星から来たあなた
第14話

回想。

博物館で。

ミンジュン「わたしは400年前に外界からここに来てこの地で400年生きてきた。12年前その時おまえを救ったのはわたしだ。400年前のその子、この簪(かんざし)の主人のその子に似ていたから。けれどおまえがただチョン・ソンイというだけであれば・・・わたしは関心がない。行け!!」

氷った池の上で。

ソンイ「ほんの一瞬でもわたしを好きだったことはなかった?わたしのせいでときめいたとか・・・本気でわたしを心配したり?その女性とは関係なくただわたしが好きだったことが本当に一度もなかったの?」

ミンジュン「なかった。ただの一度も」

地下駐車場で。

フィギョン「オレのソンイが嫌いなのか?でなければ何か他の理由があるのか?」

ミンジュン「チョン・ソンイをおまえの兄から守れ」

ミンジュンV.S.ジェギョン。

ミンジュン「おまえが求めてるのはこれか?」

USBを見せる。

ミンジュン「これさえ差し出せば止まるのか?」

ジェギョン「誰が恐れもなくオレに命令するんだ?必ずおまえを殺してやる!」

ミンジュンが車に轢かれたあと。

チャン弁護士「ウチのミンジュンはすぐ去ります。ひょっとして気持ちがあればここらで整理するのが良いようです・・・」

ミンジュン「わたしが唯一することができるのは良くしてあげることではないかと思います」

ジェギョンへの提案。

ミンジュン「提案をしようと来た。すべてをわたしが抱いて消えてくれと望むのではないか?そちらが望むことをわたしがしよう」

書斎での号泣。

ミンジュン「去る日が近づいているのだけど気分がどうかって?」

落下事故。

撮影現場。

ソンイが高い所からダイブする。

滑車が外れバランスを崩すソンイ。

救急車が2台。

手術中。

とあるメディアでは連絡を受けた記者が『本当か?死んだのか?大変だ!』と言っている。

すぐにPCに『速報:俳優チョン・ソンイが撮影中落下負傷、生命危険』と打っている。

取調室に一人座るチャン弁護士。

『狂われた、狂われた』と独り言を言っている。

ミンジュンの復讐。

ソンイのことが書いてあるネットニュースを見てほくそ笑むジェギョン。

そこにミンジュンが風とともにいきなり現れ、装飾品を破壊し瞬間移動も見せる。

驚くジェギョン。

ジェギョン「なんの用だ?今頃検事に会っていなければならいんじゃないのか?我々の約束通りするなら」

デスクの下の非常ボタンを探り押そうとするジェギョン。

そのデスクごと吹き飛ばすミンジュン。

続いて瞬間移動してジェギョンの胸ぐらをつかみ宙に浮かせる。

ミンジュン「わたしがどうすると思う?」

ジェギョンが薄ら笑いを浮かべたかと思うと次の瞬間には屋上にいた。

笑うしかないジェギョン。

手すりの際まで移動する。

ミンジュン「おまえを殺してやるぞ」

ジェギョン「オレを?おまえが?恐れも知らずおまえが?」

ミンジュン「そうだ、わたしがおまえを今」

手すりを壊しジェギョンを離せば落下するところまで持っていくミンジュン。

相変わらず胸ぐらをつかんだままだ。

続けて。

ミンジュン「おまえがチョン・ソンイにしたように同じ方法でおまえを殺してやる」

ジェギョンを宙に浮かせ『死ね!』と叫ぶミンジュン。

