星から来たあなた
第13話

ミンジュンの憂鬱。

ミンジュン「初めてこちらにきた時わたしはわたしが持つ能力で困ったことにあった人を助けたかったのです。そのためにはわたしが彼らとは異なる存在という事実を明かさざるを得ませんでした」

朝鮮時代。

岩に足が挟まった状態の男が『助けてください。わたしをちょっと助けて下さい、わたしの足が、あ〜』と泣いている。

ミンジュンは超能力で岩を持ち上げ男を助ける。

その後その男は兵を連れてミンジュンの前に現れる。

男「あいつです!あいつが雑術(まやかし)を使って眼力だけで岩を持ち上げました。きっと村に不吉なことが起きているのはすべてあいつのせいに違いありません」

捕縛にとりかかった兵たちの前で消えるミンジュン。

書斎。

ミンジュン「わたしから受けた助けに感謝することは少し。わたしはわたしが持つ能力のせいで彼らとは異なる存在という事実のせいで恐れの対象となりました。それは長く情を与え過ごした人でも同様でした。

数10年前?

友人「話してみろ。我々が友となってもうおよそ10年なのに言えない話があるというのか?一体、どこから出てきたのだ?」

ミンジュン「おまえはわたしを信じるか?」

友人「信じるさ。わたし自身よりももっと」

ミンジュン「わたしの顔はどうだ?お前と初めて会った10年前と比較して?」

友人「わたしはいつも言わないか?おまえは初めて会った時と常に顔が同じだぞ」

ミンジュン「その理由が気にならないか?」

友人「それはおまえがあまり老いない性質だから」

ミンジュン「違うのだ。驚くな。わたしはこの星の人ではないのだ」

友人「何?」

ミンジュン「他の星から来た他の生命体なのだ」

友人「おまえ今私をからかっているのか?」

ミンジュン「事実だ」

友人「証明してみることはできるか?証明してみろ!それならお前の言葉を信じるぞ。違うならわたしをからかっていることを知っ・・・」

ミンジュンはカバンから本を取り出し浮遊させる。

腰を抜かす友人。

ミンジュン「怪我してはないか?」

友人「た、助けてくれ、どうか」

ミンジュン「わたしがどうしてお前を?」

手を差し伸べるミンジュン。

喚きながら逃げる友人。

書斎。

ミンジュン「長年の経験を通して悟りました。誰かを失わないように徹底的に正体を隠さなければならないという事実を。そしてわたしは今日、チョン・ソンイを失うために彼女にわたしの正体を話しました。彼女がわたしから逃げてくれることを、わたしを恐れてくれることを願って」

博物館で。

ミンジュン「12年前、おまえを救ったのが誰だったのか気になってたんじゃないのか?その時おまえを救ったのはわたしだ。おまえを救ったのには他の理由はなかった。その時おまえが400年前のその子、この簪の主人のその子に似ていたから。瞬間、錯覚するほどよく似ていたんだ」

ソンイ「なんて話なの?いま。400年前の簪の主人。その時に生きていた人の顔をどうして分かるの?それならあなたが400年の間生きているということなの?」

ミンジュン「そうだ。わたしは400年前に外界からここに来てわたしが住む星に戻ることができなくてこの地で400年生きてきた」

ソンイ「ト・ミンジュンさん、行きましょう家に。わたしのト・ミンジュンさん、まだすごく悪いわ」

行こうとするソンイ。

ガラスケースが割れる。

ミンジュン「関係ないって?わたしがだれでも。わたしはこんな人だ。それでもまだ関係ない?」

後退りし狼狽するソンイ。

ソンイ「今のはなによ?なにをどうしたの?」

ミンジュン「まだわからないのか?わたしはその気になればいまこの場でおまえを傷つけることもできる。だから機会をやるうちに逃げろ。行け!!」

声を荒らげるミンジュン。

これで去るだろうと思っていたミンジュンの予想に反して震えながらもソンイはミンジュンの手を握る。

ソンイ「少しの間握っているわ。わたし足がとてもフラフラするから・・・あなたが全て合っていたとしてあなたの言うようにその気になればいくらでもわたしを傷つけることができたとしてそれならどうしてなの?どうして今までわたしを何度も助けてくれて、わたしがしようというままにしてくれて、わたしの言葉をすべて聞いてくれて、どうしてわたしを守ってくれたのよ?どうして?」

ミンジュン「言ったじゃないか。その子と似ているからそうした。もしかしたら二人の間に何かあるかと。けれどそうではなかったようだ。おまえがただチョン・ソンイというだけであれば・・・(ソンイの手を離す)わたしは関心がない。おまえがどうなろうと・・・」

