鮫〜愛の黙示録〜
キャスト紹介
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ヨシムラ ジュン/ハン・イス役  キム・ナムギル

ジャイアントホテル社長。
ヨシムラ ジュンイチロウが率いる日本企業(株)ジュン・インターナショナルのNo2。
ヨシムラ ジュンイチロウの義子であり後継者と呼ばれる。
彼の日本名は吉村だ。
誰も彼の本名がハン・イスという事実を知っている人はいないほど彼の人生は徹底的にベールに包まれている。
表情の変化を読み取ることができない徹底したポーカーフェイス。
適切な時でない限り息を殺して待つこと知っている忍耐と、機会が近づいた時に果敢に決断しなければならないことは必ず最後までやり遂げるという執念を同時に持っている。
生まれつきの頭脳と勝負欲が強い彼がジャイアントホテルの社長に就任して一年で東南アジアのホテルリゾート覇権を争うほどホテルは驚くべき成長を成し遂げた。
彼にとっての善はまさに金と権力だ。
しかしそれは表面的な彼の姿であって隠された彼の目的は金でも権力でもない。
金と権力は彼の目的を達成するための武器に過ぎない。
彼が口癖のように使う言葉がある。
『世の中にはバランスが必要』
受けたら返すこと、いやそれよりもより厳しい罰を下すことこそが彼が言う世の中のバランスを正すことである。
ついに息を殺して待っていた時が来た。
ヨシムラ ジュンとなった彼は鋭い刃を胸に抱いて12年ぶりに韓国に帰って来る。
愛する人に刃を向けるために。
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チョ・ヘウ役  ソン・イェジン

ソウル地検検事。
カヤホテルグループの一人娘で情熱的で高慢な内面を持った主体的な性格の持ち主。
自分の心のままに勇敢に行動する方法を知っており、推進力と誰の前でも堂々と立ち向かう強い誇りとともに彼女だけのカリスマを発散する。
政略結婚で結ばれた彼女の両親は必要な場合を除き他人のように住んでいた。
後を絶たない不倫波紋を引き起こす父親と鋭敏に角が立っている母親は彼女の愛への幻滅と不信を増大させた。
それでも彼女は耐えることができたのはカヤホテルグループ創業者の祖父チョ・サングクがいたからだ。
彼女は物心がついてから祖父を頼ったし最も尊敬した。
家出を決心しながらも自分の足を引っ張るのはいつも祖父だった。
しかし彼女の悲しみを慰めるには力不足だった。
不倫騒動で父親の名前が新聞にのぼることが発生して母親が父親に向かって投げて壊れたガラスの瓶の破片を素足で踏んだまま家を出た彼女に一人の男の子が黙ってついてきた。
ハン・イス。
この前の危機から自分を救ってくれた子供だ。
初恋はこうして彼女に訪れた。
困難の中でも人間の信仰と信頼を失わない暖かく強靭なイスは彼女に人間に対するそして愛に対する失った信頼を取り戻す道を開いてくれた。
彼女はよく笑う子になった。
絵を描く人になるという夢もできた。
未だに親との葛藤を経験していたが以前のように不幸だったり悲しくはなかった。
このように時がすぎれば。
イスと共に大人になればと思った。
彼女が最初に感じた充満した幸福感だった。
しかし、想像もできなかったことが一度に起こった。
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オ・ジュニョン役  ハ・ソクジン

カヤホテル戦略企画本部長でヘウの夫。
暖かい感性と人間の真正性を重視し束縛を嫌う自由な魂の持ち主。
人を見抜く特別な洞察力と大きく広く見渡す視野を兼ね備えた彼は自身への信仰が強く自分が信じている人々の信頼も厚い。
大抵のことは許せる寛容さと寛大さを持つが自分が定めた限界を超えた場合誰よりも恐ろしく冷静だ。
人々は彼をエリートコースが踏んできた模範生だと言うが高校時代に彼はいわゆるイルジンチャンだった。
一年前たった一人の弟が飲酒運転者が起こした交通事故で死亡する事故が起きた。
運転手は過失致死罪で法的な処罰を受けたが彼は許せなかった。
模範生だった彼は1年足らずで誰も触れない問題児になっていた。
同じ学校の後輩であるヘウがある日からか彼の心に入って来はじめた。
彼女も同じように爆発する場所を探している問題児であり表現方法は違ったが彼女もまた孤独に見えた。
ヘウを守り守ってやりたいという願望。
それは初恋だった。
しかし彼女の心の中に自分が入る場所はなかった。
幸い彼女の心を占めているハン・イスという人は彼にとってもお気に入りの人であった。
久しぶりにヘウが気の合う男に会った気分だった。
ハン・イスならヘウを奪われてもいいと思った。
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チャン・ヨンヒ役  イ・ハニ