事件の一週間前。

キャンパスを歩いているチャン弁護士。

学生が勢いよくぶつかる。

チャン弁護士がかばんを落とした隙にその学生は盗聴器を取り付ける。

その後のミンジュンとチャン弁護士。

チャン弁護士「もしかして記憶を消すというのはダメですか?」

ミンジュン「はい?どんな記憶を消すのですか?」

チャン弁護士「いや、映画を見るとそんなのがあるのにまあ外界人が何かツボのようなものを押せば人々の記憶が全て消されてそんなの。そんなのはダメですか?」

ミンジュン「映画じゃないですか」

チャン弁護士「いや、時間を止める能力もあり念力もありやる気なら全部できる方がどうしてそれがないと?本当にないんですか?」

ミンジュン「ありません!」

チャン弁護士「たしかにまあいまはあった能力もいつ消えるかわからないしなるときはなるし、ならない時はならないしいまは運次第でしょう。超能力も。これもまあ不安で」

ミンジュン「唯一することができるのは良くしてあげることではないかと思います。わたしはもうここでできることはないですから。わたしがしてあげられることをして・・・」

チャン弁護士「先生がしてあげられることが何なのですか?なんですか?なに?」

一連の会話はジェギョンに盗聴されていた。

立ち上がり何処かへ移動しようとするミンジュン。

チャン弁護士「万が一にもそんな考えをしているのではないでしょ?それはダメです。もしも先生の能力で誰かを殺したらその時は・・・」

念を押す。

このチャン弁護士の言を聞き。

ジェギョン「そうだったのか?そんなのがあるのか!そんなのがあるのだな」

ひとりほくそ笑む。

そして『ト・ミンジュンに会わなければ』と部下に電話する。

ジェギョン「そちらがした提案考えてみた。すべてのものを抱え消えるとくれると言ったな?悪いことではないなと。実はオレもだんだんに面倒になっていたんだ。約束さえ守ってくれるならオレもここで全てする理由はない。オレは失うものが多い人間なんだよ」

ミンジュン「もしおまえが約束を破ったなら・・・」

手を上げてミンジュンの言を制止させる。

ジェギョン「オレはおまえが特別な人間だということを知っている。何度か見せてくれたじゃないか。どうにかして消してみようとしたんだがそれもダメだということもよくわかっている。訳もなく触れてつまらないことは明らかに分かってるのにオレがどうして?オレはそんなに幼くはない」

ミンジュン「約束を破ったならおまえをわたしの手で消すぞ。わたしがそうできる人間だということはおまえの言うとおり何度か見せてやったから。よく分かるはずだ」

ジェギョン「ああ、よく分かる」

フィギョンの両親の話。

フィギョンが帰宅するとリビングで両親が話しをしていた。

フィギョンがこの前話していたチェゴンの前妻の消息を、会長に尋ねている母。

わたしがどうして知っているのかと会長。

離婚する前に彼女がジェギョンのことを怖い、わたしを助けてくれと言っていたのだ と母。

孤児同然のやつが恐れも知らず誰を怖いというのかと怒る会長。

母「あなたはそうじゃないの?わたしは自分で産んだ子なのだけどジェギョンが難しいんです。何一つ文句のつけようがないんだけどなんだかフィギョンとは違って気を使って・・・」