去っていくミンジュン。

ソンイ「話にならない。冗談?外界人?病院にはあいつが行かなければならないわ」

簪(かんざし)を見つめ事故当日を思い出す。

ソンイ「ほんとうにあのおじさんだって?ト・ミンジュンが?」

そして何度も救ってもらったことを思い出す。

博物館の外で。

博物館から出てくるソンイ。

ミンジュンは影に隠れている。

ソンイがタクシーに乗って行かないように一瞬タクシーの調子を悪くさせる。

ソンイのお腹が鳴る。

ソンイ「クソ、お腹が空いた。たわごとを言うぐらいならご飯でも食べさせろって。デートだと思ったじゃない!」

イヤリングを外して怒るソンイ。

そして歩いていると歩道の割れ目にヒールが挟まり動けなくなる。

ヒールを脱ぎ空を見上げるソンイ。

ソンイ「あんたが他の星から来たって?外界人なの?あんたが外界人ならわたしはヴァンパイアよ!わたしが二十歳の頃から老いることもなくてこの顔、この皮膚、みんな言うわ。ヴァンパイアのようだと。防腐剤の美貌だと。あんたが何を知ってるのよ!こんな直符使者(チョスンサジャ)おばけ、イソギンチャク、こんな怪物のような奴が!!!」

涙を流して叫ぶソンイ。

影からソンイのことを見ながらいたたまれないミンジュン。

ジェギョンの幻視。

ジェギョン「検事にオレの話をしたのは誰だろうか?誰だと思う?その事実を知っている人はチョン・ソンイ、チョン・ソンイしかいないんだよ。チョン・ソンイが話したに違いないきっと。事を適時処理できないなら必ずこのようにわずらわしい状況ができるだろう」

机を叩くジェギョン。

続けて。

ジェギョン「それでだがチョン・ソンイがその事実を知っていることを考えてみればおまえのせいだ」

ハン・ユラの亡霊に話しかけるジェギョン。

ジェギョン「おまえがおまえのライバルにどうにかしてオレとの関係を明かしたくてああだこうだとヒントを与えたせいでチョン・ソンイがオレたちの仲を知ることになったんだ」

ユラの亡霊「この渦中にわたしのせいにするの?」

ジェギョン「フッ、睨みつけても無駄だ。おまえはオレにどうすることもできない。そう しようとオレが殺したので」

ユラの亡霊「あんたはすでにとても多くのことをしたわ。それをすべて覆えると思ってるの?」

ジェギョン「フッ、ハハハ。面白い奴が出てきたんだ。そんな奴は初めて見る。不思議な能力を持っているんだ。正体がわからない。それでより面白いのさ。真っ向勝負では絶対に勝つことがないのにとてもあきれる弱点をオレがひとつ知っている。チョン・ソンイ。それでオレはその弱点でゲームをしてみることにした。無条件にオレが勝つゲーム」

ユラの亡霊「人が人を愛することをあなたはゲームだと?」

ジェギョン「うん、おまえも負けたじゃないかそのゲームで」

振り返るとユラの幻影は消えていた。

ジェギョン「オレはおまえたちを長く見ていたい。けれどどうしてオレに触れる?」

100年前の写真。

博物館ではミンジュンが壊したガラスケースについて部下が館長に報告をしている。

CCTVが故障していてどうやって入ったかもわからず修理中だという部下。

館長は盗まれたものがなくて幸いだったという。

そして貴重なものを見つけたと写真を渡す。

1910年の写真で大学設立当時のものだ。

その中にあの方がいないだろうかという館長。

設立当時や危機のたびに大学を支えてくれた人で博物館もその方なしでは作ることが難しかったと館長。

100周年記念展示会で展示してはどうだろうかという部下。

そうしようという館長。

そこには100年前のミンジュンの姿が写っていた。

チャン弁護士「いや、どうしてそこまで?チョン・ソンイさんがすごく驚きましたね?」

ミンジュン「そうでしょう」

チャン弁護士「逃げないのですか?」

ミンジュン「はい、逃げさせようとそうしたのに」

チャン弁護士「いや、それでもそうでそんな話をなんでしたので?ただわたしが言うようにすっきりと引っ越しして連絡を切ってしまえば良いことを何しに・・・もしかして記憶を消すというのはダメですか?」

ミンジュン「はい?どんな記憶を消すのですか?」

チャン弁護士「いや、映画を見るとそんなのがあるのに。まあ外界人が何かツボのようなものを押せば人々の記憶が全て消されてそんなの。そんなのはダメですか?」

ミンジュン「映画じゃないですか」

チャン弁護士「いや、時間を止める能力もあり念力もありやる気なら全部できる方がどうしてそれがないと?本当にないんですか?」

ミンジュン「ありません!」

チャン弁護士「パッと押せば記憶が無くなればよかったのに」

しつこいチャン弁護士。

ミンジュン「いや、ないんですって!!」

声を荒らげるミンジュン。

チャン弁護士「たしかに、まあいまはあった能力もいつ消えるかわからないしなるときはなるしならない時はならないし、いまは運次第でしょう、超能力も。これもまあ不安で」

ミンジュン「ハッ〜」

室内のベンチに座り話す二人。

ミンジュン「わたしが今後何をすることができるでしょう?もう必ず行かねばならなくて一緒にいくこともできず残ることもできず。唯一することができるのは良くしてあげることではないかと思います。わたしはもうここでできることはないですから。一緒にご飯を食べることや、散策することや、良い日を祝ってあげることなどそんなことをすることができないですから。彼女がわたしがいなくても美味しいものを食べて、散策して、良い日々を送りながらよく過ごせるように、わたしがしてあげられることをして・・・」

