星から来たあなた
キャスト紹介
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《チョン・ソンイ役 チョン・ジヒョン》
28歳。トップ女優。大学生。
一時は国民の妖精、今は韓流の女神。
一言で言えば彼女は星だ。
小中高とずっと撮影現場にいたので、しっかりとした学校教育は受けたことがない。
知らなければならない同年代の世界は知らないまま飛び越えたし、わからなくても構わない大人の世界はあまりにも早く分かった。
そして常識がない。
友達もいない。
家族はいるが・・・いないも同然だ。
周辺に人は多いが、厳密にいえば完全に一人だ。
まあそうかどうかは関係ない。
星は礼儀のようなもの無くても構わない。
一人で美しく輝いてやるだけのことだ。
そんなある日突然、くらくらする頂上からソンイは声を出す間もなく墜落する!
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《ト・ミンジュン役 キム・スヒョン》
年齢不詳。現在の職業は大学講師。
1609年9月25日。朝鮮の地に落ちた宇宙人。
404年間、地球に初めて来た時のように若くて綺麗なその姿そのままで生きている。
鷹の視力、オオカミの聴力、驚くべき速度で移動することができて瞬間瞬間に誰かの近い未来に起こることを見ている。
しかし彼は自分が持っているすべての能力を徹底的に隠して絶対に使わない。
地球を立ち去るその日まで静かで品格があり、誰にも邪魔されずに過ごす計画だった。
基本的に愛について非常にシニカルだ。
人間たちが語る男女間の愛というのは結局、好奇心、嫉妬、性欲、所有欲、憐れみ、義理、習慣ないしは錯覚のようなものだと見る。
しかしチョン・ソンイという女性に会ってミンジュンの意志とは全く違った状況が繰り広げられる。
地球に来てから400年ぶりにこの美しい外界の男が本当の愛を開始する。
そして彼の存在が世間に現われる脅威を受ける危機に処される。
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《イ・フィギョン役 パク・ヘジン》
28歳。S&Cグループの末息子。
新入社員で入社したが体感職級は理事級。
中学生時代<女学生>表紙モデルとして出たソンイに一目惚れして財閥会長の父にねだって会社の広告モデルに起用したがその女は恩どころか相手もしてくれなかった。
いつかは必ずあの礼儀をわきまえないあの女を私の前にひざまずかせてやると数十回誓った。
ところがソンイを知って過ごす期間彼はすさまじく気づいた。
このような関係では金多い側が甲ではなく愛さない側が甲だなと。
私はこの子との関係において乙の中でもシュポウルだなと。
結婚だけしてみろ。
芸能界の活動でも何でも家にきっちり閉じこめておいて、私だけ見て生きるよ うにさせてやる。
幸せな想像をして、毎日彼女の周辺をまわっていたのだけど事件が起きた。
全国民的な非難を受け、魔女狩りを受ける彼女を見てもフィギョンは何もしてあげることができなかった。
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《ユ・セミ役 ユ・インナ》
28歳。助演俳優。
天上女のような微笑、暖かい口調、 誰が見ても好感をもつ。
家柄を見ても知的水準を見てもすべての面でソンイなどに押されないと自負したが外見一つのために押されなければならないことを認めることができなかった。
中学の時、友達を率いて教室に乱入したフィギョンがセミの初恋だった。
中学時代からのソンイの一番親しい友達だったが知ってみると一番近い所にいた敵だ。
ソンイに憧れて好きだという気持ちも間違いなくあるが妬ましく思って踏みにじりたい気持ちがもっと大きい。
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《ヤン・ミヨン役 ナ・ヨンヒ》
54歳。ソンイ母。
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《チョン・ミング役 オム・ヒョソプ》
ソンイの父。
15年ぶりに娘と再会。
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《チョン・ユンジェ役 アン・ジェヒョン》
高校生。ソンイの弟。
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《ホン社長役 ホン・ジンギョン》
年齢不詳。漫画喫茶の主人。
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《チャン・ヨンモク役 キム・チャンワン》
62歳。弁護士。
ミンジュンの唯一の理解者。
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《イ・ジェギョン役 シン・ソンロク》
36歳。 S&Cグループの後継者。
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《イ・ボムジュン役 イ・ジョンギル》
67歳。 S&Cグループ会長。
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《ユ・ソク役 オ・サンジン》
セミの兄。検事。
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《ハン・ユラ役 ユ・イニョン》
ソンイのライバル。
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《アン社長役 チョ・ヒボン》
ソンイの所属事務所の社長。
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第1話