ジャイアントホテル企画秘書室長。
日本でホテル経営学を専攻し優れた企画力と明晰な頭脳で日本の歴史的な温泉ホテルに革新的な変化を主導して話題になった人物。
イスが韓国グランブルーホテルを買収するとともにイスの右腕でありホテルの重要な役割である企画参謀長に任命された。
陽気で愉快な性格で直線的でありながらも親和性が優れている。
好き嫌いがはっきりしていて時には争いもあるが自分が間違った判断するとすぐに謝罪できる率直さを持っている。
日本留学時代のイスとの印象的な出会いがあった後イスの関心を抱いているが日本ジャイアントホテルで働きながらイスおよび第二の出会いを持つ。
彼女の私生活について知っている人はほとんどいない。
ただ日本でホテル経営学を専攻した有能な経営者ということしか。
貧しい未亡人の1男2女の長女である彼女は名門大人文学科に通って自分の学費を稼ぐために家庭教師をいくつもかけもちして熱心に生きていた。
そんな中母親の肝臓がんが発症した。
休学してアルバイトに専念したが手術費と長い闘病のためのコスト弟の学費と生活費をカバーするには全然足りなかった。
結局自分が必要なお金を稼ぐことができる方法を選択した彼女は日本へ発った。
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ハン・ヨンマン役  チョン・インギ

ハン・イスの父。
カヤホテル会長チョ・サングク会長の運転手。
額はないが誠実な人物。
妻をなくしたあと男で一つで二人の子を育てた。
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ハン・イヒョン役   ナム・ボラ
ハン・イスの妹。
天文宇宙学を専攻している大学生。
明るくて手付かずの純粋さと愛嬌の持ち主で里親に笑いをプレゼントして生活の活力素になってくれる陽気な性格の持ち主だ。
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ヨシムラ ジュンイチロウ役  イ・ジェグ

ジュン・インターナショナル会長でイスの義父。
在日2世。
韓国名はキム・ジュニル。
慎重な性格で冷徹な面も持ち合わせている。
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キム・ドンス役  イ・シオン

イスの友人。
後にジャイアントホテルのイスの専属運転手となる。
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チョ・サングク役  イ・ジョンギル

カヤホテルの会長でヘウの祖父。
引退しても絶対的の力を持っていながら謙虚さの美徳を備えており寛大さと寛容さを持った彼はいつも穏やかな笑顔を失わない。
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チョ・ウィソン役  キム・ギュチョル

チョ・サングクの一人息子でありヘウの父親。
表面上は豪快なように見えるが実際は小心で劣等感も多い。
衝動的な性格の彼は人間に対する惻隠の心がなく残忍な場合と俗物性を持っている。
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パク女史役  チョン・ギョンスン

貧しい農民の第四娘として生まれた。
十代後半で遠い親戚の紹介でヘウの家に入って家事を助けた。
人々の生活道理を守ることができ生まれつきの性格がよく時には女丈夫のような一面も持っている。
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ピョン・バンジン役  パク・ウォンサン

強力系刑事。
江原道山奥の長男として生まれ高校を卒業して刑事になった。
巨大な正義感はないが真っ直ぐで馬鹿正直な性格で自分が正しいと信じる道にがむしゃらに食い込む執念と粘り強さがある。
直感に優れた彼は科学捜査ではなく自分の直感を信じて足を使う捜査を好む。
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キム・スヒョン役  イ・スヒョク

ヘウを助ける強力部検察捜査官。
警察署を卒業した後検察捜査官となった。
角張らない性格で親和性に優れている。
ほとんどのことは怒ることがなく常に笑顔で相手の話をよく聞くため仲間たちの信頼が厚い。
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オ・ヒョンシク役  チョン・ウォンジュン

ジュニョンの父 。
現職ソウル中央地検長であり一松会会長。
最近は有力な検察総長候補に挙げられている。
ソウル地検長から総長に抜擢されればそれも異例なことになるだろう。
そのためには今までそうだったようにチョ・サングクの支援が切実だ。
今の彼があるまではチョ・サングクの助けが大きかった。
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第1話

ビデオ撮影画面の中の少年は高校2年生のハン・イス。

撮っているのは同級生のチョ・ヘウ。

ヘウはカヤホテルグループ社長の娘。

イスはその会長付き運転手の息子だ。

ヘウに世界で一番好きなものは?と聞かれるイス。

イス「サメ」

ヘウ「え?」

イス「サメは浮袋がない」

ヘウ「じゃ、どうやって生きるの?」

イス「生きるためには絶え間なく動かなきゃいけない。止まれば死ぬから。寝ながらも動くことでサメは生きることができる」

ヘウ「とても苦労して生きるのね」

イス「だけど海ではサメが一番強い」

ヘウ「だからサメが好きなの?」

イス「いや、可哀想で。誰もサメが好きではないようだから」

ヘウ「あなた、もし私がいなくなったらどうする?」

イス「探さなきゃ」

ヘウ「もし見つけられなかったら?」

イス「絶対見つけられる」

ヘウ「どうやって?どうやって探すの?答えてよ。どうやって探すの?」

イス「死ぬまで君を探すから。君を見つける前には僕は死ぬこともできないから」

12年後。

飛行機で日本から韓国に向かっているのはジャイアントホテル代表のヨシムラ・ジュン。
在日韓国人で韓国名はキム・ジュン。
ソウルに着いたジュンはその足でオ・ジュニョンとチョ・ヘウの結婚式会場に向かう。