会長「フフフ、それだからジェギョンがわたしの後継者だというのだ。あいつはリーダーの性向をもって生まれたやつだ。フィギョンとは違う」

母「わたしは幼い時のあんなことなどがまだ心に引っかかって・・・」

会長「いつの話をしてるんだ?その話は口外もするなと言っただろう!」

頃合いを見て入っていくフィギョン。

ただいまの挨拶をして休んでくださいと両親に言う。

そして次の週末に長兄の墓所に行こうと思うが時間はあるかと問う。

返事を濁す会長。

母は一緒に行こうという。

何か事情があるようだ。

事故3日前。

ハヌル精神病院へ行くフィギョン。

フィギョン「患者の中にヤン・ミンジュさんは?」

受付に問うフィギョン。

受付「そんな方はいらっしゃいません」

フィギョン「この病院、患者は何人でしょう?」

受付「えっ?それをどうして?」

フィギョン「いやここは大きな病院のようで。けれど名前を聞くやいなや探しもしないでそんな人はいないと言うなんて、頭がすごくいいようですね?」

受付「あ・・・なんとおっしゃられてるのか・・・とにかくそんな方はいないのでお帰りください」

うろたえる受付係。

フィギョン「はいそうなのですか、わかりました」

間違いなく何かあると気づく。

事故2日前。

セミ母「話を聞かれたでしょう?セミとソンイ、同じ映画を撮るということ」

アン代表「はいお母さん、ウチのセミがソンイを導いたと」

セミの母はセミが優しくてそうするんだ、ソンイがセミにしたことを考えたらどうしてそんなことができますか?と娘を褒め称える。

アン代表はそれに異を唱えソンイもいつもセミと一緒にするとばかり言っていてセミを出さないなら自分もやめると言いまくり、自分を困らせたんだと言う。

けれどそれは空気を読まない返答だった。

アン代表「すべて過ぎた話でしょう」

取り繕うアン代表。

気分を悪くするセミの母はセミに対して心遣いをしてくれという。

アン代表「今でもとても遣っているんですが」

セミ母「現場にウチのセミのスタッフたちをもっと送って、誰が見ても主人公であるように。チョン・ソンイとは明確に差異をつけて」

母をなだめようとするセミ。

けれどセミの母はついでに言うとセミに対してソンイとは?というような記事を今後出さないようにしてくれという。

アン代表もわかったろうからと母を止めるセミ。

話を変えるアン代表。

グッドニュースだと言い看板の件がうまく言ったと伝える。

検察庁に内通者。

ジェギョンとハン・ユラの携帯の通話が24日から27日までチョンピョンから発信されている事を確認するユ検事とパク刑事。

検察にはすでにジェギョンの手が及んでおり内部の者がジェギョンにチョンピョンが疑われていることを知らせる。

チョンピョンの別荘では内装の入れ替えが行われこれみよがしにミンジュンの住民登録証や大学の資料などが置かれる。

事故1日前。

ユ検事とパク刑事がチョンピョンの別荘に乗り込み捜査を開始する。

そこの管理者に話を聞く二人。

管理者はジェギョンは来てないという。

パク刑事が夏の休暇に来たはずだと言うと2km離れたところに会長の家族別荘がありそこを使ったのだという管理者。

ここは誰が使うのかとの問にジェギョンの客が使うと答える管理者。

ハン・ユラが来たことはあるかとの問いには聞かれてもないのに男と来たという。

パク刑事はミンジュンの写真を見せると『そうです』と即答する管理者。

夏に見たのにすぐにわかるとは記憶力がいいと笑いながら言うパク刑事。

笑ってごまかす管理者。

帰りの車。

検事に影響を受けたようだと証拠が揃っているけど腑に落ちないのだという。

実は明日ト・ミンジュンが来るのだという。

ユ検事「自首すると言って」

パク刑事「はい。えっ?」

驚くパク刑事。

博物館で自分の写真を見つめるミンジュン。

場面は書斎に切り替わる。

ミンジュン「流れても流れても終わることのない時間を持っている時はただの一度もその時間が大切だという考えはしたことありませんでした。だけれど・・・」

ベッドで寝るソンイを見つめるミンジュン。

ソンイの部屋だ。

ミンジュン「今は一緒にすることのできるたった一日の時間を得ることができるなら持っているすべてのものを失っても関係ないと考えます。けれどわたしが持っているすべてのものを捨ててもそれを得ることができないという事実を今はよくわかります」

窓から入る冷気に起きるソンイ。

その後コートを着てベランダに出る。

自分の定位置だった向かいのビルの看板がセミに切り替わっている。

ソンイ「どういうことなの。ソウルの空にこんなに多くの星が出ている時もあるのね。ト・ミンジュン。あなたがほんとうにあの星の内の一箇所から来たの?ただわたしを嫌だと言わないで。星から来たとかそんな話どうしてして・・・のちにわたしは一生夜空を見るたびにあなたを思わなければいけないじゃない」

