなだけじゃなくて本当にいい男と出会わないと!」 姉「お金は?持ってきた?」 ウンサンのトランクをあさる姉。 ウンサン「本当に落ちたのね、チャ・ウンソク。母さんまで捨てて楽しようとした罰を受けるのね私」 姉「金どこよ?」 ウンサン「人生ってひどいのね。姉ちゃんは私の誇りだった。泥まみれな人生の最後の希望だったの!どうせ決まってる人生なら専門大でも卒業して月収200万の事務職で手を打つつもりだった。姉ちゃんが戻るまで母さんと生き延びなきゃいけなかったから!」 姉「ごめん。一度だけ。許して。韓国に帰ってね。母さんには私から連絡するから」 ウンサン「母さんの血まみれのお金なのよ!」 そしてウンサンが持っていたトランクから母の通帳だけを奪い取り、姉は逃げてしまう。 その一部始終をカフェからじっと見ていたタン。 道端に散らばったトランクの中身を泣きながら片付ける女の子。 そこへやってきたタンの友達ジェイ。 ジェイ「このパーティすげーぞ!行こうぜ!ジェシーがお前を・・・」 タンはシッとジェイを黙らせる。 ジェイ「おお、あのかわいこちゃんは誰?堕落した天使?いつも先立ってるんだな、これからは俺に任せて!」 ジェイは面白半分にその女の子に声をかける。 我に返ったタン、思わず独り言。 タン『ったく、あのバカ!』 急いでジェイを追いかけるタン。 ジェイは女の子のトランクからおもむろに袋を掴み、そのまま砂浜を駆け出す。 ウンサン「何?私今この状況で泥棒にまであったの?私の大事なものを返して!!」 大泣きしていたのも忘れ、必死で追いかけるウンサン。 ジェイはつまづいて転び、持っていた袋の中身をぶちまけた瞬間そこに倒れ意識を失う。 袋の中身は母が姉に渡すために夜なべして作ったミスカル(大豆の焦がし)だ。 大豆アレルギーをもっていたジェイはそのせいで発作を起こしたのだ。 何が起こったのか全く理解できずにいたウンサンの元に血相を変えて飛んできたタン。 タン「(ジェイに英語で)しっかりしろ!薬じゃないって!(ウンサンに韓国語で)携帯持ってますね?911に電話して。早く!!」 ウンサン「持ってません、携帯・・・韓国人ですか?」 タン「今、それが重要か?」 二人はジェイに付き添い、病院へと向かう。 病院で。 医師「(英語)アレルギーによるショックよ。あの粉に反応したようだけど」 タン「(英語)あ、豆です」 ウンサン「そう、ビーンなの。ミスカルよ」 タン「(ウンサンに韓国語で)解ってるよ。(医師に英語で)いつ目覚めますか?」 医師「処方はしたから待ちましょう」 英語のやりとりが解らないウンサン。 ウンサン「大丈夫よね?」 タン「なんであんなものを持ってるんだ?」 ウンサン「逆切れ?盗んだのは彼の方よ。しかも薬に・・・」 タン「酔っただけだ。本当のジャンキーなら薬とミスカルの区別くらいはするさ」 ウンサン「だから私のせいだと?今一番動転してるのは私よ?」 タン「めんどくさくなったのは俺だ」 英語が話せないウンサンの代わりにタンが病院手続きをしている間に、警官に呼ばれるウンサン。 警官「袋の中身はあんたのか?」 袋の中身は大豆であって怪しい薬ではない、不法滞在でもないと必死で説明しようとするも英語が全く理解できずに困っているとそこに手続きを終わらせてやってきたタン。 タン「(英語で)ヘイ、ベイビー。大丈夫、この女は俺の彼女で・・・」 タンは機転を利かせてとっさにウンサンの恋人のフリをしながら説明しようとするが、たまたま警官がタンを良く知る人物で余計に怪しまれる結果を招く。 警官「久しぶりだな、タン。やっぱりお前絡みか。袋の中身は調べればすぐに解る。だがお前が関わってるならもう少し調べる必要があるな」 タン「とにかく薬じゃない。解ってるだろう?」 警官「違うとしてもお前が関わったのならただでは済ませない」 やりとりの解らないウンサン。 ウンサン「何だって?悪いこと?」 警官「結果が出るまで彼女のパスポートは俺が預かる。逃げない方が身のためだ」 そういって警官は自分の名刺を渡す。 警官はそのままウンサンのパスポートを押収して行ってしまう。 ウンサン「どんな状況なの?私のパスポートはなんで持っていかれるの?いつ返してくれるの?」 タン「時になれば?」 ウンサン「その時っていつ?」 タン「時期が適したら」 ウンサン「それがいつなのよ?なんでパスポートを持っていかれたのよ!」 タン「ところでお前、さりげなくタメ口じゃないか?」 ウンサン「アメリカではみんなそうじゃない」 タン「それは英語の場合だ」 ウンサン「じゃ英語だと思ったら?ちなみにあんたの友達のカルテ覗いたら私と同じ歳だったよ。てことはあんたも私と同じ歳じゃない?」 言い返せないタンは咳払い。 タン「ところでずっとここにいるつもりか?どこに泊まってるんだ?警察から連絡がきたら知らせるから。携帯もないんだろ?」 ウンサン「それなんだけど・・・携帯貸してくれない?お金は払うから。近所に姉ちゃんが住んでるの」 タン「お前の電話に出ると思うか?あんなに大喧嘩したのに?」 ウンサン「聞いてたの?」 タン「まさか泊めてと電話するわけじゃないだろうな?」 ウンサン「関係ないでしょ。もう一度言うけどこれは100%私のせいだけじゃないから送ってね。お金は払うから!」 タン「やけに金で解決しようとしてないか?お金もちか?」 ウンサン「置いて行かれたら困るよ・・・お願い」 パスポートがなければ国に帰ることも出来ない。 他に行くあてもない。 ホテルに泊まるにもパスポートがなければ泊まれないし金もない。 姉の家までタンの車で送って貰ったウンサン。 ウンサン「朝の8時、昼12時、午後3時、3回電話するね。パスポートが届いたら電話に出て。届いてなかったら出なくていいから。お願いね」 タン「勘弁してよ」 ウンサン「送ってくれてありがとう」 ウンサンの様子をしばらくじっと眺めてるタン。 家は真っ暗、呼び鈴を鳴らしても出てこない。 タン「誰もいないんじゃないか?」 ウンサン「そのうち来るわよ」 タン「帰ってくるまで待つ気か?」 ウンサン「近所にいるかもしれないじゃない」 タン「アメリカの夜について聞いたことないのか?金を持ち逃げした女が家にいると思うのか?」 ウンサン「帰ってくるよ」 タン「そう。じゃ、好きなようにしたら?」 車を発進させ行ってしまうタン。 待てど暮らせど、姉は帰ってこない。 どこからか聞こえるパトカーのサイレンの音。 心細くなったウンサンは仕方なく、あてもなく歩き出す。 その時、ウンサンの横に一台の車が。 見れば、さっき走り去ったはずのタン。 タン「俺んち来る?」 第2話へ |