チャン弁護士「先生がしてあげられることが何なのですか?」

思い出す。

ミンジュン「そちらが望むことをわたしがしよう。すべてのことをわたしが抱えて消えることを望んでいるのではないか?そうしてやると。それならここで止まるのか?」

ジェギョンに言った言葉を思い出すミンジュン。

チャン弁護士「なんですか?なに?」

微妙な笑みを浮かべて答えないミンジュン。

言い訳。

ホン社長「あんた焼き芋が狂ったように好きじゃない。ちょっと食べな」

ソンイ「何も(喉を)通らない。水も胸を打ってこそ通るわ」

ホン社長「大変だわ。これはどう見ても恋煩いの初期なんだけど。一体その男がなんて言ったのよ?え?」

ソンイ「なんと言ったかというと・・・自分が・・・」

ホン社長「何なのよ?」

ソンイ「誰にもなんにも言っちゃダメよ」

アメリカ式も入った約束の儀式を行う二人。

ホン社長「言ってみて、何をしたの?」

ソンイ「外界人(宇宙人)だって・・・」

唖然とするホン社長。

ソンイ「驚かない?笑うこともなく?」

ホン社長「いまは言い訳も進化しているのね」

ソンイ「言い訳?」

ホン社長「わたしが初めて男性に告白した時その弾性がこう言ったの」

当時を振り返るホン社長。

男『オレ、軍隊に行く』

ホン社長「1か月後にナイトでブッキングしてわたしにちょうど引っかかったわ・・・フッ、2番目の男はこう言ったわ」

2番目の男『オレ、移民する』

ホン社長「一年後にソレポグでさしみを食べて再会したの。けれど一番呆れたケースが何だったか分かる?」

ソンイ「なんなの?」

3番目の男『オレ神が降りたんだ。お受けしようと』

ホン社長「フッ、そう言ったと思ったら目を上転させて泡も吹いてわたしその人が本当に拍手巫堂になると思ったわ。だけどしばらく後に結婚したのよ。教会で牧師に主礼され聖歌隊の祝の歌を歌ってもらい」

ソンイ「それなら全部嘘だったの?」

ホン社長「そうでしょう。だけど今回のケースはちょっとひどかったわね。外界人だなん て」

ソンイ「けれどおかしな点が1つ2つじゃなかったの。その話をしてる時もガラスケースが炸裂したの」

ホン社長「ユリゲラーそんな人なんじゃない?」

ソンイ「ん?」

ホン社長「昔テレビに出ていた超能力者がいたじゃない。自分が何?UFOに会って超能力ができたとか、それと共に眼力でスプーンをパッと曲げさせて」

ソンイ「知らないわよ。わたしはそんなの信じないの。話になる?」

ホン社長「ところであんた、思ったより自尊心が無いようね。どのぐらいジメジメとすがりつけば男がそんな呆れる嘘をつくの?自分が外界人だなんて。それが100%ウソじゃなければその方精神的にちょっとおかしい人なのよ」

ソンイ「わたし到底こんなにはしていられないわ」

立ち上がるソンイ。

ホン社長「どうして?」

ソンイ「確認をちょっとしなければ!」

北漢山で。

他の人がトレッキングウェアで登山する中いつもの様におしゃれしてヒールで山道を闊歩するソンイ。

サングラスをはずす。

ソンイ「わたしがここで呼ぶんだけど来たら認めるわ・・・。ト・ミンジュンわたしをちょっと生かして〜!わたしをちょっと助けて〜!」

叫び始める。

『どうしたの?狂った女みたいだ行こう』と周りはソンイを変人扱いだ。

それでもめげないソンイは。

ソンイ「ト・ミンジュンわたしはここ、北漢山なんだけど〜!わたしは今ちょっと危険なんだけど〜!ホントなんだけど〜!あ〜助けて〜!助けて〜!」

再び叫ぶ。

ミンジュンは来ずカラスの鳴き声がするだけだ。

ソンイ「チッ、わたしこんなことだと思ったわ。あんたがなんの外界人?なんのスーパーマン?チッ」

学校で。

ミンジュンの授業中ソンイがやって来る。

騒然とする教室内。

サングラスをしたまま腕組みをして後方に座るソンイ。

授業が終わり生徒も出払いミンジュンもソンイに声をかけずに退出しようとする。

急いで前まで走って行きミンジュンの進路を防ぐソンイ。

ミンジュン「どうして?」

サングラスを外す。

ソンイ「出てみて?」

ミンジュン「なに?」

ソンイ「出てみなさいって!外界人ならわたしが塞いでいたからって出ていけない?出てみて。瞬間移動そんなの出来ない?違うでしょ?外界人じゃないでしょ?ねえ?ちょっと違うじゃない!」

無視して出て行くミンジュン。

ミンジュンの横を歩くソンイ。

学生がジロジロ見ている。

ミンジュン「なにしてるんだ?みんな見つめるじゃないか?」

ソンイ「飛んでみて!」

ミンジュン「なに?」

ソンイ「飛んでみてって!飛べない?スーパーマンのような衣装があってこそ飛べる?」

ミンジュン「イタズラするな」

ソンイ「イタズラしているようなのね?わたしがこうだからすごく苛立ってイタズラをしているようなのね?わたしの気分がまさにそうなのよ。違うでしょ!違うでしょ?それは。ちがうじゃない」