その話を部屋の中で聞いていたミンジュン。

ミンジュン「そしてわたしはまたわかります。愛する存在ができたら恐れもまたできてしまうという事実。守らなければならない人を守れないかもしれないとわたしは今怖いのです」

事故当日。

検察庁に出かけるために準備するミンジュン。

ソンイもまた撮影に行くためにメイクをしていた。

そこに電話がかかる。

撮影現場からだ。

準備ができたら出ようと思っているとソンイ。

スタッフは監督からの伝言だとアクションシーンなのでメイクはしないでくれという。

せっかく念入りにしていたのにそんなことを言われ『しないわ』と大きめの声で答えるソンイ。

ソンイ「するのかって?しません!」

Tシャツにコートを抱えて部屋を出るソンイ。

ソンイ「ちょっと服装がそれ何よ?メイクもあんたがするって。ダメよ、ショップに寄っていきましょ」

ソンイ「いいの、どうせあとで落とすんだからちょっとの間が何よ。ただ行きましょ」

ミヨン「車は?」

ソンイ「わたしが運転すればいいわ、なに?」

ミヨン「見てくれが悪いわそんなの。いやト・マネージャーは何をしてる人なのよ?」

玄関を出るとミンジュンがいた。

ミヨン「あ、ト・マネージャーいいところで会ったわ・・・もうウチのソンイを見ない・・・」

ソンイ「見ないわ」

言葉を遮るソンイ。

ミヨン「見ない?」

エレベーターが到着しソンイもミンジュンも乗ろうとする。

ソンイ「わたしが先に乗ってもいい?一緒に乗って行くの、お互い不便なようだから」

一歩下がるミンジュン。

いぶかしがるミヨン。

ミヨン「あんたどうしたの?喧嘩したの?わたしが別に呼んで話してみる?ダメのようね。わたしが呼んで一言サクッと言わないと」

サングラスを取るソンイ。

ソンイ「母さん、母さんがあの人に面倒を起こしたらわたしはあの人とさっと去るわよ。わたしがあの人をすごく好きなの。それで告白したのにフラれたの」

ミヨン「あんた狂ったの?いやフィギョンを置いて・・・」

ソンイ「だからわたしの気持ちを難しくたたんだから・・・」

ミヨン「あんた、泣いてる?あんたが男のせいで泣くの?」

ソンイ「ええわたし泣くわ。男のせいでジメジメ泣くわ。だから面倒をかけないであの人に。わたしたった今もすがりたいのをようやく我慢してるんだから」

ミヨン「あんた、狂ったのね」

ソンイ「ええ、わたし狂ったわ」

その会話を23階から聞いているミンジュン。

出頭。

チャン弁護士「狂ったのですか?どうして?どうしてそんな考えをされるのですか?」

ミンジュン「でなければわたしがイ・ジェギョンを殺さなければなりません・・・(驚き顔のチャン弁護士)殺すのか止めさせるのか2つに1つです。でなければチョン・ソンイが死ぬこともあります。チョン・ソンイが刑事にイ・ジェギョンとハン・ユラの関係を話しました。時間がないのです」

検察庁に入っていくミンジュン。

チャン弁護士「いや」

追いかけるチャン弁護士。

チャン弁護士「それなら一つだけ約束してください。絶対にそんなことはないということを。そんな人間ではないようなヤツのせいでわたしはほんとにそんなザマは見ません。約束してください。それだけでもしてください。ただ知らないふりをして行けというわたしの言葉を死んでもお聞きにならないじゃないですか?残りの時間平穏にしてただ行ってくださいということもお聞きにならないじゃないですか?これ一つだけでも約束してください」

