星から来たあなた
第18話

ソンイ「ト・ミンジュン、ト・ミンジュンさん!・・・ト・ミンジュン、ト・ミンジュンさん!」

吹雪く外に出てあたりを探すソンイ。

その様子を建物の影から見つめるミンジュン。

ソンイ「ト・ミンジュン!ト・ミンジュン!!・・・ト・ミンジュン!!!」

さっきよりも声を張り上げて今にも泣きそうな顔で叫ぶソンイ。

ミンジュン「何をそんなに人を呼ぶんだ?」

ミンジュンが現れる。

振り返りミンジュンの手を握る。

ソンイ「どこに行ってきたのよ?」

ミンジュン「あ、気晴らしに散策をちょっと」

ソンイ「驚いたじゃない。行ってしまったと思って」

ミンジュン「どこに行くんだ?わたしが」

ソンイ「行ってしまったようだったのよ」

ミンジュン「行かない。おまえを置いていかない。ここにいるよ」

ソンイ「どういうこと?」

ミンジュン「行かないって。ひと月後にも、ふた月後にも。だから不安がるなって」

ソンイ「行かなくても・・・それでも大丈夫なの?」

ミンジュン「大丈夫だ」

ソンイ「本当に大丈夫?」

無言で頷くミンジュン。

ミンジュンに抱きつくソンイ。

ミンジュンもソンイを抱きしめる。

その時ミンジュンは自分が消えてしまう感覚に襲われる。

一瞬体の力が抜けるミンジュン。

ソンイ「どうしたの?」

ミンジュン「行こう」

ソンイ「どこへ?」

ミンジュン「四方が壁で囲まれていて、屋根もあって真っ暗で、誰も見てなくて、おまえとわたしと2人だけでいることができるところ」

ソンイ「何よ、ユンジェとした話まで全て聞いてたの?」

微笑むミンジュン。

兄さんじゃない

ジェギョン「お客さんがいるならあらかじめ話せよ」

フィギョン「あらかじめ話したなら兄さんが来ないようで」

ジェギョン「久しぶりだな」

ミンジュン「7年ぶりね。あなたがわたしを閉じ込めて7年になるから」

すでに目に涙をためているミンジュ。

ジェギョン「何だと?」

しらを切るジェギョン。

ユ検事「ヤン・ミンジュさんは過去7年の間ヨンサンにある精神病院に監禁されていました」

ジェギョン「ああ、そうなんですか?」

パク刑事「それでイ・ジェギョンさんは今ヤン・ミンジュさんを不法監禁した容疑者としてここに座られているのですよ」

ジェギョン「わたしが?わたしがどうして?すごく一方の話だけ聞いて我々を集められたのではないですか?それも精神がまともではない人の話なんだが」

ミンジュ「わたしはまともよ。狂ってなんかなかったわ!」

ジェギョン「(ミンジュに)オレはおまえが留学中でよく暮らしているとばかり思っていた。おまえが行くからとオレが送ったじゃないか?」

ジェギョン「(フィギョンに)フィギョンおまえすごく驚いただろう。だけど誤解があるようだ。オレとは関係のないことだ」

フィギョン「兄さん。真実を言えよ」

ジェギョン「どんな真実?」

次の用事があるからと言いまたなにか用があれば弁護士を通してくれと言い席を立つジェギョン。

追いかけてジェギョンの腕をつかむフィギョン。

その手を振り払うジェギョン。

ジェヒョン「なんてことだこれは?」

フィギョン「本当に何の話もないのか?」

ジェギョン「なんの?」

フィギョン「姉さんに対してハン・ユラに対してそして上の兄さんに対して」

ジェギョン「おまえ嗅ぎまわったのか?オレがその人たちに対してどんな話があるんだと?」

フィギョン「最後だった。オレが兄さんを放棄する前の最後の機会。オレが好きで尊敬していた兄さんに機会を上げたかったんだ。弁明でもできる最後の機会。強引にでも理解してみたかった。けれどももう完全に放棄するよ・・・兄さんを。そしてオレが兄さんを兄さんと呼ぶことも放棄するよ。もうあんたは、兄さんじゃない」