無視して行こうとするミンジュン。

ソンイ「行ってみなさい?またわたしを置いて行ってみなさい?わたしはここで叫ぶわよ!あなた外界人だって・・・人々はみんな見つめていることは分かるでしょ?わたしがそのように叫べばSNSに乗って全国に一時間であれば噂はぱっと広がるのよ!某大学教授外界人説」

ミンジュン「チョン・ソンイおまえホントに!」

ソンイ「どうして?わたしを信じてた?信じるなって。誰も信じるなって親切に警告してくれたのはあなたなのにわたしをどうして信じるの?わたしを置いて一人また行けば叫ぶのをやめないわ。わたしは警察に外界人が現れたって申告もしてあそこの大統領府にも投書も入れてそのなんだ、アメリカのNASAそのなんとかそこも突いてとにかく全部するんだから覚悟しなさい。わたしを軽く見たわ、あなた。わたしはやる時はやる女よ!」

ミンジュン「望みは何だ?」

ソンイ「わたしとご飯を食べて」

浜辺のレストランで。

ミンジュンを車に乗せて走るソンイ。

ミンジュン「どこに行くんだ?」

ソンイ「ごはんを食べるって。どこで何を食べるのかはわたしがわたしが決めるわ」

ミンジュン「高速道路にどうして乗るんだ?」

浜辺の海鮮レストラン。

ソンイ「海を分けてそうするのってダメ?(十戒みたいに)」

ミンジュン「やめろって!」

ソンイ「そのとき見たからイシモチもよく食べてたのに。チョンガクキムチもよく食べて。外界人もそんな食べる?電気や樹液などでエナジー充電するのではなく?」

おもむろにミンジュンの頬をつねるソンイ。

ミンジュン「おい!」

ソンイ「皮のようなものが剥がれてそんなんじゃなくて?どうして通常はまさに爬虫類のようなものが中に入っていて血も青でそうじゃない?」

ミンジュン「皮なら剥がれないし中に爬虫類もいなくて血も赤だ!それに我々の星の人々はおまえよりはるかに美貌が優れ我々の星に来れば平均にもならないものたちがエイリアンや惑星脱出のようなもの作って外界人に対する偏見など作っているという話だ。わたしはそんな映画見るたびに呆れる時が一度や二度ではなかったぞ」

微妙な薄ら笑いを浮かべながら聞き箸を置く。

ソンイ「焼酎一杯やる?」

グラスを差し出すソンイ。

ミンジュン「車を持ってきたじゃないか」

ソンイ「なに、酔いを覚ましていけばいいでしょ」

ミンジュン「ペテンに掛けるな!」

クイッと焼酎を飲み干すソンイ。

浜辺の別れ。

浜辺を歩く二人。
ソンイ「わたしまあ一つだけ問うわ。私に以前言ったじゃない。わたしが誰かって」

回想。

ソンイ「今わたしが誰かと聞いてみたの?わたしをまだ分からないの?チョン・ソンイじゃない!」

ミンジュン「そうだなチョン・ソンイだ。あの女性であるはずがないよな」

ソンイ「あの女性って誰なの?なに、わたしと似ているの?」

回想終わり。

ソンイ「その時のその女性なの?簪の主人という女性」

ミンジュン「そうだ」

ソンイ「簪の主人ならヘアスタイルがまとめ髪だったってことじゃない。ト・ミンジュンさん人妻が好きだったの?ま〜わたしは人をそんなに見ないのに」

ミンジュン「そんなに気になるか?」

ソンイ「ポイントはそれじゃなくて。きれいなの?いやまあ確かにわたしに似てるなら、口が痛いほどだったろうし。だけどほんとにそれが全部だったの?あなたが好きだったある女性がわたしにとても似ていて・・・それが全部?」

ミンジュン「そうだ。錯覚して始めたことだ。すごく似ていて惹かれ気になったし確認したいことができた。それでおまえのそばにいることになったがある瞬間おまえがあの子じゃないという気がした。もし、わたしがおまえを少しでも好きならおまえはあの子じゃないと気づいた時何かが残るはずだが何も残りはしなかった」

ソンイ「何も残らない?」

ミンジュン「そうだ」

ソンイ「ほんの一瞬もわたしを好きだったことはなかった?」

いままでのソンイとのことを思い出すミンジュン。

ソンイ「たった一度もわたしのせいでときめいたとか・・・本気でわたしを心配したりそんなことはなかったの?その女性とは関係なくまさにわたしが好きだったことが本当に一度もなかったの?わたしとの未来をそう見たことがほんの一瞬もなかったの?」

ミンジュン「必ず答えを聞かなければならないか?」

ソンイ「うん、はっきりと答えて」

ミンジュン「なかった。ただの一度も。けれどおまえそれがそんなに重要か?わたしが 外界人ということや400年生きていたとかそんなことよりおまえを好きだったとか言ったと、たかだかそんなことが?」