ミンジュン「約束します」

チャン弁護士「約束しましたよ!ほんとにこの約束を破ればわたし先生と会いませんよ!」

すねて先を行くチャン弁護士。

ユ検事「これから仰ることは映像録画します。同意なさいますか?」

ミンジュン「はい、同意します」

ユ検事「始めてください」

ミンジュン「ハン・ユラさんが死亡した当日クルーズに映っていた人はわたしで合っています」

ユ検事「続けてください」

撮影現場。

ポムがソンイを気にしてカイロを持って行こうとする。

それに気づいたセミは台本の読み合わせをしたいと言いだしポムを引き止める。

セミ「いや?」

ポム「嫌だなんて」

ポム「bye 再見(ザイヂェン)、ターン」

『オオカミたちの挽歌風』のアドリブを入れるポム。

ソンイならうまく反応したのだろうがセミはそういったアドリブのジョークがわからない。

謝るしかないポム。

セミの様子を見て。

ミヨン「セミがどうしてあんたを推薦するのよ。もうあの子が主演ということよ。それをおまえの前で見せたいんでしょうよ」

毒づくミヨン。

セミの母にも優しいのかと思っていたらと牙を剥く。

ソンイ「母さんわたし台本を覚えなきゃ」

ミヨン「あんたの台本に何があるって覚えるのよ?」

台本を奪い取るミヨン。

ミヨン「たった3文字ね。と・ま・れ!」

台本を奪え返し。

ソンイ「アクションが多いじゃない!」

セミにロマンスは全部取られたわねとミヨン。

さらにイス一つも持ってこないの?と不平を言い続ける。

するとフィギョンがソンイの顔写真入りサービスカーを引き連れてくるまで乗り込んでくる。

到着してすぐソンイのイスなどの備品を用意させる。

ミヨン「やっぱり!」

ときめいているミヨン。

そして大量のケータリングも用意される。

ミヨン「いらしたんですねお母さん」

ミヨンに挨拶するフィギョン。

ミヨン「ええ、よく来たわね」

ソンイ「あんたがここをどうして?母さんが話をしたの?」

ミヨン「え?ええ、聞かれて撮影所はどこかって・・・」

伏目がちなミヨン。

ソンイ「これはすべて何?」

フィギョンは持ってきたジャケットを『風邪をひくぞ』とソンイの肩に掛ける。

嫉妬の眼差しのセミ母娘。

お金を使わせちゃってありがとうとすっかり上機嫌になりソンイが生き返ったわと言うミヨン。

フィギョン「そうしないと!チョン・ソンイが気が死んだら(それは)チョン・ソンイですか?」

ミヨンは食事振る舞わないと!とその場を去る。

事故直前。

フィギョンに対して。

ソンイ「まあ、ここまでするの?」

フィギョン「スタッフたちにオレのソンイが健在だとを魅せつけないとな。あそう、いっしょにする俳優は誰なんだ?」

ソンイの目線をたどりセミだと分かる。

セミはいたたまれなくなり出ていく。

フィギョン「セミなんだな、一緒にする俳優が」

ソンイ「うん・・・実はわたしも知ってるわ。セミが(あなたを)すごく好きなんだって?だけど雰囲気どうしたのだろう?」

フィギョン「少しでも早く気持ちの整理をさせてやらなきゃな」

ソンイ「わたしもそうしなきゃだったんでしょ?」

フィギョン「遅れたぞ、おまえは」

少し笑みを浮かべる。

フィギョン「今日はあれで吊るのか?」

ワイヤーシステムを指さすフィギョン。

ソンイ「うん、時間がいいなら見て行って。わたしが今日アクション映画の新しい歴史を書くのよ」

ふとワイヤーを準備するスタッフが目に入るフィギョン。

けれどミヨンが多くのスタッフを連れてきたために見失う。

ケータリングを楽しむスタッフたち。