ソンイの誘惑

寝室に入るソンイとミンジュン。

ソンイ「ところで部屋がぽつんと一つだなんて」

ミンジュン「誰が言った?隣の部屋もある」

ソンイ「そこはボイラーが弱いって。わたし寒いところでは寝れない」

ミンジュン「それならわたしが寝る?」

ソンイ「煩わしく何を言ってるのよ?仕方ないじゃない?状況がこのように抜き差しならないのに。ただここで寝なさいよ!」

ミンジュン「そこまで抜き差しならない状況でな無いようだが」

ソンイ「そうだけど警告するわ。キスは絶対ダメ。ほんとにダメよ。わたしが元々の夢が白衣の天使でも看病するのはもう疲れたのよ」

ミンジュン「何を言ってるのか。わたしは元からしなかった」

ソンイ「前のことは保証するもんじゃないわ」

ミンジュン「保証じゃなくてしないって。わたしはするつもりはなかったって」

ソンイ「そう?それなら安心して一つのベッドで横になってみましょうか?・・・表情がどうしたの?」

ミンジュン「表情?」

ソンイ「顔がどうして赤くなって?」

ミンジュン「わたしが?」

ソンイ「耳はどうして赤く?」

ミンジュン「何が?暑くてそうなんだ」

ソンイ「暑い?そんなのわかんないんだけど。それならそうね。暑くてそうだとして・・・それならわたしはもう先に横になるわ」

ベッドに寝転ぶソンイ。

ミンジュン「ええ?」

ベッドを叩く。

ソンイ「寝ないの?」

挑発するソンイ。

ミンジュン「寝ないと」

ベッドに横になり天井を見上げるミンジュン。

すかさずミンジュンの腕を頭の後ろに回し膝枕状態にして抱きつくソンイ。

ソンイ「その時のそれは夢だったたんじゃなかったでしょ?わたしをクルーズで腕枕してくれたこと」

ミンジュン「しらない」

ソンイ「そうでしょ?わたしにキスしてくれたこと」

ミンジュン「おまえがしたことなんだよ!」

ソンイ「するのはしたのね。その日、初キッス・・・。あ〜、眠い。ライトをちょっと消してよ。はは、外界人とれんあいするからこんなのはいいわね」

けれど何度やってもライトが消えない。

結局自分で消しに行くミンジュン。

ソンイ「なによ?超能力で消さずに?」

ミンジュン「コンディションがよくなくて」

ソンイ「わかったからこっちにおいで」

ベッドを叩くソンイ。

ミンジュン「なんの女がこんなに積極的なんだ?どこか外の所へ行ってもそうなんじゃないか?」

舌打ちするミンジュン。

ソンイ「また言ってみてよ」

ミンジュン「何を?」

ソンイ「たった今のそれ」

ミンジュン「たった今のそれって何?どんな女が恥じらいもなしに・・・」

ソンイ「そうよそれ。完全にカワイイわ。また言ってみて!」

ソンイ「オホ〜(こらっ!)」

古風なミンジュン。

ソンイ「オホ〜」

舌打ちも真似したソンイはまた言えと言う。

くすぐって反撃するミンジュン。

ソンイ「わかったわかった」

降参し最初のように腕枕をしてもらい抱きつくソンイ。

チャン弁護士「どうされてるのか、電話も受けずに」

真っ暗なミンジュンの家でつぶやくチャン弁護士。

家の植物が枯れているのを見て不安に思う。

ベッドの中で物思いに耽るミンジュン。

ミンジュン「無数の時間がわたしに行き来して流れたが実際わたしに残っている時間はありませんでした。今はよく分かります。時間の長さは重要ではないということを。重要なのはその時間を共にする人です。もうわたしはその人と共にする時間だけこちらに残すのです」

翌朝。

目覚めるソンイ。

ミンジュンはすでに起き上がりソンイの傍らに座っている。

ミンジュン「起きろ。朝ごはんを食べるのに」

ミンジュンの首に手を回すソンイ。

ソンイ「わたしをちょっと浮かして」

ミンジュン「なに?」

ソンイ「いや〜、その時野外セット所でやったようにわたしをちょっと浮かせてみてって。わたしがパッと目を開いたら洗面台の前にいつように」

ミンジュン「ふざけてないでふつうに起きろ」

駄々をこねだすソンイ。

ソンイ「ん〜ん〜ん!わたしもすごく当惑してこれってなんなの?って思ったんだけど考えてみるとすごく不思議で面白いじゃない。わたしにもう一度してみて。ねえ?だめ?」

ミンジュン「チッ、まあもちろんダメってことはない」

ソンイ「してみて、ねえ?」

やってみるミンジュン。

けれど動かない。

ソンイ「しているの?」

ミンジュン「おまえ何キロだ?」
ソンイ「なんの関係があるのよ?あの時はできたじゃない!」

もう一度トライするミンジュン。

ソンイの体が浮き始める。

ソンイ「あ、浮く、浮く!」

けれどすぐに落ちてしまう。

ソンイ「終わりなの?もっとダメなの?」

再度試みるミンジュン。

けれどダメだ。

ソンイ「顔を見るとダメなようね」

ミンジュン「起きたばっかりだからだ」

ソンイ「そうね、つまんないことさせたわね。わたしの足で出て行けばいいわ。気にしないで」

ミンジュンの肩を叩くソンイ。

立場のないミンジュン。

料理をするミンジュン。

ソンイがバックハグをしにやって来る。

ミンジュン「座っていろ、持ってってやるから」

ソンイ「わたしが手伝うこともなくて?」

ミンジュン「ん〜、全部出来た」

ソンイ「ああそうじゃなくって超能力がダメなこと」

ミンジュン「出来るときは出来るじゃないか」

ソンイ「すごく短かったのに大変そうに見えることもあって。わたしたち薬をちょっと飲 もうか?鹿の角が体にあうかな?人参を食べなきゃダメかな?」

ミンジュン「わたしが言っただろ?さっきはわたしが起きたばっかりで昨日も疲れていて」

ソンイ「昨日何をしてライトも消してないし今後も力を使うことがたくさんあるのにどうしよう・・・」

ミンジュン「不便だ。こんな会話」

ソンイ「いやいや、落ちこまないで。こんな時もあんな時もある。緊張してたんでしょう?そんなこともあるわ落ち込まないでト・ミンジュンさん。ファイティン!頑張って !」