ソンイ「うん、わたしはそれがはるかに百倍・千倍重要よ。わたしはあなたがどこの星から飛んできたエイリアンでもヴァンパイアでも怪物でも過去がどうであってもそんなことよりわたしが好きな、いや、わたしが好きだった男性がわたしをどう思ったのかが最も重要よ。わたしをほんの一瞬でも本当に好きだったのか、ただあなたが忘れずに心に抱いていた女性の代用としてわたしに関心があったのか、わたしはそれがはるかに重要よ。当然じゃない?あなたはわたしが好きだった男よ。12年前にあなたがわたしを助けようがするまいがそのおじさんだろうがなかろうがその真実とは関係なくわたしのお隣に住むト・ミンジュンという人をただ好きになったってあなたを好きだったって、本気で。けれど他の女性の代用でわたしを見た男なら最悪よ。そんな男だと知りながら続けて好きならばわたしはもっと最悪で・・・(心を)たたむわ、わたしが」

ミンジュン「よく考えたな」

横を向くソンイ。

ソンイ「ト・ミンジュンさんこの間迷惑をかけてわるかったわ。二度とそんなことはないから安心して。そんなことはないでしょうがわたしの心が突然板を飛びそちらに電話したり訪ねて行ったりすればもともとしてた通り刃物のように切ってくれれば。そしてたまたま顔を見ることになれば互いに知ってるふりをしないで。もうそんな理由はないから」

振り向き去るソンイ。

家まではミンジュンが運転して一緒に帰る。

けれど駐車場でもエレベーターでも全く無言だったソンイ。

ミンジュンの授業。

ミンジュン「アメリカの心理学者エリザベス・キューブラー・ロス(1926−2004)博士の 研究結果によると愛着を剥奪された人は現実直視まで、五つの感情の変化を経験します」

1番目、憤怒(怒り)

ソンイ『あ〜、あ〜、わたしの胸から千仏が全て出たわ。残らない?残らない?何にも残らない?お〜?ない?ない?わたしを好きな瞬間がたった一度もない?あ〜、悪い奴どうやって復讐しようか、あ〜!!!』

(千佛が・・・慈悲も何も無くなったということ)

2番目は現実否定

ネットで宇宙人の画像を見ていたがノートPCの画面をパタンと閉めるソンイ。

ソンイ『話になる?外界人(宇宙人)?悪ふざけして?誰をからかって?映画を撮って?隠しカメラじゃないの?や〜、や〜(カメラを探す)わかっているわ!え、わかっているわよ!』

3番目は妥協

ベランダに出てミンジュンの家の方をちら見するソンイ。

ソンイ『そうよ、もともとわたしのタイプじゃなかったわ。無愛想で言葉も礼儀をわきまえないようだし時代遅れの朝鮮悪口も言ったりそうよ、あいつはひょっとしたら本当の外界人だってこともあるわ。完全に大アホじゃない。わたしの人生最大の大アホ』

4番目 長い長い憂鬱の段階を経て

元気なくご飯を口に運んでいるソンイ。

ミヨン「あんた、どうして泣いてるの?」

ソンイ「わたしが?・・・(頬の涙を触る)これは泣いてるんじゃないわ。ただ目から涙が出たのよ。泣いてるんじゃないわ」

席を立つソンイ。

ミヨン「涙がでるのと泣くのと、何が違うの?」

ユンジェ「あいつ最近狂ったんだ」

首を横に振るユンジェ。

最後 受容の段階が来ます

ルームランナーで腕を大きく振り歩くソンイ。

ソンイ『そうよ、わたしがもっと綺麗になってもちろん今も極めて綺麗だけどすごく自然にハッと声が出るように綺麗になってあんたが地面を叩くようにしてやるわ!」

ミンジュンの講義「このように喪失によってもたらされる悲しさと苦しさを直接体験しつつ傷を回復していくいわゆる『哀悼』の段階を経ます。ところでこの段階で男女の差が明確にあらわれます。女性はより良いわたしを作ろうとしたりより良い男性に会うために自らの発展に集中する反面男は・・・」

場面が変わり『少し召し上がってください』とスプーンを渡すチャン弁護士。

ミンジュン「(喉を)通って行きません」

再び講義。

ミンジュン「自己破壊的な姿を見せたり耐えられない喪失感で女性よりもはるかにつらいのです」

小さなため息を吐く。

売買拒否。

チャン弁護士と電話するミンジュン。

チャン弁護士「家が売れそうです」

ミンジュン「そうですか。良かったです」

チャン弁護士「はい。場所が良くないとか誰かが噂を広めて売れなさそうでしたが相場より多く出して買うという人が現れたんです」

ミンジュン「そうですか・・・そうですか?」

チャン弁護士「はい。若い人が何のお金がそんなに多いのか、家も見ずにすでに契約金まですべて入金しましたと。そしてちょうどその近くにいるからって家に少し立ち寄ると言いましたよ。来ればドアを開けて下さいと電話差し上げました。(ベルが鳴る)すでに来たようですね!」

玄関を開けるミンジュン。

するとそこには手を振り笑みを浮かべるフィギョンがいた。

ミンジュン「そうですがチャン弁護士。わたし、その契約しません」

チャン弁護士「え〜?ダメなんですが。すでにそちらで契約金を入金してもらってるのに」

ミンジュン「その二倍支払えばいいじゃないですか。尋ねてください」

電話を切るミンジュン。

フィギョン「どうして契約をしないんだ?相場よりもっとやる(払う)のに。価格が気に入らなければ2倍までもっとやることができるぞ。あ〜?家を出るって!オレが買ったって!」