けれどセミの母はご機嫌斜めで一人座っている。

ミヨンが食べたらどうだと声をかけるが結構よ!と答えるセミの母。

主演もおとなしくしているのに助演がしゃしゃり出てと不平を言うセミの母。

食べ物で人を釣ろうとしているのかとも言う。

初めてでよくわからないようだけどあなたの娘を本当に主演にする方法を教えてあげましょうか?余裕を持ちなさいと言うミヨン。

悔し涙を浮かべるセミの母。

フィギョン「おまえ怖くないのか?」

ソンイ「怖いことは怖いわ。けれどまあ最悪の場合死ぬほかないじゃない」

フィギョン「おいおまえ、チッ、それが言うことか?」

ソンイ「心配しないで、死なないわ。後で一緒に夕食食べましょう。わたしが美味しいものをおごるわ!」

アクション監督のアドバイスを聞きつつテストをするソンイ。

特に問題ないようだ。

スタント本番。

監督の緊張しろとの掛け声の後静寂に包まれる現場。

そして高所から飛ぶソンイ。

フィギョンはさっき気になっていた男を見つける。

兄の部下だと思い出す。

その刹那、ワイヤーシステムが壊れソンイはバランスを崩し壁にたたきつけられる。

続いて滑車が外れ落下するソンイ。

とっさにフィギョンが反応し落ちてくるソンイを抱えるが衝撃を受けて気を失う。

ソンイも気を失っている。

病院へ。

2台の救急車に分けて運ばれるソンイとフィギョン。

セミはフィギョンのストレッチャーの側につきっきりで泣いている。

とあるメディアでは連絡を受けた記者が『本当か?死んだのか?大変だ!』と言っている。

すぐにPCに『速報:俳優チョン・ソンイが撮影中落下負傷、生命危険』と打っている。

フィギョンの手術が始まる。

手術室の前で憔悴しているセミのもとへフィギョンの両親がやって来る。

取り乱すフィギョンの母。

一方ソンイの手術は始まらない。

ミヨンが医師に尋ねるとソンイの場合脾臓破裂で出血が多く外傷も負ったため輸血が必要なのだがRH血液型の一種である特異血液型E型であり当病院でその血液を確保できないのだと言われる。

家族には血液検査をしてもらうが他に家族はいないのかと問う医師。

ホン社長も漫画喫茶で心配している。

悪辣な書き込みを見て控訴してやると憤慨するのを赤ジャージと青ジャージがなだめている。

そこに女子高生が入ってきてソンイをディスると、3人揃ってお前たちは人間か?出入り禁止だ、出て行けと息巻く。

バスの中でカップルがソンイの話をしているのを聞くソンイの父。

『危篤』と聞き『どこなんだ?どこなんだ、病院!』と声を荒らげる。

そしてバスを降り病院へ駆けつける父。

ミヨン「あんたもわたしも合わなければどうなるのよ?ウチのソンイ。そうなるのよ?」

悲壮感を漂わせるミヨン。

ユンジェ「他の病院も調べてるって言ってたじゃないか」

ふと顔を見上げたミヨンはある人に目を留める。

ミヨン「ソンイのパパ」

父「ソンイのママ、わたしたちのソンイは?」

ユンジェは言葉も出ない。

消えたミンジュン。

パク刑事は全部自分がしたとのミンジュンの供述通りなら緊急逮捕をしなければならないんじゃないかとユ検事に問う。

また弁護士がついてきているのに何も言わないことにも言及する。

なにか言ってくれとパク刑事が言うと少し休みましょうというチャン弁護士。

ユ検事「ト・ミンジュンさん」

ミンジュン「はい」

ユ検事「守りたい秘密があるのですか?でなければ守りたい人がいるのですか?完璧な嘘で自分自身をコーナーに追い込む理由は何ですか?あなたは何のために誰のためにやったのかわかりませんがあなたのために誰かの罪が覆われることもあります」