取り繕い再びミンジュンに抱きつくソンイ。

ミンジュン「するな、するなって」

手を振りほどこうとするミンジュン。

ソンイ「あ〜ん、するのよするのよ」

じゃれついて離れないソンイ。

ミヨンV.S.チャン弁護士リマッチ

旅行先から帰ってくる二人。

エレベーターを降りる。

ソンイ「それはずっとダメなの?でなければ・・・」

ソンイを威嚇するミンジュン。

『気になって。面白いのにずっとダメなのかってまあ」

そしてバツの悪いことに出てきたミヨンとエントランスで出くわしてしまう。

ミヨン「ちょっとチョン・ソンイあんた、昨晩はどこにいてようやく帰ってきたのよ?」

ソンイ「あ、それは・・・撮影」

ミヨン「この子はどこで嘘ついて!映画の側にもうスケジュールのチェックは全てしたのよ!あんたのシーンはなかったって。ト・マネージャー答えてみなさい。ソンイのスケジュールはト・マネージャーが知ってるんじゃないの?まさか二人、昨晩二人どこかに旅行にでも行ってきたの?」

ミンジュン「お母さん、それは・・・」

ソンイ「わたしと話してわたしと!わたしが連れてってって言ったの」

ミヨン「誰が連れてったってことが重要?行くことが重要じゃなくて行ったことが重要なんでしょ!ハーバード大に通ってアメリカの水を飲んだのか知らないけどわたしはうちの娘をそう育ててないの。どこで他人の娘を連れて旅行なのよ!」

ミンジュン「申し訳ありません」

そこにチャン弁護士がやって来る。

チャン弁護士「申し訳ないっておまえが何を申し訳ないんだ?チョン・ソンイさん答えてみてください。ウチのミンジュンが強引に手を引っ張って連れて行きましたか?」

ソンイ「違います。わたしが行こうってせがみました」

チャン弁護士「これ見てくださいよ」

ミヨン「それならト・マネージャー答えてみて。うちのソンイと結婚するつもりなの?」

チャン弁護士「いまなんておっしゃ・・・」

ミヨン「何よ?どうして答えられないのか?もしかしてそんな気持ちもなしに旅行に行ったの?・・・今後息子の看守をお願いするわ。未来に対する計画もなくこれはないと思うのですが?」

チャン弁護士「わたしが息子の看守をしなかったとおっしゃるのですか?こいつはですねチョン・ソンイさんに会う前には女にあったこともまったくないやつですよ。この純真な奴をチョン・ソンイさんがそっと誘っておいて近頃まったくしなかったことをして過ごしてるという話です」

ミヨン「うちのソンイが誘うって何を誘うのか・・・あんた、あんたが誘ったの?」

ソンイ「ええ、わたしが誘うには誘ったわ」

表情だけでこの馬鹿娘がという顔をするミヨン。

そこでミンジュンが話し始める。

ミンジュン「違います。孤掌難鳴と言って手の平も合わさってこそ音がするのではないですか?それは一方のあやまちでなくさらに男であるわたしの誤りを恨むお母さんの気持ちは十分理解します。 恐れ入った心境です」

ミヨン「息子さんお幾つだって?」

こうしてこの場はお開きになる。

瞬間移動失敗

チャン弁護士「結局行かないとおっしゃったと?」

ミンジュン「はい」

チャン弁護「わたしももうわかりません。どうなるのやら。死ぬかもしれないのに。けれどここにいたいとおっしゃるのに。いやまあ考えてみたら死なない人がどこにいますか?みんな同じです。そう考えていきす。ところで体におかしいことがあったりすることはありませんか?」

部屋の枯れかかっている植物を見るチャン弁護士。

ミンジュン「それは・・・いいえ大丈夫です」

その後一人で食事をするミンジュン。

テーブルの上のポットを引き寄せようとするが動かない。

ミンジュン「あまりに遠いのか?」

カップに水を入れて置く。

そして席につきカップを動かそうとする。

水面が揺れるだけでカップは動かない。

ミンジュン「あまりに重いのか?」

今度は紙コップを動かそうと実験をする。

少し動いてポトッと床に落ちるだけだった。

今度は書斎にある機械時計の前で時を止めようとする。

それはなんとか止めることができた。

するとソンイの部屋からミンジュンを呼ぶ猫なで声のソンイの声が聞こえてくる。

ソンイ「ト・ミンジュンさん、ト・ミンジュンさん、わたしの話聞こえる?わたしの言ってる言葉が聞こえる?あるじゃない?会わないのがどのぐらいになってまた会いたいのかな?・・・あるじゃない?わたしのそばに瞬間移動で来てくれてはダメ?ねえ?ねえ?ねえ?ト・ミンジュンさん!」