ミンジュン「おまえには売らない」

家の中に入るミンジュン。

フィギョン「あはっ、オレにどうして売らないんだ?おい、引っ越しするって行くんなら早く行けよ!おまえが誰に家を売ろうがおれはこの家に必ず引っ越ししてみせるぞ!」

無意識のうちに湯のみを握り割ってしまうミンジュン。

感情を制御できなくなってしまったようだ。

お隣から声が聞こえる。

フィギョン「お隣、売りに出してんだ。オレが買ってしまおうと思ってるんだけど」

ソンイ「そうできるならそうして。あんたがお隣に住めばわたしもいいわ。顔もよく合わせることができて」

カップに注ぐ水を溢れさせるミンジュン。

胸中生塵。

ミンジュン「胸中生塵(ヒュンジュンセンジン)という言葉があるでしょ。君をとても懐かしがり胸にホコリが積もったという言葉なんですがこれはまあホコリはおろか塵が積もる暇もないようですね。心を整理するのが何だと?部屋の整理をすることですか?机の整理をすることですか?このようにはやく?いま、怒っているのかって?喜ばしいことです。良かったという話です。こんなに早く、クールに整理でき本当に良かったです。怒ってるんじゃないですって!」

キャスティング。

ソンイ「ああ、わたし昨日映画の提案受けたの」

フィギョン「ほんとに?」

ソンイ「うん。主演じゃないんだけど比重ある助演。キャラクターが死ぬんだけど」

フィギョン「どうなんだ?」

ソンイ「性質が汚いって」

フィギョン「ぴったりだな!」

ソンイ「そうでしょ!努めて演技をすることもいらないようよ。正直主人公のキャラクターぜんぶそこでそこじゃない(似たようなもの) 明るくて優しくて正義感にあふれて。わたしは本来キャラクターが強い助演、一度してみたかったのよ」

フィギョン「良かったじゃないか。チョン・ソンイかっこいいな!」

ソンイ「そうよ!助演だろうと主演だろうとわたしはチョン・ソンイよ。主演がだれでもわたしがさっと全部捕まえて食ってやるわ!」

フィギョン「そうだな」

笑みを浮かべるフィギョン。

ユラの恋人。

ソンイ「あ、フィギョン。刑事がわたしを訪ねてきたの」

ミンジュンはその会話を自分の家から聞いている。

フィギョン「刑事がどうして?」

ソンイ「ハン・ユラ、男がいたのかと聞いてきたの。それとともにもしかしてト・ミンジュンさんがハン・ユラと付き合ってたんじゃないかって。けれどそれ違うじゃない。実はわたし知ってるのよ」

フィギョン「なにを?」

ソンイ「ユラ姉さんと付き合ってた男。ジェギョンオッパよ」

フィギョン「ほんとうか?」

ソンイ「うん。それでその事実刑事に話したわ。個人的な話だと考えて話さなようにとしたんだけどどうもそれが捜査と関連しているようで。それと・・・」

フィギョン「ト・ミンジュンが疑いを受けるのが嫌で?」

ソンイ「ジェギョンオッパが知ればとても寂しく思うわよね?」

何かを思うミンジュン。

ミンジュンの授業。

パク刑事とユ検事はCCTVの撮影範囲などを確認している。

その様子を車内から眺めているジェギョン。

ミンジュンは書斎の本の整理をしている。

この地を発つ準備だ。

スマホにメールが入る。

ジェギョン『約束をちょっと早く守ってもわわなければならない。3日与える』

パク刑事「あ〜、ないない、ふ〜。チョン・ソンイの言葉通りイ・ジェギョン専務とハン・ ユラが付き合ってるのが合ってるならこの中でどれか一つ引っかからないと。これはいま何日目だ?」

CCTVを確認しながら不平を言うパク刑事。

あらゆるところをチェックしたのにツーショットがひとつもないし互いの通話記録もない状況だ。

ソンイはユラが他殺であるほうが有利だから一度見ただけのことを言ってるんじゃないかとパク刑事。

ユ検事はジェギョンとユラの通話記録の発信元をチェックし二人の通話の発信元がジェギョンの夏休みの7月24日から27日まで同じチョンピョンからになっていることを突き止める。