そこにパク刑事が入ってきてユ検事にソンイが撮影で事故にあい危篤だとスマホを見せる。

スマホをもぎ取るミンジュン。

パク刑事「そうだ、チョン・ソンイさんと親しいじゃないですか?ちょっとどうしてこんなことが起きるんだ?」

無言でミンジュンが走りだしドアを開け部屋を出て行く。

すぐに追いかけるパク刑事。

けれどパク刑事がドアを開けるとすでにミンジュンはいなかった。

パク刑事「ト・ミンジュンさんもう出ました?」

事務員に尋ねる。

事務員「えっ?誰ですか?」

パク刑事「調査を受けているト・ミンジュン、出てこなかったかって!」

事務員「出てこないですけど」

パク刑事が出てくるまで誰も出なかった、自分が見守っていたというのだ。

何を言ってるんだというパク刑事が何度聞いても出てこなかったの一点張りだ。

取調室に戻りミンジュンが戻ってきたかと尋ねるパク刑事。

ユ検事「いいえ、出たじゃないですかたった今」

パク刑事「だから・・・出たのですがいないんです。少し前までいたのにいない。けれどオレはこの状況をどうしてこんなに不慣れではないんだ?」

ミンジュンに最初に任意同行を求めた時のことを思い出す。

あの時もそうだった。

パク刑事「検事、わたしは狂った奴という言葉を聞いても確認をちょっとしなければなりません」

CCTVを眺める。

映像を確認するユ検事とパク刑事。

ハリウッドの映画を見ているようだ、鳥肌が!ハリーポッターか!?と驚きを隠せないパク刑事。

パク刑事「(チャン弁護士に)話をしてくださいよ、何ですか?魔術?そんなのですか?高度なめくらまし?違うならこの状況をどう説明するのですか?」

チャン弁護士「見間違われたのでしょう?」

それでも見たままを説明しエキサイトするパク刑事。

CCTVが故障したんじゃないかと答えるチャン弁護士。

パク刑事「本当にこうしてるつもりですか?連絡してみてくださいよ。どこにいるのか。ホグワーツ魔法学校行ったのか?」

だんまりを決め込むチャン弁護士。

何か夢を見ているようだと言い退室するパク刑事。

チャン弁護士「狂われた、狂われた」

独り言をいうチャン弁護士。

ジェギョンを血祭りに。

ソンイの父の血液とソンイの血液がマッチしたためソンイは手術を受けられることになる。

喜ぶ両親。

父は手術のための輸血の準備だ。

ソンイの様子を少し離れたところから眺めるミンジュン。

足や頬の傷が痛々しい。

拳を握るミンジュン。

ジェギョンのオフィス。

瞬間移動してジェギョンのオフィスにやって来たミンジュン。

ジェギョン「なんの用だ?今頃検事に会っていなければならいんじゃないのか?我々の約束通りするなら」

デスクの下の非常ボタンを探り押そうとするジェギョン。

そのデスクごと吹き飛ばすミンジュン。

続いて瞬間移動してジェギョンの胸ぐらをつかみ宙に浮かせる。

ミンジュン「わたしがどうすると思う?」

ジェギョンが薄ら笑いを浮かべたかと思うと次の瞬間には屋上にいた。

笑うしかないジェギョン。

手すりの際まで移動し。

ミンジュン「おまえを殺してやるぞ」

ジェギョン「オレを?おまえが?恐れも知らずおまえが?」

ミンジュン「そうだ、わたしがおまえを今」

手すりを壊しジェギョンを手を離せば落下するところまで持っていくミンジュン。

相変わらず胸ぐらをつかんだままだ。

続けて。

ミンジュン「おまえがチョン・ソンイにしたように同じ方法でおまえを殺してやる」

ジェギョンを宙に浮かせ『死ね!』と叫ぶミンジュン。

息を飲み続けるジェギョンだが。

ジェギョン「おまえをオレを殺せない。オレは知ってるぞ。オレが死ねば死んでしまうということを。ハハハハハ」

一週間前。

チャン弁護士「万が一にもそんな考えをしているのではないでしょ?それはダメです。もしも先生の能力で誰かを殺したらその時は先生も死んでしまうって。それで誰かに気を許すこともなくうまく過ごしてきたのではないですか?どんなに殺したいほど憎くてもその気持を実行に移しては絶対にダメです。その人間のようでもない奴を殺そうとして先生が死ぬことはできないんですよ」