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プロローグ。
朝鮮王朝実録・光海(クァンヘ)1年20巻、9月25日の記録。

杆城郡(カンサングン)と原州牧(ウォンジュモク)江陵府(カンヌンブ)と春川府(チュンチョンブ)の空に洗面器とも思える丸く光る物体が現れた。

それはとても大きく、速さは矢のようだった。

轟く音を出し天地を振動させ火花とともに消えたのだがその時空は澄みきり、四方には一点の雲もなかった。


1609年8月25日カンヌン。

15歳で夫に先立たれたマダン寡婦(マダン クァブ)の行列。

その時飛行物体が現れるとともに強風が巻き起こる。

飛ばされる人や籠。

籠が崖に落ちるというまさにその瞬間時が止まる。

そして朝鮮人の格好ではない男が籠を持ち上げ寡婦を助ける。

手を差し伸べる男。

その男は現代にいた。

地球人が名付けた名前ではKMT184.05kという地球に似た環境の惑星が彼の故郷だ。

そこからその飛行物体に乗ってやってきた。

朝鮮時代から今まで400年も過ごしている。

地球人より7倍感覚が優れており、見たくないものを見て、聞きたくないことも聞いてしまう。

特に食べ物に縛られることはないが唾液や血液が混ざってはいけないため食事はいつも独りでするという。

なにか起きても助けないのは起きることは起きてしまうからだという。

地球人たちはそれを運命と呼ぶとその男。

出勤途中、3ヶ月後に彗星が地球に近づくとのニュースを外のモニターで見るその男は笑みを浮かべる。



男の声『新たな運命が始まろうとしています。400年をも待っていた彗星が地球に近づいています。三ヶ月後、私は私が来た彗星に帰ることができるでしょう』
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最初の記録。