受付も通らずに新婦控室前まで行き中にいるヘウを遠くから一目見るとすぐその場を立ち去る。

ジュンの視線を感じたヘウは後を追うがジュンは出て行ってしまう。

ジュン「(独り言)行け!振り返るな。全部準備はできて、今その時が来たんだ」

そうつぶやきながら、たった一度だけ振り返るジュン。

12年前。

転校することになったイスに”最後の思い出を”と友達がいたずらをしかける。

イスのカバンを持って逃げる友達を追いかけてイスも走り出す。

その混乱に乗じて近くの席にいたヘウも逃げ出す。

家出をしたヘウを連れ戻すためにスーツ姿の男たちが近くまで来ていたから。

友達とはぐれて二人きりになったイスとヘウ。

これが二人の出会いだった。

結婚式の二次会から満月を見に抜け出したヘウはバルコニーで昼間見た男性と一緒になる。

イス「結婚おめでとうございます」

ヘウ「今日、私の結婚式にいらっしゃいました?」

イス「記憶力がいいですね」

ヘウ「そんなことはないほうですがもしかしてジュニョンさんのお知合いですか?」

イス「いえ。ただ見たかっただけです」

ヘウ「はい?」

イス「韓国に来た初日に私が泊まるホテルで結婚式が開かれるなんて。なんだか幸運を運んできてくれるような気がして」

ヘウ「在外の方のようですが?」

イス「ヨシムラ・ジュンです。韓国名はキム・ジュンです」

12年前、イスの転校初日、イスはヘウと同じクラスになる。

隣の席になったキム・ドンスも転校して日が浅く転校生の洗礼を受けるがイスが助けたことで仲良くなる。

イスの引っ越し先はヘウの屋敷の一角。

中では父親の浮気が原因でヘウの両親がケンカをしている。

ウンザリしたヘウが出ていこうとして割れたグラスの破片を踏んでしまう。

それでもそのまま出ていくヘウ。

引っ越しのあいさつのために玄関の外にいたイスはヘウを心配して後をついていく。

父親の浮気相手に文句を言い殴られそうになるヘウ。

イスはヘウを助けて無理やり公園まで連れていく。

病院へ行けと言いながら応急処置をしてあげるイス。

足のけがで歩くのも大変そうなヘウに優しく腕を貸してあげる。

ヘウもすこし打ち解ける。

ヘウは学校でも親しい友達はいない。

イスに友達になろうと言うがイスはつまらない人間とは友達にならないと答える。

ヘウはイスに気に入られようと勉強も頑張り始める。

オ・ジュニョンはヘウの幼なじみで3年生グループのボス。

いつもイスとヘウの仲を気にしている。

イスには一目置いたらしく仲間に入らないかとイスに近づいてくる。

ジュニョン「ひと勝負しないか?」

イス「別に」

ジュニョン「そう?ちょっとゴタゴタもあったけど俺の下に入ってくるつもりはないか?」

イス「ありません」

ジュニョン「どうして?つまらない?」

イス「まあ、そうです」

ジュニョン「似てるなやっぱり。チョ・ヘウとおまえ。よく似てる。全部をかけるか全部をあきらめるタイプ」

イス「言いたいことは何ですか?」

ジュニョン「オ・ジュニョンだ」

イス「ハン・イスです」

ジュニョン「知ってるよ。ハンイス」

ひとしきりやりあった二人は意気投合する。

ある夜の帰り道。

ヘウ「私、決めた」

イス「何を?」

ヘウ「美大に行くの」

イス「絵?」

ヘウ「うん。来月からレッスンもまた始めるし私ちょっと忙しくなりそうなの」

イス「それで?」

ヘウ「私に会おうとしてもこれからはちょっと大変になるって話よ。だから今度の週末に特別にハンイスに私の秘密の場所を教えてあげようかって考えてるところよ」

イス「秘密の場所?」

ヘウがいつもイスと一緒にいることを父はよく思っていないが祖父はイスのおかげでヘウが明るくなったと喜ぶ。

イスのことをとても気に入って二人を一緒に留学させることまで考る。

ヘウの父は浮気相手と上手くいっていない。

その上新聞に”セクハラ”と暴露されてしまう。

その新聞を見ているのはジャイアントホテル会長のヨシムラ・ジュンイチロウ。

イスの義父だ。

騒動になったことでサングクはウィソンを怒鳴りつけヘウの母親は家を出て行ってしまう。

ショックでヘウも姿を消してしまう。

学校中を探しても見つからない。

ジュニョンはヘウが別荘に行ったのではないかと思いイスに場所を教える。

別荘の近くの湖畔でヘウを見つけたイスはヘウを励ましてあげる。

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最初の回想シーン。

元気になったヘウはビデオでイスを撮り始める。

一番好きなものは?私がいなくなったらどうする?

…必ず見つけ出す。

見つけ出すまでは死ぬこともできない。

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その帰り道、夕立にあった二人は木の下で雨宿り。

そこでイスはヘウの額にやさしくキスをする。

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