チャン弁護士が言っていたのを盗聴していたからジェギョンは知っているのだ。

屋上。

ジェギョン「まさか命まで捨ててオレを殺そうとするのか?」

さらに。

ジェギョン「俺達はそんなにも格別な関係だったか?オレはおまえについてのすべてを知っている。おまえの秘密、おまえが誰なのか、どこから来たのか、それとおまえの致命的な弱点は何か全部すべて。おまえが外界人だとしても命がいくつもということではないだろう。一つだけの命をまさかオレに使おうと?」

ミンジュン「おまえを殺しておまえを止めることができるならわたしが死んでもかまわない」

落下しそうになるジェギョン。

ジェギョン「チョン・ソンイが死ぬぞ!」

落下が止まるがうろたえているジェギョン。

続けて。

ジェギョン「オレが死ねば今病院にいるチョン・ソンイも死ぬぞ。オレがおまえのようなやつとゲームをしつつそんな安全装置の一つしておかないと思うのか?オレを殺してもオレを止められはしない。オレが死ねばおまえも死んで。そうして誰もその女を守ることができないことを。それでも大丈夫か?」

薄ら笑いを浮かべるジェギョン。

ミンジュンは力を使いジェギョンを落下させる。

そして地面から数十cmのところで一旦止めてから地面に落とす。

ミンジュンも降りてきてジェギョンの前に立ち彼を見下ろす。

ミンジュン「チョン・ソンイが無事であることを祈れ。彼女に何事か起きればおまえを殺しにまた来るぞ。失うモノが多いと言ったな。一つずつ失うことになる気分を味わせてやる。ついにはすべてのものを失うようにしてやる。破滅が何かはっきりと分からせてやるぞ」

ジェギョン「おまえが恐れもなく・・・」

その言葉にかぶせ。

ミンジュン「おまえが恐れもなく誰に触れたのかもわたしが分からせてやろう」

ソンイの手術が無事に終わる。

医師が両親に説明をしている。

手術は成功したが経過を見ようということだがまずは問題なさそうだ。

二日以内に呼吸が正常に戻れば心配しなくてもいいと医師。

ミヨン「ありがたかった。ウチのソンイあなたが救ったわ」

父「もう行くよ。なにか起きたなら連絡をくれるよう、頼むよ」

ミヨン「ソンイが目覚めるのを見て行って」

父「わたしの顔を見たくないって言いそうだが」

ミヨン「あなたはいつもそれが問題よ!人の心がそんなにわからない?ウチのソンイ、どんなに自分の父に会いたかったか知ってる?現れないでと言われてもホント一度も現れない?わたしよりひどいのはあなたよ!」その場を去るミヨン。

ソンイのそばへ行き顔を見つめる父。

そしてソンイの手を握り涙する。

廊下に佇むユンジェ。

ミヨン「あんた、父さんのところへ行って挨拶しないの?」

ユンジェ「オレには父さんがいないって・・・写真一つも残さないでといつだったか」

去っていくユンジェ。

ソンイの声『パパ、幼い時わたしは怖いたびにパパを呼んだの。『パパ』。それでわたしいまは他の名前を呼ぶのよ。『ト・ミンジュン』。初めてパパより愛する人ができたの。朝から晩まですべてを一緒にしたい人ができたの。その人が行けといくら押し出しても歩みが進まないの。嫌いになろうといくら努力しても嫌いにならないの。しきりにその人がわたしを愛する悲しい夢をいるの』

無意識下のソンイ。

病室の電気は消えソンイの父はソファーで仮眠をとっている。

ソンイが無意識化で思いにふけっているところにミンジュンがやって来てソンイの額にキスをする。

第14話エピローグ。

ミンジュンがキスした後さろうとするとソンイがミンジュンの手を握り引き止める。
目を開けるソンイ。

ソンイ『しきりに悲しい夢を見るの・・・』

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