その様子を覗くミヨンとユンジェ。

ソンイ「どうして答えないの?わたしをからかってるんでしょ?どうして答えないの?しないで〜しないでしないでそうしないで〜」

アホ丸出しで阿波おどりのような仕草のソンイ。

顔を見合わせるミヨンとユンジェ。

ソンイ「わたし今ト・ミンジュンさんがわたしの話を聞いていると思ってはどれだけときめくか分かる?ん?ん?ん、ん、ん?」

※ここまでギャグコンサートのオ・ナミの芸風

ソンイが狂ったと思いながら見ているミヨンとユンジェ。

ミンジュンの書斎。

ソンイの声「ねえ?来ないの?待ってるのに」

ソンイの声が聞こえる。

LINEをオープンする。

ミンジュン『わかった今行くよ』

メールする。

ソンイ「わかった、すぐに来て!」

回転ドアに手を当て瞬間移動しようとするミンジュン。

けれどただ通り抜けただけだった。

ソンイ「なにしてるの?どうしてこないの?わたし待ってるのに」

ミンジュン『ちょっと待っとけ!』とメールするミンジュン。

ソンイ「わかった」

もう一度試みる。

今度は移動したがスリッパが片方脱げた状態で道路に出て轢かれそうになってしまう。

ソンイから電話がかかる。

ソンイ「何よ来ないの?」

ミンジュン「あ〜、行けないようだ」

ソンイ「どうして?まさか瞬間移動もできないの?」

ミンジュン「できないという以上にこの状況が・・・そうだ・・・」

電話を切るミンジュン。

片方裸足となった足を気にしつつ小走りに帰っていく。

激怒するイ会長

フィギョンの帰りを待つ両親。

イ会長はかなり起こっている。

フィギョンが帰ってくる。

いきなりフィギョンに『狂ったやつ』と言い頬をひっぱたく。

イ会長を止めるフィギョンの母。

会長「おまえが今何てことをしたか分かるのか?わかってしたことなのか?」

フィギョン「父さん、兄さんは姉さん(兄嫁)を7年もの間監禁してたんだ」

会長「兄嫁?誰がおまえのの兄嫁なんだ?その女はわたしがおまえの兄さんに与えたおもちゃだ。おまえの兄さんが好きだと言って我が家に入れたものなのだ。その狂ったのが何かおまえの兄さんに障るようなことをしたんだろう。それでもおまえの兄さんを検察に呼ばれるようにし向けて?おまえの兄さんがどんな人なのか!?」

フィギョン「兄さんがどんな人なのかそれを知るためにそうしたんです。兄さんがどんな人なのか何て事をしたのか、他人ではないわたしが知らなければならないって」
会長「出て行け。もうわたしにとって息子はジェギョン一人しかいない。わたしの息子としてのおまえの権利は今日からなかったコトにするから出て行け、出て行け、出て行け!」

ジェギョンの取り調べ

弁護士を伴ってチェギョンが出頭している。

すべての発言は代わりに自分がするという弁護士に対して弁護人参与権は認められないと答えるユ検事。

だがジェギョンは参考人だと反論する弁護士。

監禁被害者が被疑者としてジェギョンを指摘したんだとパク刑事。

ヤン・ミンジュの2002年から2004年までの精神科の記録を見せる弁護士。

この期間はジェギョンとの結婚期間だ。

こんな状態の人の弁を信じるには無理があると弁護士。

パク刑事はそれは10年前の記録だと指摘し昨日のものだと言いミンジュの精神科の診断書を読み上げる。

ストレスを受けているが証言が出来る正常な状態だとの内容だ。

見えるでしょと相手方二人に見せる。

それでも監禁は病院の問題だと言い自白しないジェギョン。

パク刑事はもっと準備しているのだとミンジュがハヌル精神病院からジェギョンの個人電話に通話した記録を見せる。

どう説明するんだとパク刑事。

変な電話がかかってきていた、それが精神病院からだと考えもしなかった。それが自分の過ちなのか?と答えるジェギョン。

結局明確な証拠が無いため被疑者としての尋問は無理だという弁護士。

ユ検事はミンジュとジェギョンの証言が食い違っているため対面尋問をしたいが同意するかとジェギョンに問う。

同意するが前妻はどこにいるのかと問うジェギョン。

それは言えないとユ検事。

セミの家に匿われるミンジュ

ヤン・ミンジュはユ検事の家でかくまっていた。

セミ母「そうだからといってあのように知らない人を家に連れてきてどうするの?わたしたちが危なくなるなんてこと無い?」

セミ「母さんは・・・どうして知らない人なのよ?ジェギョンオッパの奥さんなのに。母さんも結婚式に行ってたじゃない」

母「精神病院にいた女性だって・・・」

セミ「お兄ちゃんの事件の証人じゃない。それに無念にも閉じ込められてたって話聞かなかった?」

母「フィギョンのことだからってまったく」

ハンギョンとの思い出

漢江のそばに車を停めるフィギョン。

そして自分の卒業式の前日のことを思い出す。

上の兄ハンギョンとの会話だ。

ハンギョン「おいどうしてこんなに遅いんだ?兄さんはしばらく待ってたじゃないか!」

フィギョン「オレのソンイが明日卒業式じゃないか。フラワーセレモニーしないと」

ハンギョン「おまえもするじゃないか、卒業」

フィギョン「それの何が重要なんだ?オレの女が卒業するのが重要だろ」

呆れるハンギョン。

そして卒業祝いを渡す。

フィギョン「なんだこれ?」

箱を開けるフィギョン。

フィギョン「ボールペン?」

落胆する。

ハンギョン「ただのボールペンじゃなくて録音できるペンだ。ちょっと見てみろ」

そして『フィギョン卒業おめでとう、おれの弟』と録音する。

喜ぶフィギョン。

ハンギョン「兄さんはこれ日記のように使ってるんだ。おまえもその都度思いつくことをメモとして使えば助けになるはずだ。あ〜こいつなんだかんだと卒業か。まったくよく大きくなったな」