パク刑事はチョンピョンの料金所のCCTVを確認しようという。

フィギョンが家に着く。

家のスタッフに兄の車においてきてしまったものがあるからと車のキーを渡してもらい兄の車に乗り込む。

そしてナビからハヌル精神病院の記録があることを突き止める。

博物館へ。

自分に似ているという簪の持ち主が気になりソンイは再び博物館を訪れる。

ソンイ「すみません、どこに行ったんですか?ここにあった簪(かんざし)です」

助教授「あ〜、少し前に事故がちょっとありまして他の場所に移して保管中なんです」

ソンイ「あ〜、はい。ところでもしかしてこの簪の主人が誰なのか知ることができますか?」

助教授「えっ?それは私どもも知ることができません」

ソンイ「まあ、肖像画とか何歳だったのか、人妻だったのか娘だったのか、そんな人的事項は?」

助教授「はい?」

ソンイ「でなければ綺麗だったでしょうか?外貌に対する情報は?」

助教授「ハハ、そうですね〜それはわたしもよく・・・、ハハハ」

ソンイ「失礼しました」

サングラスを掛けるソンイ。

帰ろうとした時にある写真が目にとまる。

100年前の写真にミンジュンが写っていたのだ。

400年生きていたとミンジュンが言っていたことを思い出すソンイ。

そこに女子学生がやって来て100年前の男性たちなのにカッコイイと騒ぎ始める。

とくにミンジュンを見て完全に薫りたつイケメンだし最近の男性よりいいと写真を撮ろうとする。

すかさず体を割り入れて撮影を阻止するソンイ。

再び助教を呼ぶソンイ。

ソンイ「すみませんこの写真はなんですか?」

助教授「ああ、うちの学校が開校当時に援助を多くしてくださった方々の写真です」

ソンイ「売りますか?」

助教授「はい?」

ソンイ「この写真売りますかって?わたしが買います。いくらでしょう?安くなりますか?」

助教授「お金で売り買いするそんな写真ではありません」

キレ気味の助教。

また別の女子学生がやって来る。

身を以って目線を遮る。

ソンイ「サインしてあげましょうか?」

ついにはショールでショーケースを覆う。

ミヨンが美容室のカットルームから出てくるとセミの母ソニョンがいた。

久しぶりだと挨拶をする二人。

ミヨンはソンイが映画の撮影に入ることを口にする。

所属社は?というソニョンに対しS&Cが一人所属社を作ってくれると言うのを保留している言い牽制するミヨン。

心配していたからよかったと形式的な返答をするソニョン。

ミヨン「けれどあなたの心配でもしなさい」

ソンイが復帰したら取られたCMを持って行くべくだからと言い去ろうとする。

ソニョンの顔が曇る。

しかし美容室のスタッフにもう後援しないようにと院長に言われているから支払いをしてくれと言われ面目丸つぶれのミヨン。

すでにチョン・ソンイの母というバリューはなくなっていたのだ。

気を良くして立ち去るソニョン。

匿名の?書き置き。

ソンイ「話をする、しない・・・」

ソンイの声が聞こえ玄関モニターのスイッチを付けるミンジュン。

するとソンイが玄関先で考え込んでいた。

ソンイ「わたしが話をする理由がなんかある?いいわ!このユムシ、イソギンチャクのようなやつ!」

立ち去るソンイ。

けれどその後何度も行ったり来たりを繰り返す。

ミンジュンが玄関を開けると速攻で家に戻るソンイ。

玄関先にはメモが貼られていた。

ソンイ『ミョンイン大学博物館に行ってみなさい!!百周年記念か何かの写真にちゅ・う・も・く・し・な・さ・い!!わたしが誰なのか、絶対知ろうとしないでください!」

と書いてある。

あきれるミンジュン。

その後博物館へ行き写真を消し去るミンジュン。

捜査の進展。

パク刑事「かかりました、かかりましたよ!」

署に戻りユ検事に話しだすパク刑事。

ジェギョンとユラが一緒のところは見つけられなかったが1時間の差でチョンピョンのインターチェンジを通ったことが確認できたと言う。

そのホンミョン山の方にチェギョンの別荘が有るとも言う。

ところでどこへ?と問うパク刑事。

ユ検事は死亡処理された万年筆の主人ハン・ソジンについて調べに行こうとしていた。

ひょっとすると友人にプレゼントしたなんてこともあるからと。

必ずはっきりさせないとと言い送り出すパク刑事。

契約。

ミヨン「まあ、どうせいつも契約などはわたしがしていたから」

勝手にソンイの契約を行うミヨン。

ジェギョン「よくお考え下さいました。恐らくソンイも後悔しないはずです・・・。映画に入ると言っていたと?それなら一旦マネージャー・・・」

ミヨン「いいえ、あの子がわたしがあの子が知らずに契約したのを知ったら馬鹿な騒ぎを・・・(笑うジェギョン)気に入らないって言い出すから一旦撮影に入って抜き差しならない時その時、あの子も所属会社に必要性を感じればその時OKするでしょ」

ジェギョン「それならそうしてください。けれどスケジュールは知っておかねばなりませんからわたしには教えて下さい」

ミヨン「Off course」

姉と弟。

ユンジェ「映画に入っていくって?」

ソンイ「うん、どうしてもテレビより映画のほうが世論が収まるような気もして。あ〜、アクションだよ。わたしは痴情や激情こんなのが好きなのに」

ユンジェ「どうして?おまえが片思い中だから?」

立ち上がりケリをユンジェの顔に寸止めしたり多彩なケリ技を見せつつ。

ソンイ「こいつ、オイオイ、まったく、オイ!韓国でわたしくらいアクションできる女優がまたどこにいるだ?壁登りなら壁登り格闘なら格闘まったく、オイ!わたしが今回は一度ちゃんと見せてあげるわ!ジュア、ハッ、ハッ!」