韓流スターのチョン・ソンイはマネージャーに買ってこさせたモカラテとともにセルフショットを撮りそれをSNSにアップする。

モカラテが飲みたかったわけではなくネタ作りのためだった。

けれどスペルミスをして世間の笑いものとなる。

朝鮮初期のムン・イクジョムが民を思いこっそりと寒さをしのげるようにと綿の種を持ち帰った故事を引用したものの記述ミスしてしまったのだ。

所属事務所のアン社長もソンイの教養の無さに頭を抱えていた。

けれどソンイがやってくると態度を変える。

それでもネチズンは小さいことを大きくするからSNSもこれでやめようとソンイを諭す。

ソンイ「嫌よ。SNSが無いと誰と対話すればいいのよ?」

そして事務所の移籍を臭わせて話をクローズさせる。

それほどにソンイは孤独だった。

ある大学の事務所でもソンイの話で持ちきりだった。

ソンイは馬鹿なことで有名だと。

そこに講師であるト・ミンジュンもいた。

同僚「今日は会食だから一緒に行こう」

断るミンジュン。

ミンジュン以外の3人は1年も一緒に働いているのに名前も知らないのかとイライラする。

ソンイは新しく引っ越した家に送ってもらっている。

運転しているマネージャーは以前の事件も含めてSNSをやめるようにと小言を言うが運転だけしてろとペットボトルで殴られる。

マンションの前に到着する。

ソンイ「ついてこないで」

マネージャーとお付の子はかつて変態をボコボコにした話をして変態に申し訳なく思ったのは初めてだったという。

そういうことなので心配はないのだ。

ソンイがエレベーターを待っていると男がやってくる。

ソンイが23階のボタンを押してもその男はボタンを押さない。

ソンイ「そうよ。わたしがチョン・ソンイよ」

ソンイを見ても何の反応も示さないミンジュン。

いつから尾行してきたのか?サインしてあげようか?写真を撮る?とさんざん悪態をつく。

その男はお隣さんだった。

急に態度を変えるソンイ。

ソンイ「すごく驚いたでしょう?」

暗証番号を押すからどいてくれと冷静に言うミンジュン。

ソンイ「ソーリー、ソーリー」

ミンジュンは完全にソンイを無視して家に入る。

ソンイ「どうしてわたしを知らないのか?北朝鮮から来たのか?外国人なのか?」

不思議に思う。

ソンイの母ミヨンとセミの母ソニョンたちが食事をしている。

ミヨン「ソンイぐらい全国民が知ってないと『国民〜』とは言えないわ」

講釈を垂れるミヨン。

他の二人も子役の母だったが今ではソンイとセミしか残ってないようだ。

ソニョンはソンイの引っ越した家に行かなくていいのかという。

明らかにソンイの母が知らないことを知っているのだ。

自分のことを書かれている書き込みを見てぶつくさ言っているソンイ。

そこに母からどうして引っ越ししたことを教えず恥をかかせるのかと電話がかかってくる。

ソンイ「二度と電話をかけてこないで。お母さんとの縁は切る」

ミヨン「おまえは一度鏡を見ろ。おまえの容姿は誰が与えたんだ」

ソンイは父に似てるんだと言い返す。

父の人柄ではなく金を見て結婚してその後捨てたんだと涙を浮かべながら言う母。

そしてその口で父の話はするなと言って電話を切る。

母に弟のユンジェがしばらく帰ってこないと言われたこともあり弟に電話をかけるソンイ。

けれどその電話を無視するユンジェ。

一緒にPC房にいた友人が姉のコラージュを作るのを見てイスを蹴り飛ばしすぐに消せと怒り出す。

ミンジュン自宅。

聴力がいいため周りの音が気になるミンジュン。

すると隣の家から歌声が聞こえる。

気になって眠れずソンイの家に苦情を言いに行く。

ソンイ「今時間は何時かと聞くも10時過ぎかな?」

普通に答えるソンイ。

ミンジュン「こんな夜中に歌を歌うなんて非常識だろう。近所迷惑は申告すれば犯罪にもなるから常識的にやってくれ」

ソンイ「申告するのか?わたしが常識がないと言うのか?わたしが常識がない、概念もないってことじゃない、今!」

突っかかるソンイ。

そして全く関係のない掲示板に書かれていた『おまえの脳にボトックスを射ったのか? 』という言葉まで言い始める。

さらに『自分はダイエットのためにりんごとキャベツ半分しか食べてない。悪口を言われてストレスを発散するために歌をちょっと歌った。それさえもダメなのか』と涙ぐみ 大声を出し始める。