フィギョン「あした卒業式に来るよな?」

ハンギョン「あたりまえじゃないか!」

そして約束の儀式をして笑い合う。

すでにの涙目のフィギョン。

ハンギョンからもらったペンを取り出し声を聞き更に悲しむ。

ウエディングドレス

翌朝。

起床して布団を動かしてみるミンジュン。

うまくいく。

次にスリッパを動かしてみる。

それもうまくいく。

喜びを抑えきれずソンイに電話するミンジュン。

ミンジュン「どこだ?」

ソンイ「どうして?」

ミンジュン「ただ、朝だから朝食を食べるかと」

ソンイ「どうしよう。わたし急ぎの用ができて外にちょっと出ているのよ」

ミンジュン「急用ができたのならわたしに話さないと。一人で出かけてるのか?」

ソンイ「友達と来たの」

ミンジュン「友達って誰だ?イ・フィギョン?」

ソンイ「いいえ、いるのよ。あとで電話しましょ」

ミンジュン「そうだな。家に戻る前に電話・・・しろ・・・」

ソンイに電話を切られてしまう。

ミンジュン「なんだ?チッ!」

ポットとカップを超能力で移動させ水を飲む。

ミンジュン「見せてやろうと思ったのに・・・」

ソンイはウエディングドレスを着ていた。

一緒にいるのはホン社長だ。

ソンイ「どう?グラビアの時と感じが違うわね」

ホン社長「ところであんた、これって同意してからこんなことをしてるの?わたしが見るにそちら(相手)はしっかりとした気持ちが無いのに、あんただけがキムチの汁をイッキしているようよ」

ソンイ「合意したのも同じことよ」

ホン社長「どうやって?」

ソンイ「うん、本来その人遠くに行こうとしてたんだけどわたしのために諦めたのよ」

ホン社長「どこに?」

ソンイ「そこまで知らなくても」

ホン社長「それでいかなくてもいいの?その人は」

ソンイ「いいから、行かないって言ったんでしょ」

ホン社長「いや、そちらの立場で行かなければならない理由があるから行くと言ったんじゃない?もしかしてあんたが泣いて喚いてジメジメとすがって行かないのってダメなのと言って、行くのなら会わないと言って、そんなんじゃなくて?」

まさにその通りだったが『まあ別に』とソンイ。

ホン社長「そうなんだね。ちゃんと確認してみて。行かなければなにか不利益のようなものはないのかあんたに良くしようと前途蒼々たる青年の人生をこんがらがらせることもあるのに。それにこんなのを着てみようとするなら先に男性と合意をちょっと得て、そちらに結婚の結の字でも取り出せば始めろって話よ。は〜あの時から感じてたんだけどあんた本当に自尊心がないようよ。まったく・・・」

返す言葉もないソンイ。

似たもの姉弟

ユンジェ「ヒョン(兄さん)、オレ話があってきたんだけど」

ミンジュン「入れ」


ユンジェ「単刀直入に話すよ」


ミンジュンが座る前に話し始めるユンジェ。


ユンジェ「オレはヒョン気に入ってます」


ミンジュン「ああ・・・ありがとう」


ゆっくりと座るミンジュン。


ユンジェ「母さんが問題だけど母さんはオレが何とかするよ。3年の間は家出しないと念書を書いてくれるとか、まあそれで受け入れらるような気もして。それで許可されるかも しれません」

ミンジュン「何を許す?」

ユンジェ「二人の結婚だよ」

ミンジュン「えっ?」

ユンジェ「オレは大きいことは望まないんです。 人一人だけ見ようという主義です。それでヒョンは星を愛する純粋さを持ってるじゃないですか。その部分がオレをひきつけたのでしょ」

参ったと首元をさする。

ミンジュン「どんな話なのかはわかったけどユンジェ・・・」

ユンジェ「代わりに!男対男で約束してください。うちの姉一生幸せにしてくれると。うちの姉苦労を本当にたくさんしました。父さんは家を出て行ったでしょう。母さんは正気を失ったでしょ。うちの母さん一時、金に気を取られてうちの姉を非常に辛くしたんです。姉の目に涙だけを流させないでください。そのような意味でオレは『合格!』差し上げます!」