呆れるユンジェ。

撮影現場。

ワイヤーアクションの準備をするスタッフたち。

ワイヤー担当のスタッフはアルバイトに対して滑車が緩むと危ないからと注意喚起する。

そのアルバイトはジェギョンの部下だった。

ミンジュンの謎。

ユ検事が帰ってくる。

新聞をブランケット代わりにして寝ていたパク刑事が起きる。

奥に何もなかったというユ検事。

そのユ検事に電話が入る。

ユ検事がロビーに出るとミンジュンが待っていた。

ミンジュン「先日のことは遺憾です。もう大丈夫ですか?」

ユ検事「はい。そうでなくても気になるのですが先日はわたしにどうして会おうとおっしゃったのですか?」

ミンジュン「検事さんに必ずお話したいことがあります」

万年筆の主人ハン・ソジンについて病院に聞き込みに行った時のことを思い出すユ検事。

(回想)

ハン・ソジンは3年前に亡くなったのかと問うと旅行に行って見当たらなくなり消息も途絶えのちに死亡処理したと話だけ聞いたのだと言う医師。

ト・ミンジュンという知人がいたかどうか知っているかと問うユ検事。

彼は友人がいなかったし食事も一緒にしなかったし訪ねてくる人もいなかったと医 師。

ユ検事「それなら、もしかしてこの人を見たことないですか?」

ミンジュンの写真を見せるユ検事。

医師「なにか、こんがらがっているんじゃありませんか?この人がハン・ソジンさんじゃないですか?ハン・ソジンさんですよ。髪型だけ違うな、確かです」(回想終わり)

ユ検事「おっしゃってください。わたしにしたい話」

ミンジュンに言うユ検事。

再び撮影現場。

ジェギョンの部下が滑車のネジを弛めている。

ソンイがミヨンと現場に入る。

ミヨン「何よ!誰もいらしたのですねとかいう奴もいなくて・・・あっ、これって何。監督と事前ミーティングもなくすぐ撮影現場なんて。これがまさに助演の悲しみなのよ。だからお母さんの言葉通りS&Cと・・・」

ソンイ「すべて終わった話、やめて」

そこにセミたちがやって来る。

ソンイと異なり現場に歓迎されている。

ミヨン「何よ?主演がユ・セミだったの?」

セミとともに歩いてくる。

監督「あ、チョン・ソンイさん来たね」

ソンイ「お久しぶりですね、監督」

監督「一度、しよう、しょうと言っててやっと会ったね。嬉しいよ。今回ソンイさんの状況がちょっとそうでどうだろうかと思ったけど我々のユ・セミさんが強力推薦してキャスティングすることになったんだ」

ソンイ「そうなの?」

セミ「うん、あなたも常にそうしてくれてたじゃない」

笑みを浮かべるセミ。

監督「最初の撮影からワイヤーシーンなんだけど我がソンイさんはアクションちょっとするじゃない!」

ソンイ「ちょっとしますよ、わたしは」

監督「一旦合わせからしないといけないから武術監督と話を少ししてみよう」

その場を去る監督。

ソニュン「よろしくね、ソンイ。助演がそばでよく支えてくれてこそ主演が輝くから」

そのイヤミに目を見開くミヨン。

ミヨン「聞いた?聞いたでしょ?あの女が話したこと」

ソンイ「母さんがいつもセミのお母さんに言ってたことじゃない。与えるほどに受けるんですよ女史」

ミヨン「ちょっとあんたどっちの味方よ!」

出頭。

チャン弁護士「狂ったのですか?どうして?どうしてそんな考えをされるのですか?」

ミンジュン「でなければわたしがイ・ジェギョンを殺さなければなりません・・・(驚き顔のチャン弁護士)殺すのか止めさせるのか2つに1つです。でなければチョン・ソンイが死ぬこともあります。チョン・ソンイが刑事にイ・ジェギョンとハン・ユラの関係を話しました。時間がないのです」

検察庁に入っていくミンジュン。

ジェギョン「そうか利口だな。約束もしっかり守って。チョン・ソンイの方は?」

恐らく部下と話しているのだろう。

撮影現場。

監督「本当にスタントなく本人が全てやって大丈夫か?」

ソンイ「すると言ったら?」

監督「してくれるならありがとうって言うぞ。それがどうしても実感が出るから」

ソンイ「しなきゃね。主演を捕まえて食らうなら」

検察庁内。

ユ検事「これからする話は映像の録画に入ります。同意されますか?」

ミンジュン「はい、同意します」

ユ検事「始めてください」

ワイヤーに吊られ壁の上に立ち飛び降りるソンイ。

第13話エピローグ。

ソンイ「ト・ミンジュン、わたしはここ!北漢山なんだけど〜!わたしは今ちょっと危険なんだけど〜、ホントなんだけど〜、あ〜助けて〜!助けて〜!」

再び叫ぶ。

ミンジュンは来ずカラスの鳴き声がするだけだ。

ソンイ「チッ、わたしこんなことだと思ったわ。あんたがなんの外界人?なんのスーパーマン?チッ」

岩陰でその様子を見るミンジュン。

何事かと思い講義中に瞬間移動してきたようだ。

ミンジュン「(独り言)ハァ〜、あいつ人をいつでも呼び出して・・・むちゃくちゃ驚いたじゃないか!くそ!」

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