最後には『いいわ、謝る必要はないわ』と自己解決してドアを閉め引っ込む。

呆然とするミンジュン。

結局このためにソンイが家の中で大泣きを始め今度はそれが気になって寝られなくなる。

離れた場所から何でも聞こえてしまうミンジュンの嵯峨。

仕方なく書庫へ行き日記を書き始める。

日記『2013.12.18 地球で最後の3ヶ月の記録』

と書き記す。

撮影現場。

ユ・セミのマネージャーが助監督に文句を言っている。

時間通りしっかりとスタンバイしていたのにソンイが来なくて撮影スケジュールが伸びているのだ。

それなら主人公をしろとキレる助監督。

セミは車から出てきてマネージャーをなだめ助監督にも謝る。

セミ「ニュースは見なかった?今日ソンイは遅れるか来ないわ」

ニュースではソンイが大学に通ってないことが取り沙汰されていた。

学生もインタビューを受け学校で見たことがないという。

忙しいわりにはSNSをやっているとニュースは閉められる。

アン社長は今日は学校にいけというがニュースが出てすぐに行くのは気に沿わないソンイ。

フィギョンの帰国。

S&Cのイ会長はフィギョンの到着が遅いことに気をもんでいる。

女の尻を追い回す奴だと舌打ちしている。

またショッピングモール用地買収のことも気がかりでいる。

31坪の土地所有者が立退きに応じないのだ。

その土地所有者が事故で急死したと知らせが。

人が死んだことではあるがと喜ぶイ会長。

フィギョンは帰国早々ソンイに会いに行っていた。

フィギョン「6ヶ月ぶりに会ったのに会って嬉しくないのか?」

ソンイ「そんな余裕が無いの」

学校にいくということでソンイを送るフィギョン。

フィギョン「この際スケジュールを減らし学校にしっかり通った後に結婚しようよ」

ソンイ「いつか誰かと結婚するだろうけど来年じゃないわ」

ソンイ「キスシーンやベッドシーンのあるメロドラマをするわ」

フィギョン「自分は理解するよ」

ソンイ「未来の夫だけが理解すればいいのよ」

フィギョン「それが自分だよ」

中学校の時から今まで何度プロポーズしたことかと。

学校での再会。

学校に着くと生徒たちが群がる。

女生徒は嫉妬から『鼻は(整形)してるわね。生まれたままであの姿なのがどこにいるのか』と、陰口を叩く。

それに対してお前らも何処かで手術してこいというソンイ。

教授が入ってきて驚く。

ご隣さんだったからだ。

それは良かったとマネージャー。

裏で何とかしようというのだ。

引っ越ししてすぐ何かあったってことはないだろうとマネージャーは言うが『あったの』とつぶやくソンイ。

授業が終わり『教授さま〜』と今までとは全く違う態度で会えてうれしいというソンイ。

ミンジュン「嬉しいですか?」

ソンイ「もしかして昨日のことで当惑している?時々ああいうことがあって昨日は泣く番だったし現代人にとっての風邪のようなものだわ」

ミンジュン「言いたいことは何ですか?」

ソンイは韓流スター云々と文化のことを言い始めるが結局はレポートを書くのが辛いということを言いたかったのだ。

助けてくれとしがみつきこんな縁がどこにあるんだと、引っ越しすればお隣で学校に来れば教授でと言う。

今回助けてくれたらいつか必ず借りを返せると言う。

『人が生きるとはそういうものじゃないですか』というソンイに『一度が二度に三度になっていくのが人が生きるという事だ』と顔を近づけて言うミンジュン。

そしていつか返すというほど人間の時間は長くないと言い去っていく。

400年前と12年前。

唯一の友人チャン・ヨンモク弁護士と将棋を打つミンジュン。

3ヶ月後に死亡届の操作をしてほしいという。

『いつもは10年ごとで今回は2年しか経っていないがなにか問題があったのか?』というチャン弁護士。

今回が最後になるという。

3ヶ月後にもともといた場所に帰るというミンジュン。

寂しがるチャン弁護士。

レストランでは。

フィギョンとセミと食事をするソンイ。

セミに証人になってくれと言いソンイにプロポーズするフィギョン。

懐かしい二人の写真を見せるチャン弁護士。

チャン弁護士「あなたが写真を取るのが嫌いだったから一枚しか無い」

自分だけ容姿が変わらず人は老いて死んでいくのが嫌だったのだというミンジュン。

そして自分がいなくても長生きしてくれという。

チャン弁護士は気になることがあると言い、初めて来た時のことを問う。

ミンジュン「事故があって帰れずそのために一人の子が死ななければならなかった」

チャン弁護士「どんな子ですか?」

ミンジュン「自分に初めて贈り物をしてくれた子です」

自分が書いたというUFOの絵をミンジュンに渡すその女の子。

あなたは本当に直符使者(チョスンサジャ)かと問う。

そんな光景を思い出しつつ12年前のクリスマスイブに不思議なことがあったと話し始める。

※直符使者 地獄への案内人。

その時は京畿道の外科医だったが事故の映像が浮かんだのだというミンジュン。

こんなことは初めてだったと。

ミンジュンは女の子が今まさにトラックにひかれようとしているその瞬間に時間を止め助けた。

チャン弁護士「その子が400年前に会った子と顔が同じだったんですね」

同時刻レストラン。

ソンイもまた『12年前のクリスマスイブに指輪を贈ろうとしたわね』とフィギョンに言う。

その時と同じように今日も受け取らないというソンイ。

フィギョン「1・2度じゃないから傷つかないよ」

けれど理由を教えてくれという。

ソンイ「あの人の顔を覚えている?」

12年前の事故のことを思い出す。

確かにトラックに轢かれるタイミングだったのだが気づいたらある男性に助けられていたのだ。

確かに顔を見たはずなのに思い出せないという。

セミはその人がソンイの初恋だという。

ソンイ「初恋というとオーバーだけどいつか会ってみたいしどうして助けたのか聞きたいの」

それがまさにミンジュンだった。

助けられたソンイは当時『おじさんは誰ですか?幽霊ですか?ちがうなら直符使者(チョスンサジャ)のようなものですか?』と400年前と同様の質問をミンジュンにしたのだった。

ミンジュン「あの日のことは夢だったのだろうか?そんなに似ている人が存在するのだろうか?もし夢でないなら去る前にまた会いたいのだけど・・・だめでしょうね」

寂しそうにつぶやく。

エレベーターのドアが開き目の前にはソンイがいた。

書庫。

ミンジュンがあのようなのは軍隊に行ってないからだという声をどこからか聞く。

自分は1871年の辛未洋擾(シンミヤンヨ)にも参加したし10年毎の身分洗浄ごとにも軍隊に行ったという。

そして400年の間で24回、計49年7ヶ月は戦争に行っていたのだと言う。

ミンジュン『信じますか?』

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