ミンジュン「チョン・ソンイが自分の言葉だけ言って通しているのはどうしてなのかと思ってたが二人はよく似ているな」

ユンジェ「ところでもう一人とも会わなければならないようです」

こうして二人はソンイの父に会いに行く。

ソンイの父の話

態度の悪い小金持ち風な男がソンイの父に駐車しろと鍵を投げる。

運転担当がトイレに行っていて自分は運転が苦手だとソンイの父が言ってもお構いなしだ。

ゴタゴタ言わずにしろ、給料もらってて遊んでるのか?クビにすることも出来るぞ!と言う男。

その様子を目にしたユンジェは怒り心頭でその男に駆け寄ろうとする。

するとその男の車が急に動き始める。

もちろんミンジュンがやっているのだ。

誰も乗っていないのに動く車に驚く4人。

途中でミンジュンの力が切れて車は止まる。

キーを拾いその男に差し出す。

ミンジュン「駐車も人の手に任せるほどしか運転の実力がないのなら車を持ち歩くことを考えなおしてみるのもどうだろうか?」

男「なに?はっ、まったくツイてない・・・」

ミンジュンは再び力を使い車をパンクさせる。

ミンジュン「本当にツイてないことが起きたな・・・どうしよう」

キーを返すミンジュン。

中華料理屋に場所を変える3人。

父「あの時エレベーターの中で・・・そうだろ?」

ミンジュン「はい」

父「知っているだろうがわたしは資格のない父なんだ。それにもかかわらず一つだけ聞きたい。きみは健康なのか?」

ミンジュン「はい」

父「それならいい。わたしが生きてみると金も別に必要でなくて名誉があったこともすべて過ぎ去れば終わりで健康しかなくて。健康ならば自分の人を守ることができる。その時それを分からなかった。金もなくなって名誉も地に落ちたからわたしはもう自分の人を守ることができないとだけ考えたんだ。愚かだったろう。それにもかかわらずそばに居てやらなければならなかったのに。一緒にいてやらなければならなかったのに。今になって見ると過ぎ去ったその時間をどこかで補償を受けることができない。君が生きながらどんなことがあったとしてもわたしのソンイのそばに居られるのでさえあればわたしはほんとうに有難いだろう。わたしがすることのできなかったそのことを君がするのならば・・・」

涙ぐむ父。

『さあ、一杯飲んで』と乾杯する二人。

所在のないユンジェ。

瞬間移動

千鳥足のミンジュンを支え歩くユンジェ。

しばらく歩いているようで『兄さん風邪をひいてはダメなのに』とミンジュンの胸元を閉じようとするユンジェ。

この時点ですでに義兄と呼んでいる。

ミンジュン「あ〜、来た」電話ボックスに入り込むミンジュン。

かなり酔っている。

ユンジェ「ちょっと気を確かに。30分もっと歩かなくちゃ。ここにどうして入らなきゃなんないんだよ?義兄さん?」

ミンジュン「ヘヘヘ」

ドアを閉めるミンジュン。

その刹那二人はソンイの家のソファーに瞬間移動していた。

ユンジェ「ヒョン、ミンジュンヒョン!これってどうなって・・・」

酔っぱらいミンジュンはペットボトルを浮かせて手繰り寄せ水を飲み寝入ってしまう。

声も出ないユンジェ。

ソンイ「何よ?いつ帰ってきたの?」

ユンジェ「ああ、たった今」

ソファーの前に回りミンジュンが居ることに気づく。

ソンイ「何よ!ト・ミンジュン!一日中連絡もなかったのに、ここに。あんたト・ミンジュンさんに何をしたの?あんたもしかしてト・ミンジュンさんにつばを吐いたの?」

首を横に振るユンジェ。

臭いをかぐソンイ。

ソンイ「お酒を飲んだの?」

黙って頷くユンジェ。

ソンイ「あ〜ホントに。あ〜生きてけない」

ミンジュンを引きずっていこうとするソンイ。

ユンジェ「どけよ!オレのミンジュンヒョンはそんな扱いを受ける方ではないだろ!」

ソンイ「なに?」

ユンジェ「これ以上聞くな。何も言わないぞ。ミンジュンヒョン!」

ミンジュンを抱き上げて運ぶユンジェ。

呆れるソンイ。

ET

目が覚めて昨日のことを思い出すミンジュン。

そこにユンジェが入ってくる。

ユンジェ「し〜」

ミンジュン「ユンジェそれは・・・」

ユンジェは無言で人差し指と首を横に振る。

ユンジェ「秘密守るよ、必ず」

小声で言う。

ミンジュン「ああそうか・・・ありがとう」

ユンジェ「一つだけお願いしていいですか?」

人差し指を差し出すユンジェ。

ETのポーズだ。

ミンジュン「何をしようというんだ?」

それでも無言で指を下げないユンジェ。

ミンジュン「誤解があるようなんだがわたしはそんなのじゃないんだ」

悲しい顔をして『んん』と首を横に振るユンジェ。

仕方なく人差し指を差し出すミンジュン。

こうしてETのポーズが完成する。

光熱費と家賃

朝からごちそうを用意するソンイ。

まずはスープを口にするミンジュン。

ソンイ「どう?どう?」

ミンジュン「スープは作るな。二度と」

ソンイも口にしてみる。

まずい。

ソンイ「ト・ミンジュンさん管理費いくら出てる?」

ミンジュン「どうして?」

ソンイ「まあ冬だからそうなのかな?わたし電気代やガス代がとんでもなく出てったわ。近頃電気代が何?累進税そんなものとして?とんでもなく出てるじゃない?そして今度は家賃なのよ。管理費に家賃も払うからお金が漏れていくのが冗談ではないのよ」

頷いて聞くミンジュン。

遠回しに一緒に住みたいというソンイ。

ミンジュン「急なお金がちょっと必要なのか?」

ソンイ「いいえそうじゃなくて、すぐ隣なのにご飯もこうしてしばしば食べて寝るのも・・・まあそうなのに管理費に家賃までこれが浪費ではなくて何かと思うのよわたしは・・・」

ミンジュン「なんだって?話をちょっと分かるようにしろよ!」

ソンイ「あ〜知らない、結構よ!」

ご飯に八つ当たりをしながら食べるソンイ。

鈍感なミンジュン。

ミンジュン「夕食そこに行くか?」

ソンイ「え?どこ?」

ミンジュン「南山タワー。行きたいって」

ソンイ「そうする?それなら綺麗にして出るからわたしのト・ミンジュンさんも最高にかっこ良くしなきゃね」

ミンジュン「なにを今更・・・」

笑みを浮かべるミンジュン。

ソンイも笑みが止まらない。

新しいスーツを選びに行くミンジュン。

ミンジュの話

セミの家のやって来るフィギョン。

セミ「私の部屋にいらっしゃるわ。朝食にはおかゆもよく召し上がって」

フィギョン「おまえにしきりにすまないということばかりできるな」

セミ「いいえ、熱血検事のお兄ちゃんが自分の証人を守ろうとしてまあ。あなたに関係のないことよ。気にしないで!」

ミンジュ「ジェギョンさんと結婚生活をするときもなにか変だという思いはずっとしていたの。誰が見ても立派な人だったけど何かいつも隠しているようだったのよ。けれど偶然に見つけてはならない物を見つけてしまったの。亡くなった上のお兄さんの部屋でボイスペンを発見したのよ」

フィギョン「そこになにか録音されていたのですか?」

黙って頷くミンジュ。

フィギョン「もしかして上の兄さんに関連することですか?」

ミンジュ「ジェギョンさんはそんな物があるという事実をしらないわ。ジェギョンさんが知るかと他の場所に預けたのよ。その時に直ぐに警察に届ければよかったのに・・・すべてわたしの誤りです。わたしがすごく怖くて」

フィギョン「どこにあるのですか?ボイスペン」

ボイスペン

ミンジュの話を聞いた後質屋に行くフィギョン。

ハンギョンのボイスペンを受け取り漢江へと行きその録音を聞く。

ハンギョン『2002年2月23日。朝にはチーム長級会議に出席して午後はフィギョンの卒業プレゼントを買いにデパート。夕食はジェギョンが耳に入れたいことがあると言ってドライブに行くことにした』

ノックしてフィギョンが入ってくる音。

フィギョン『兄さんジュース飲んで。小さな兄さん(ジェギョン)が持ってけって』

ハンギョン『なんだ、ありがとう!』

フィギョンのおしりを叩きジュースを飲むハンギョン。

フィギョン『あ〜、オレ友達に会いに出て行くし母さんと父さんも集いがあって遅れるって』

ハンギョン『そうなのか?オレも今日ジェギョンと出かけるんだけど今日のウチは空だな!』

ジェギョン『兄さん、出かけよう』

ハンギョン『そうなんだけどジェギョン。おれさっきから体がちょっと良くないんだ』

ジェギョン『どうして?』

ハンギョン『わからない。どうしてこうも酔っったような気分に・・・なるのか・・・』

ジェギョン『酔ったんじゃなくて麻痺してきたんだ兄さん』

ハンギョン『なに?』

ジェギョン『手足に力がなくなってまともに歩くのが難しくなって呼吸が息苦しくなって舌が麻痺することで結局眠りに落ちるんだ』

ハンギョン『おまえ今何を言ってるんだ?』

ジェギョン『そして高速道路の真ん中で発見されることになるんだ。飲酒運転で死亡することになることだよ』

ハンギョン『ジェ、ジェギョン!』

ジェギョン『随分前から兄さんがいなければという考えをしていたんだ。あまりにも邪魔だったんだよ。父さんはオレが兄より遅く生まれたという理由だけでオレにどんな機会も与えなかったんだ』

ふらふらと立ち上がりながらも床に倒れるハンギョン。

その時にぶつかられた肩を払うジェギョン。

ハンギョン『助けてくれジェギョン・・・ハァ、ハァ・・・』

涙を流し震えながらその録音を聞いていたフィギョン。

南山タワーへ

南山タワーに行くためにソンイを待つミンジュン。

ミンジュン「トランクちょっと開けてみる?」

ソンイ「えっ?トランク?わかったわ!」

意気揚々として開けてみるが中にはソンイが想像したものは何もなかった。

ミンジュン「そこにブラシがあるだろ?ブラシちょっと持ってきてくれるか?」

怒っておもいっきりトランクを閉める。

ソンイ「自分の手がないの?足がないの?」

ブラシを渡す。

ソンイ「いや自慢の超能力を持ってるのにどうして人にさせるのよ!」

ミンジュン「乗れ」

南山タワー。

『チョン・ソンイじゃないの?』『恋人か?』と周りが噂している。

ソンイは自分とミンジュンの名前を書いた錠をフェンスにはめて鍵を掛ける。

※恋人同士の有名な願掛けの場所

ソンイ「何よ!こっちに来て」

ミンジュンを引っ張る。

ソンイ「ここは始める恋人の必須コースなんだって」

ミンジュン「まったく子どもたちがすることを」

ソンイ「こうして」

ミンジュンの手の平にキーを握らせる。

ソンイ「こっちに来て」

キーを投函するポストにミンジュンを誘うソンイ。

ソンイ「これをここに置いて」

ミンジュン「それなら後にどうやって開ける?」

ソンイ「開けないように締めるんでしょ。わたしたちの縁がガチガチに置いておかれるから絶対にはずすなって。永遠の従属、完全な拘束、まあそんなのでしょ」

キーを入れるように促すソンイ。

投函するミンジュン。

ソンイ「ガチャン!ト・ミンジュンさんもうわたしに釣られたのよ。わたしたち完全に結ばれたわ・・・どうして嬉しいようではないの?」

ミンジュン「いいや、いいぞ」

ソンイ「なによ!わたしはチョン・ソンイなのに。ト・ミンジュンさんすごくナイーブなんじゃないの?ダメよ〜ちょっと積極性に目覚めてくれる?」

笑うミンジュン。

ソンイも笑う。

レストランで

食事中。

バラとアイスクリームが運ばれてくる。

『ここ』と手を挙げるソンイだったがそれは隣のテーブルのものだった。

『ハニー』と言って喜ぶ女性。

しかもアイスクリームから指輪が出てくる。

そんな様子をフリーズしたまま見ているソンイにウェイターが声をかける。

しかたなく『冷たい水ある?』とぶっきらぼうに水を頼むソンイ。

ソンイ「食事全部食べた?」

ミンジュン「まだ」

ソンイ「早く食べて行きましょ」

機嫌が悪い。

ウリチブ

帰りの車でため息をつくソンイ。

ミンジュン「何か気分が悪いことでもあったか?」

ソンイ「いいえ、鍵も締めて食事もよく食べたのに気分が悪くなることが何があるのよ?」

ミンジュン「チョン・ソンイ」

ソンイ「はい」

そこでミンジュンの電話が鳴る。

ミンジュン「わかった、今行く」

ソンイ「誰なの?」

ミンジュン「用事がちょっとできた。先に行っててくれ」

車を止めるミンジュン。

ソンイ「わたしだけ?」

ミンジュン「家に行っていろ。おまえの家じゃなくてわたしの家」

ソンイ「わたし(たち)の家?ト・ミンジュンさんの家?」

笑みが蘇るソンイ。

ミンジュン「そうだ。必ず話がある」

ソンイ「そう、わかったわ」

ソンイの手を握る。

ミンジュン「チョン・ソンイ、すぐに行くよ。待ってろ」

ソンイ「そう、わかった。待ってるから早く来て」

日記帳

テレビを見ながら暇をつぶし、その後は書斎に行きミンジュンの日記を読み始めるソンイ。

その頃ミンジュンは車を飛ばしていた。

日記帳の文章。

『新しい運命が始まっている。400年も待ち望んだ彗星。3ケ月後わたしはわたしが来た惑星に戻れるようになった』

『酒に酔った女。酒癖のある女。傍若無人で無知な女。まさに嫌いだ。お隣りにそのような女が引っ越してきた』

『忘れられたくない一人ができた。もうすぐ他の世界に行かなければならない、よりによってこの時に?』

『わたしは今日チョン・ソンイを失うためにわたしの正体を彼女に話した。彼女がわたしから逃げてくれるのを、わたしを恐れてくれるのを願いながら』

『今回戻る機会を逃すことになるならばわたしはもしかしたらここから消えることになるだろう。遠からず・・・死ぬことになるだろう』

行かなくても大丈夫かと尋ねたた時に『大丈夫』と言っていたミンジュン。

ほんとうに大丈夫かと再度尋ねなおしても笑みを浮かべて頷いていたミンジュン。

ソンイはこの時初めてミンジュンが死ぬことを厭わずに地球に残ることを選択したことを知る。

それも自分のために。

もう一度日記帳に目を落とすソンイ。

『遠からず・・・死ぬことになるだろう』

日記帳を抱えて涙するソンイ。

第18話エピローグ

店員『目上の方に挨拶をしに行かれるのですか?それともまあ試験の面接?』

少しイジイジしながら。

ミンジュン『プロ・・・ポーズ』

その後指輪も買いに行く。

家に帰り鏡の前に居るミンジュン。

『チョン・ソンイ、ソンイさん、ソンイ!』

色々なバリエーションでソンイを呼ぶシミュレーションをする。

指輪をボックスごと投げ『おまえがしろ』とやってみる。

ミンジュン『あ〜これじゃない』

待ち合わせの際。

ミンジュン『トランクちょっと開けてみる?』

ソンイに開けさせたあと時を止め用意していた風船やタペストリーなどのイベントグッズをすべて片付けてしまった。

ソンイ『食事全部食べた?』

ミンジュン『まだ』

ソンイ『早く食べて行きましょ』

そんな会話をした時もミンジュンはポケットから指輪を取り出そうとしていた。

ミンジュン『チョン・ソンイ。わたしがいつまでおまえのそばで生きていられるかわからない。だから今のこの言葉は言ってはいけないのかも知れない。だけど最善をすべて尽くすよ。おまえのそばに末永く居ることが出来るように。その時間がどのくらいになるかわからなくても最善をすべて尽くしておまえを愛するよ』

鏡の前で練習したこの言葉。

レストランでは言えなかった。

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